「7月1日 山形新幹線開業記念日」
■はじめに
筆者は山形新幹線に2度乗車したことがあります。
最高時速130kmと聞きましたが山間部の森の中、車窓の樹々は間近に迫って、実際の速度よりはるかに速く感じたものです。
目 次
山形新幹線開業記念日とは
1992(平成4)年7月1日、福島~山形間の「山形新幹線」が開業し、東京から山形まで直通の新幹線が誕生しました。
これを記念して同日は「山形新幹線開業記念日」とされています。
その後の1999年12月4日には新庄まで延伸されました。
■山形新幹線開業記念日の意味と由来
1981年に国民体育大会開催が決まった山形県は、県庁所在地である山形駅に新幹線の誘致を関係方面に働きかけた結果、東海道新幹線のようなフル規格ではなく、在来線の奥羽本線を利用する「ミニ新幹線」が実現可能な計画と判断しました。
折から全国でミニ新幹線構想が盛り上がり、先行した山形新幹線がモデル線区になったことから、国の補助金予算が成立、事業計画が動き出しました。
山形新幹線はミニ新幹線構想実現の先駆けとなりましたが、その後は秋田新幹線が実現しただけで、一時のような「せめてミニでも」といった待望論は下火になりつつあるようです。
■山形新幹線開業記念日のイベント
2022年は山形新幹線開業30周年の年で、JR東日本は開業時の6駅の記念乗車券(硬券)セットや、Tシャツ、バッグ、キーホルダー、各駅の名物駅弁などの限定発売を計画しています。
また山形を代表する特産品のサクランボのデザインをラッピングした車両を秋まで走らせるそうです。
山形新幹線開業記念日の雑学
▽ミニ新幹線は車両もミニ
山形新幹線は東京~山形間の直通運転を前提としているため、在来線の線路幅をフル規格の標準軌に広げましたが、車両は東海道新幹線などより5m短く、車体幅も40cm狭くなっています。
東海道新幹線の普通車は20×5列の100人が定員ですが、山形新幹線は17×4列の68人でしかありません。
また、トンネルも在来線列車仕様なので車両の大型化は不可能です。
運転速度にしても、山間部を走る奥羽本線はカーブが多く、踏切もあるために、在来線区間では時速130kmまでしか認められず、高速化という新幹線の特長を生かせたとは言えません。
▽狭軌と標準軌の間にある「馬車軌間」
線路幅1067mmの狭軌と1435mmの標準軌のほかに、あまり知られていませんが「馬車軌間」と呼ばれる1372mmの軌道があって、東京の大手私鉄の京王線、都営新宿線、都電荒川線、東急世田谷線で使われています。
この1372mmは当時の東京都電が採用していた軌道幅で、京王線はこれに倣って馬車軌間を採用しました。
後に改修しますが京浜急行や京成電鉄も1372mmで建設しています。
京王線はしばらく相互乗り入れの話がありませんでしたが、東京都が都営新宿線を計画した際に、1435mmへの改修を打診されたことがありました。
しかし改軌工事は多くの部分運休期間が必要で、沿線人口の多さから不可能と判断し、都の打診を断ったところ、相互乗り入れの必要性を重視した都側が新宿線の軌道を京王線に合わせることを決定したため、現在も馬車軌間で運行されています。
今は乗客の利便性のため、相互乗り入れ全盛の時代で、あまり都心に出る機会がなくなった筆者は路線図を見るたびに驚きの連続、もうどの電車がどこを通ってどこに行くのかさっぱりわかりません。
かつては京成電鉄、地下鉄浅草線、京浜急行の3社乗り入れで、正月に成田山発三崎口行き、また東海道本線の小田原発籠原(埼玉県熊谷市)行きを見て、ちょっと感激したのを覚えています。
しかし京王線は今後も新宿線以外の相互乗り入れは不可能です。
■最後に
ミニ新幹線はメリットがあまりないと言われていますが、在来線と共用であるため第3セクター化されず、廃線の恐れがないことは沿線住民にとって最大のメリットかもしれません。
フル規格の北海道新幹線が札幌に延伸されれば、今の山線は廃止となって余市は陸の孤島になると危惧されていますね。
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