「7月1日 名神高速道路全通記念日」
■はじめに
最近は高速道路の劣化が目立ち、「改修工事のために通行禁止」といったお知らせをよく目にします。
半世紀以上も経つんですから、それも当然ですね。
目 次
名神高速道路全通記念日とは
1965(昭和40)年7月1日、愛知県小牧市~兵庫県西宮市までを結ぶ日本初の高速道路「名神高速道路」が全線開通しました。
1963年7月に栗東~尼崎間を先行して部分開通させ、翌年4月と9月の部分開通を経て、1965年のこの日、最後の小牧~一宮間の開通によって全線開通となりました。
これを記念して7月1日は「名神高速道路全通記念日」とされています。
■名神高速道路全通記念日の意味と由来
東京を起点とする東名高速道路に先んじて、なぜ名古屋~神戸間の高速道路が開通したのでしょうか。
今思えば不思議な話ですが、当時は現在ほど東京一極集中ではなく、名古屋~神戸間は日本の6大都市のうち4都市があって、全国の人口の5分の1、生産額も3分の1を占めていました。
また、名古屋、大阪、神戸港からの輸出も日本全体の60%、輸入は42%に上っており、名神高速道路の開通はトラック輸送の短縮になって経済発展に多大な効果を及ぼしました。
ちなみに、計画段階では同時に東名高速も検討されていましたが、東海道ルートと中山道ルートを主張する勢力の折り合いがつかずに時間ばかりが過ぎて、名神に先を越されました。
結局、音を上げた道路公団が両ルートを建設することで決着、それが東名高速と中央自動車道ですね。
■名神高速道路全通記念日のイベント
名神高速を管轄する中日本高速道路(NEXCO中日本)名古屋支社は2015年、管内3か所のサービスエリア、パーキングエリアで名神高速全通50周年を記念するイベントを開催しました。
記念グッズの配布、地元の特産品販売、缶バッジ作り体験などは親子連れに人気でしたが、特に目を引いたのが当時は珍しかったトヨタの燃料電池車「MIRAI」と、愛知県警のパトカー、三菱「GTO」の展示でした。
変わったところでは吉野家が牛丼並を120円で限定販売したことで、この値段は名神高速全通時の値段だったそうです。
次の開催は2025年、2035年・・・と10年おきでしょうか。
名神高速道路全通記念日の雑学
▽「名神高速道路」の正式名は「中央自動車道西宮線」
「高速道路」と呼ばれているのは名神高速と東名高速だけですね。
他は東北自動車道、北陸自動車道のように「○○自動車道」ですが、こちらのほうの呼び方が正しくて、名神の法令上の呼称は「中央自動車道西宮線」、東名は「第一東海自動車道」なんです。
なんだか味気なくて、高速運転もできそうにない名前です。
当時は高速で運転できる自動車専用道路という意味を込め、特に「高速」を強調しようと「名神高速」「東名高速」という通称を使用しましたが、この通称が一般に支持されたまま今日に至っています。
その後、高速道路も珍しくなくなったことから、通称を使わず法令上の「○○自動車道」として発表しています。
▽世界銀行調査団が見た日本の道路
名神高速道路建設費用の借款要請を受けた世界銀行が派遣した調査団は、数年後には開通するはずの新幹線の高度な鉄道技術と、劣悪な道路輸送行政とのギャップに驚きを隠せなかったと言います。
たしかに当時の道路舗装率は一級国道でも23%しかなく、二級国道は10%、都道府県道だとわずか4%でした。
調査団は「貧弱な道路網が日本経済に多大な損失を与えている」とし、「高速道路をこれほど必要としている国は日本のほかにはない」とレポートしました。
人口密度と都市間の距離が近いことが原因で、歩行者、自転車、オートバイ、スクーター、乗用車、バス、トラックに加え、牛馬車、手押し車の「混合交通」となり、これを解消することが急務として借款を認め、日本政府に対しても道路行政予算の3倍増を勧告しています。
鉄道と道路、この報告からは新幹線開通と同じ時代と思えないギャップがありますが、道路行政の立ち遅れは自動車を所有、利用するのは個人との意識が強かったためと思われます。
■最後に
クルマを運転しない筆者は高速道路とは無縁だったので、最近までインターチェンジとジャンクションの違いがわかりませんでした。
航空写真で見るジャンクションはまるで芸術品のような曲線美です。
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