春の訪れを告げるつくし。
山の中や道端でつくしを見つけた時はなぜかとても嬉しい気持ちになります。
でも、つくしとはどのような植物なのか詳しくは知らない方も多いかもしれません。
目 次
つくしとは?スギナの違いは
つくし(土筆)はシダ植物に分類され、トクサ科トクサ属の「スギナ」の胞子茎のことを言います。
春になると山地や道端、畑、土手など一か所にいくつか集まって自生します。
スギナ
「つくし誰の子スギナの子」という歌詞がありますが、つくしとスギナは同じ地下茎から生えています。
深い所まで根が成長し、地上部は胞子茎と栄養茎にわかれ、栄養茎の部分をスギナと呼びます。
光合成をおこない、初夏の頃に成長します。
つくし
つくしは茶色の「袴」と言われる葉に覆われていて、先頭に胞子穂がついています。
花は咲かないため、種はなく、早春に胞子を飛ばして繁殖します。
食用にもなり、昔から生薬としても使われていました。
つくしの名前の由来
つくしの名前の由来はスギナにくっついて地上部に出てくるので「付く子」と言われるようになった説と袴の部分が継いでいるような見た目から「継ぐ子」という意味でつけられた説があります。
また「土筆」という漢字は日本だけで使われる当て字なのですが、つくしの先端部分が筆のような形をしていて、筆が土から顔を出しているように見えることからこの漢字が当てられるようになりました。
つくし(土筆)が誕生花となる日にち
3月6日、3月12日
つくしの花言葉
つくしは花は咲きませんが、「向上心」「意外」「驚き」という花言葉があります。
「向上心」は深い所まで根を広げ、春になると地上に顔を出すと、一気にぐんぐんとまっすぐに伸びるつくしの特徴から来ています。
つくしは10~15㎝ほどの丈になりますが、一日に伸びる丈は平均1㎝くらいと伸びるスピードも速いのです。
また、春は新しい事を始めるのにふさわしい季節です。
色々な事にチャレンジする時期でもあり、その時期に顔を出すつくしにぴったりの花言葉ですね。
「意外」「驚き」はつくしを詳しく知っていくとその特徴に驚くことが多いようです。
例えば、花は咲かず胞子で増える、食べられる、驚くほどの成長力…そして、目立たない色をして見つけにくい分、つくしを発見した時の驚きからこの花言葉がついたのではないでしょうか。
確かに、つくしを発見した時はなんだかお宝を発見したような嬉しい気分になりますよね。
つくしの色別の花言葉
つくしの色別の花言葉は特に無いようです。
ちなみに緑色っぽいつくしを見ることがありますが、それはつくしの胞子が緑色をしているからだそうです。
つくしの怖い花言葉
つくしの怖い花言葉は特に無いようです。
ですが、つくしは「地獄草」と呼ばれることがあります。
つくしは枯れた後も早い段階で地下では根を張り出し、どんどん深い所まで成長していきます。
あまりにも深くしぶとく根を張るため、この根を断ち切ることは人の手では難しいことからこのように呼ばれるようになりました。
つくしの食べ方
つくしは古くから食用として佃煮にしたり常備菜として親しまれてきました。
昔、おばあちゃんが作ってくれたものを食べたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
【つくしの下処理の仕方】
つくしは穂先が閉じているものが美味しいとされていますが、アクが強いので下処理が必須です。
- 茎の部分にある袴を取る。(手が汚れるのでビニール手袋を使うと良い。袴はくるりと一周回すと取りやすい)
- ザルに入れて洗うか、きれいな水になるまで水を変えるなどしてしっかり洗います。
- 鍋にたっぷりの水を沸騰させ、30秒ほど下茹でする。(塩と酢を小さじ1/2ほど入れても良い)
- ザルにとり、更に冷水で2、3回洗います。
つくしは佃煮にするとご飯のお供にぴったりですし、天ぷらやバター炒めにしても美味しいです。
また、つくしは栄養価も高く、カロテン、ビタミンEなどが豊富に含まれています。
ただ、植物毒のアルカロイドやビタミンB1を破壊するチアミナーゼも含まれているので、大量に食べ過ぎないように注意しましょう。