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点字記念日(点字の日・日本点字制定記念日)とはいつ?意味や由来、イベントは

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▪はじめに

点字とは、視覚障害者が指で触って読む文字です。

海外で誕生した点字が日本に伝わってから現在に至るまで、点字は視覚障害者の重要なツールとなっています。

そこで今回は、日本の点字に関する記念日や歴史、点字のルールなどについて紹介していきましょう。

 

点字記念日とは

点字記念日は、毎年11月1日にあります。

この記念日は、1890年(明治23年)のこの日に日本点字が決定したことに因んで、2013年(平成25年)4月15日に日本点字普及協会によって制定されたものです。

日本では、それまで欧米の点字を利用したローマ字つづりで日本語を表示していましたが、1890年(明治23年)11月1日に開かれた点字選考会(第4回)によって石川倉次氏の案を採用することが決定されました。

 

▪意味

点字記念日には、日本点字が誕生した日を広く知ってもらい、「点字を使う人を知って、点字を大切にする人を増やす」という点字の普及活動を行うという目的があります。

 

▪由来

点字記念日は、1890年(明治23年)の11月1日に日本点字が決定した日であることに由来して制定されました。

 

▪イベント

東京都新宿区高田馬場にある日本点字図書館では、毎年11月に無料イベントの「日本点字図書館オープンフェス」が開催されています。

このイベントは、日本点字図書館の今を知ってもらうことと、一般の人たちに視覚障害者への理解を深めてもらうことを目的として行われているものです。

 

「日本点字図書館オープンフェス」では、点字に関する講演会をはじめ、自分で点字を打って名刺を作ったりカレンダーを作ったりするコーナーや図書館のバックヤードツアー、中心暗転や視野狭窄などの疑似体験ができるメガネをかけて文字を読んだり廊下を歩いたりする体験コーナーなどが行われます。

 

色々な体験をしたり職員さんの話を聞いたりすることで視覚障害とはどういうことかを正しく知る機会となるので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

日本点字図書館HP 

 

点字の雑学

<点字の歴史>

現在は世界各国で使われている点字ですが、いつごろ誕生したのでしょうか?

点字が誕生する前の視覚障害者は、一般的に使われている文字を木や紙に盛り出した浮き出し文字や、紐の結び目で文字を表す結び文字などを使っていました。

しかし、これらの文字は読み取るのに時間がかかり、なにより視覚障害者自身が文字を書くことがとても難しい方法でした。

 

そのような中で、初めて点字が誕生したのは19世紀初めごろです。

点字を作ったのは、フランス軍の砲兵士官シャルル・バルビエでした。

バルビエは、夜間に情報を伝達する方法として縦6点・横2列の12点式点字を考案しましたが、この点字は視覚障害者用の文字として使えるのではないかと思いつき、パリの盲学校に12点式点字を持ち込みます。

バルビエの点字は今までの方法よりも読みやすく、なにより自分で書くことができると盲学校の生徒たちは夢中になりました。

 

しかし、この盲学校の生徒であったルイ・ブライユは、バルビエの12点式点字は指で読むには長すぎると感じます。

そこでブライユは1人で研究し、縦3点・横2列の6点式点字を考案したのです。

そして、ブライユが16歳であった1825年(文政8年)にアルファベットや数字など6点式点字の基本形を完成させました。

ブライユの点字は、視覚障害者にとって読みやすくて書きやすいとされましたが、すぐに公式の点字としては認められず、1854年(嘉永7年)にようやくブライユの点字がフランスの公式点字として認められましたが、それはブライユが亡くなって2年後のことでした。

その後、ブライユの6点式点字はヨーロッパ各国へと広まっていき、現在では世界中で使われるようになりました。

 

日本にブライユの点字が日本で使われるようになったのは、1887年(明治20年)に東京盲唖学校(現在の筑波大学附属視覚特別支援学校)の教員であった小西信八氏が生徒の小林新吉に教えたのが最初です。

小西氏は点字の必要性を感じ、同じ学校の教員であった石川倉次氏にブライユの点字の日本語版を作ることを依頼します。

石川氏と小西氏は同僚の先生や生徒たちの協力を得て、日本語点字の研究を進めていきました。

そして、1890年(明治23年)11月1日に行われた第4回点字選考会で石川氏の考案した点字を採用することが決定したのです。

しかし、この時点では石川氏の日本語点字には「きゃ・きゅ・きょ」などの拗音の点字はありませんでした。

そのため、石川氏は1898年(明治31年)に「きゃ・きゅ・きょ」などの拗音点字を新たに発表します。

この拗音点字を含めた日本語点字は、1901年(明治34年)に「日本訓盲点字」として国が発表し、石川氏が考案した点字は盲人用文字として公認されたのです。

 

<点字のルールとは>

現在日本で使われている点字は次のようなものがあります。

 

・50音を表す点字

・小さなツ

・のばす音「―」

・ガギグゲゴなどの濁音

・パピプペポなどの半濁音

・キャ・キュ・キョなどの拗音

・ギャ・ギュ・ギョなどの拗濁音

・ピャ・ピュ・ピョの拗半濁音

・数字

・句読符

・アルファベット

 

また、点字には次のようなルールがあります。

 

・点字を読む方向は左から右、書く方向は右から左

・日本語の点字は全てカタカナで表されているので、意味のまとまり毎に1マス開けて書きます。

・「お父さん」「今日」などは「オトウサン」「キョウ」ではなく「オトーサン」「キョー」と書きます。

・点字は聞いた音をそのまま表すため、「わたしは」の「は」や「本屋へ」の「へ」などは、「ワ」や「エ」と書きます。

 

これらのルールから点字を文にしてみると、「ワタシワ オトーサント ホンヤエ イク」となります。

 

▪まとめ

ヨーロッパで誕生し、明治時代に日本に伝わった点字の日本語版が誕生したことで、日本の視覚障害者の方たちの世界はとても広がったと思います。

現在では、街の中にもエレベーターのボタンやトイレなどで点字が使われていたり、ジャムの容器や缶ビールなどの商品に点字が施されていたりしています。

また、シャンプーとリンスの容器など点字とは違う視覚障害者用のマークが付いているものもあり、視覚障害者の方がより暮らしやすくなれるように工夫され続けています。

みなさんも、街中などで点字を探してみてはいかがでしょうか。

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