1年中、深い緑で潤いがある葉をしげらせるギンバイカ。
香りの強い真っ白な花を、ブライダルブーケで見たことがある人も多いかもしれません。
そんなギンバイカは古くから「愛」のシンボルとして、ヨーロッパで親しまれてきました。
目 次
ギンバイカとは
ギンバイカは地中海沿岸やヨーロッパの南西部を原産とする、高さ1~3mの木です。
暑さに強いですが、寒さには弱いため、寒冷地で育てる場合は防寒対策が必要です。
ギンバイカの葉は、押し揉むと良い香りがし、この香りはコアラの食料として知られているユーカリの葉の香りに似ています。
5月から6月に開花する花も良い香りがあり、葉や花の香りが強いため、葉は「マートル」という名前でハーブとして有名です。
秋の終わりには、香り高い、黒紫色の実をつけます。
食べることできますが、苦みがあるため、乾燥させてスパイスに利用されることが多いようです。
他にも、葉や実の香りを活かし、ポプリとしても楽しまれています。
ギンバイカの名前の由来
ギンバイカは、漢字で「銀梅花」と表記されます。
名前の由来は、白い花が梅の花に見えたこと、さらに花から良い香りがすることから、梅のような花ということで、ギンバイカと名づけられました。
ギンバイカには、他にも複数の名前を持っています。
和名はギンコウバイ(銀香梅)、イワイノキ(祝いの木)。
ギンコウバイとい名前も、由来はギンバイカと同じで梅に似ているからです。
また、イワイノキという名前は、結婚式のブーケや飾りとして、この花が用いられることから、名づけられています。
学名は「Myrtus communis」で、「Myrtus」はギンバイカ属という意味を持っています。
英語では「Myrtle(マートル)」、ドイツ語は「ミュルテ(Myrte)」と呼ばれており、学名の「Myrtus」から由来しているそうです。
ギンバイカが誕生花となる日にち
2月7日、2月9日、9月21日
ギンバイカの花言葉
ギンバイカは、「愛」「愛のささやき」「高貴な美しさ」などの花言葉をもっています。
また、西洋の花言葉は「amour(愛)」、「verdadero amor(真実の愛)」、「Wir werden bald heiraten(もうすぐ結婚します)」です。
古代の地中海沿岸やヨーロッパでは、真っ白な花を咲かせるギンバイカが、「繁栄」や「成功」などを象徴する花木として、親しまれていました。
「繁栄」は子孫繁栄を意味し、子宝に恵まれる男女の「愛」をイメージできるものです。
このことから、ギンバイカは「愛」の印象が強く、花言葉にも「愛」が多く使われているのでしょう。
ギンバイカの色別の花言葉
ギンバイカの花は、白い花のみで色別の花言葉はないようです。
ギンバイカの怖い花言葉
ギンバイカは結婚式のブーケにも使われるような、「愛」を印象付ける花です。
ネガティブなイメージや怖い印象の花言葉はないようです。
ギンバイカの歴史
原産の地中海沿岸やヨーロッパでは、古くから愛を象徴する花として親しまれてきたギンバイカ。
その歴史はとても古いです。
例えば、紀元前4000年から紀元前3100年に、守護神として崇拝されていたイナンナ女神。
この女神は、愛や美、戦い、金星、豊穣の女神として知られており、聖花はギンバイカと言われています。
ギリシャ神話の女神で、愛と美の女神とされていた、アプロディーテー。
女神アプロディーテーもまた、聖花の1つにギンバイカがあります。
このように、ギンバイカは古くから愛や美と深い関係が合ったのです。
結婚式に欠かせない花として、ギンバイカが広まったのは、ヴィクトリア女王といわれています。
ヴィクトリア女王が、ブライダルブーケに使用したことで、結婚式の花の定番となりました。
ギンバイカは「愛」の花として、紹介しましたが、「不死」「復活」「勝利」を象徴する花ともされています。
「不死」「復活」「勝利」を印象付けるのは、ギンバイカが年中潤いがある緑の葉をしげらせ、刈り込みをしても枯れる事がないことが理由でしょう。
「愛」の花言葉をたくさんもつ、ギンバイカ。
真っ白で美しい花が、愛をイメージするのにピッタリです。
見た目からは想像できない、「不死」「復活」などを象徴しているとは、意外ですね。