▪はじめに
現代の日本人は3分の2が生活習慣病で亡くなっているといわれています。
そんな生活習慣病を予防するための方法を普及する目的で作られた健康標語が「一無二少三多」です。
今回は、一無二少三多とは何かや一無二少三多に関する記念日などについて詳しく解説していきます。
目 次
一無二少三多の日とは
一無二少三多の日は、毎年1月23日にあります。
この記念日は、一般社団法人日本生活習慣病予防協会が2016年(平成28年)に制定しました。
また、日本生活習慣病予防協会は毎年2月を「全国生活習慣病予防月間」として、一無二少三多の普及を含めた生活習慣病を予防するキャンペーンを行っています。
一般社団法人日本生活習慣病予防協会とは、生活習慣病の一次予防(病気になる前の健康な人に対し病気の原因の除去や健康を推進することで病気の発生を防ぐこと)を中心に、生活習慣病になる原因、診断、治療、リハビリテーションなどに関する知識の普及や、生活習慣病に関する調査研究を行うことにより国民の健康増進に寄与することを目的として2000年(平成12年)に設立された団体です。
▪意味
一無二少三多の日には、「一無(禁煙)、二少(小食・少酒)三多(多動(体を多く動かす)・多休(しっかり休養する)・多接(多くの人や物、事柄に接する)」をより多くの人に実践してもらい、生活習慣病やがんなどを予防して健康長寿に役立ててもらうという目的があります。
▪由来
一無二少三多の日が1月23日になったのは、「一無二少三多」の「一二三」と同じく、日付が「123」と並んでいていることが由来となっています。
▪イベント
一無二少三多の日を制定した日本生活習慣病予防協会では、毎年2月に市民公開講演会を行っています。
過去には、日比谷コンベンションホール(大ホール)にて医師や大学教授「多動で生活習慣病・がん予防」をテーマにした講演や総合討論会が行われました。
また、毎年「一無二少三多」の中のいずれかをテーマにしたスローガン川柳を募集し、市民公開講演会にて受賞作の発表が行われています。
最優秀賞(1名)には5万円、優秀賞(3名)には5,000円分のギフトカード、佳作(5名)には1,000円分のギフトカードが贈呈されるので、興味のある方はぜひ応募してみてください。
一無二少三多の雑学
<一無二少三多とは具体的にどんなことをするの?>
「一無二少三多」が成人病予防に有効であるとされていますが、実際にはどのようなことに気をつけて取り入れていったらよいのでしょうか?
「一無」とは「タバコを吸わない」ことを意味しています。
タバコには、糖尿病や脂質異常症のリスクを高めるニコチンや血栓ができやすい状態にする一酸化炭素、発がん物質を含むタールが入っています。
また、喫煙者だけでなく周りにいる人が副流煙を吸うことでもこれらの有害物質の影響を受けるので、生活習慣病予防のためにはタバコを吸わないことが重要だとしています。
「二少」は、「小食」と「少酒」を意味しています。
生活習慣病を予防するためには、食事は常に腹七~八分目とし、塩分は、男性1日8g以下、女性7g以下がよいとされています。
おすすめの組み合わせは「主食+一汁三菜+果物+乳製品」で、三食を規則正しくよく噛んで食べ、偏食しないようにしましょう。
また、「三つの白(白米や白パンと塩と砂糖)」を取り過ぎないようにすることも大切なポイントです。
お酒も飲み過ぎると病気になってしまうので、1日20g(日本酒1合程度)が望ましいとされています。
「三多」とは、「多動」「多休」「多接」を意味しています。
生活習慣病を予防するためには、適度に体を動かすことが大切です。
日本生活習慣病予防協会では、1回20分の歩行を1日に2回と1日10分の体操や筋力トレーニングを勧めています。
また、ちゃんと寝てしっかりと体と心を休めることも重要です。
標準的には6~8時間の睡眠を取ることがよいとされていますが、睡眠の質の方が重要なので、寝る前にリラックスしてからぐっすり眠り、朝は日の光を浴びてちゃんと朝ご飯を食べるとよいでしょう。
また、休日にも同じ時間に起きて、生活サイクルが乱れないようにすることも質の良い睡眠を取るために大切なことです。
日本生活習慣病予防協会では、「多接」とは「多くの人、事、物に接して創造的な生活をする」ということとしています。
とくに何かを生み出す趣味(俳句や絵画、ガーデニング、手芸など)は豊かな生活を送るのによいとされ、この豊かな生活を送ることが健康長寿に欠かせないとしています。
<「一無二少三多」という健康標語の由来とは?>
「一無二少三多」という健康標語は、日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄氏が考案したものです。
この言葉の由来となったのは「一少、三多」という言葉です。
「一少」とは小食、「三多」とは多動、多休、多接を意味し、朝鮮半島で古くから用いられてきた健康法でした。
この「一少、三多」を明治時代から昭和初期まで活躍した政治家の西園寺公望が知り、実際に生活の中に取り入れているとインタビューに答えていたそうです。
西園寺氏は糖尿病を患っていましたが、この健康法を取り入れたことにより80歳を超えるまで精力的に政治に参加し91歳まで長生きしました。
池田氏は、「一少、三多」が糖尿病などの生活習慣病を予防するのに有効だとし、また現代の日本人に当てはめるとこれだけでは少し足りないと考え、タバコを吸わない「一無」と飲酒を少量に抑える「少酒」を加えて「一無二少三多」という標語を作ったのです。
▪まとめ
一無二少三多は、健康な人が生活の中に取り入れることでより効果が出ます。
忙しい日常の中に全てを取り入れるのは難しいかもしれませんが、なるべく心掛けて年を取っても健康に過ごせるようにしましょう。
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