ダイコンソウは名前にダイコンとついているため、大根の花を連想される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ダイコンソウは黄色い花を咲かせるバラ科の植物になります。
目 次
ダイコンソウ(大根草)とは
ダイコンソウはバラ科のダイコンソウ属の多年草です。
主に中国、日本全土の山地に分布しています。
草丈は25~60㎝ほどで、全体的に毛におおわれていて、葉の縁はギザギザしています。
6~8月頃に直径1.5~2㎝ほどの黄色い花を咲かせます。
花びらは5枚で、花期が終わると先がS字フック状に曲がったそう果になります。
「水楊梅(すいようばい)」という生薬としても利用されており、利尿作用などがあります。
ダイコンソウの仲間には以下のようなものがあります。
【フウリンダイコンソウ(風鈴大根草)】
ヨーロッパ原産で、風鈴のような形をした赤紫色の花を下向きに咲かせます。
【ベニバナダイコンソウ(紅花大根草)】
西アジア、南ヨーロッパ原産で、鮮やかな朱色の花を咲かせます。
【オオダイコンソウ(大大根草)】
ダイコンソウに似ていますが、茎に生えている毛がダイコンソウは短い毛であるのに対し、オオダイコンソウは短い毛と長く荒い毛も生えています。
標高の高い所に咲くことが多いです。
【ミヤマダイコンソウ(深山大根草)】
葉が大きく、夏になると高山の岩場に黄色い花を咲かせる高山植物です。
花びらの中心にオレンジ色の斑が入っており、日本では奈良県の大峰山(おおみねさん)、四国の石鎚山(いしづちやま)などに自生しています。
ダイコンソウの名前の由来
ダイコンソウ(大根草)の名前は根出葉が野菜の大根の葉に似ていることからつけられました。
しかし、大根はアブラナ科に分類されており、大根とダイコンソウは同じ仲間ではありません。
学名の「Geum(ゲウム)」はギリシャ語で「美味」という意味があります。
これはダイコンソウが食用野草であることからつきました。
春の葉が柔らかい状態の時にお浸しや天ぷらなどにして食べられてきました。
ダイコンソウが誕生花となる日にち
9月4日
ダイコンソウの花言葉
ダイコンソウの花言葉は「前途洋々」「将来有望」「希望にあふれる」です。
「前途洋々」は将来の見通しが明るく、希望に満ちているということですので「将来有望」「希望にあふれる」という花言葉と同じ意味合いがありますね。
明るい黄色の花と内側から外側に向かうように広がっている根生葉の姿が、このような前向きな花言葉になったようです。
いずれも若い人にふさわしい花言葉ですね。
また、高山植物であるミヤマダイコンソウには「幸せを招く花」という花言葉がついています。
風の強い高山でこのような可愛らしい花を見つけた時の喜びが表れている花言葉ではないでしょうか。
そして、一般的に黄色は幸せを呼ぶ色と言われていることも関係しているのかもしれません。
ダイコンソウの色別の花言葉
ダイコンソウの色別の花言葉は特に無いようです。
ダイコンソウの怖い花言葉
ダイコンソウの怖い花言葉は特に無いようです。
ダイコンソウに似た花
冒頭でダイコンソウの仲間を紹介しましたが、他にも別の種類に属するダイコンソウに似た花が多くあります。
【キンポウゲ(金鳳花)】
キンポウゲ科キンポウゲ属の有毒植物です。
別名「ウマノアシガタ(馬の足形)」とも呼ばれています。
4~6月頃にダイコンソウによく似た5枚の花びらからなる黄色の花が咲きます。
ダイコンソウと間違えて口にすると、腹痛、下痢、嘔吐などの胃腸症状がでたり、汁を触ると皮膚炎をおこすこともあるので注意が必要です。
【キツネノボタン(狐の牡丹)】
キンポウゲ科キンポウゲ属で日本の川や水田のある湿地によく自生している有毒植物です。
5~7月頃にダイコンソウのように5枚の花びらをつけた黄色い花が咲きますが、花の大きさは1~1.5㎝ほどで小さめです。
花期が終わった後に金平糖のような丸くてトゲトゲした実がなることから「コンペイトウグサ」と呼ばれることもあります。
キンポウゲ科の植物は毒のあるものが多い一方で、ダイコンソウは食用にもなりますので、誤食しないようにしなければいけませんね。