ピラカンサは春には可憐な白い花を咲かせ、秋になると赤い実がなります。
赤と緑のコントラストが美しく、クリスマスのリースなどにも用いられます。
目 次
ピラカンサとは
ピラカンサはバラ科トキワサンザシ属で、常緑低木になります。
原産地は中国、ヨーロッパで日本へは明治時代に渡来し「トキワサンザシ(常盤山査子)」とも呼ばれています。
また「ピラカンサス」という呼び方もあります。
4~6月頃に1㎝ほどの白い小花をたくさん咲かせ、秋になると赤い実をつけます。
樹高は約3~7mほどになり、枝には鋭いトゲがあります。
ピラカンサの仲間には以下のようなものがあります。
【タチバナモドキ(橘擬)】
中国原産で別名「ホソバノトキワサンザシ(細葉常盤山査子)」ともいいます。
5~6月頃に白い小花が集まって咲き、実は11月頃に熟すと橙色になります。
名前の「橘」は「みかん」という意味があり、橙色の実をつけることからきています。
【カザンデマリ(花山手毬)】
ヒマラヤ原産で別名「ヒマラヤピラカンサ」ともいいます。
全体的にトキワサンザシに似ていて5~6月頃に白い小花を咲かせ、秋に赤い実をつけます。
トキワサンザシとの見分け方はカザンデマリの方が少し実が大きめで、色も少し濃いめの赤色になります。
また、トキワサンザシの花序には細い毛がありますが、カザンデマリにはありません。
ピラカンサの名前の由来
ピラカンサ(Pyracantha)はギリシャ語で「Pyro(炎)」と「acantha(棘)」という意味があり、火のように赤い実をつけ、枝にたくさんのトゲがあることが由来となっています。
同じ理由で中国名では「火棘(かきょく)」という名前がついています。
別名の「トキワサンザシ(常盤山査子)」はサンザシ属の仲間でサンザシに似ていることからつきました。
常盤は「常緑」という意味があるので、ピラカンサが常緑低木であることからきています。
ピラカンサが誕生花となる日にち
10月26日、11月23日、11月4日、12月8日
ピラカンサの花言葉
ピラカンサの花言葉は「燃ゆる思い」「美しさはあなたの魅力」「防衛」です。
「燃ゆる思い」「美しさはあなたの魅力」の花言葉はピラカンサが鮮やかな赤い実をたくさんつけることが由来となっています。
同じように赤い実をつける植物に「南天」がありますが、南天よりも艶があり、鮮やかな赤色で集まって咲くため、インパクトがあります。
「防衛」の花言葉はピラカンサの枝にトゲがあることにちなんでつけられました。
トゲがあることによって、外敵から身を守ることが出来るので、この花言葉がついたのですね。
また、人が剪定する時もトゲが刺さらないように注意しなければならないので、そういった意味でも「防衛」という花言葉はふさわしいのではないでしょうか。
ちなみに「サンザシ(山査子)」の花言葉は「希望」「慎重」などがあります。
「希望」の花言葉の由来は5月頃に白い花が咲き始めることから、イギリスでは「Mayflower(メイフラワー)」と呼ばれています。
イギリスでは5月はもっとも楽しい時期だそうで、そこから「希望」という花言葉がついたといわれています。
日本では「五月病」という言葉もありますが、それでもゴールデンウィークがあったり、気候も爽やかで良い季節ですね。
「慎重」の花言葉はサンザシも枝にトゲがあり、扱いには注意が必要であることからつきました。
ピラカンサの色別の花言葉
ピラカンサの色別の花言葉は特に無いようです。
ピラカンサの怖い花言葉
ピラカンサの怖い花言葉は特に無いようです。
鳥も食わないピラカンサの実?
ピラカンサは葉や実の部分に青酸系の毒が含まれています。
食べてしまうと嘔吐や胃腸障害の症状が出ることがあります。
一見、美味しそうに見える赤い実ですが、全盛期である秋のピラカンサの実は鳥たちも口にしないようです。
しかし、実が終わる2月頃には毒性が弱まるといわれており、ヒヨドリやムクドリなどの鳥が食べにやって来るそうです。
鳥たちもきっとピラカンサの毒性のことをわかっているのですね。
生き物の本能といいますか、賢さに感心します。