ヒガンバナのような赤色に丸い形をしたハエマンサス。
細長い茎の頭に咲く花姿はまるでパチパチと光る線香花火のようです。
目 次
ハエマンサスとは
ハエマンサスはアフリカ原産のヒガンバナ科スカドクスス属の多年草です。
開花時期は夏生育型は6月上旬~8月下旬頃、冬生育型は9月下旬~11月上旬頃で、細長い茎の頭に赤や白の球状の花を咲かせます。
草丈は10~20㎝ほどで、葉は冬生育の方が厚くなります。
南アフリカを中心に60種類ほどの品種があります。
赤い花を咲かせる品種は夏生育型の「ムルチフローラ」が代表的です。
ハエマンサスの仲間で白い花を咲かせる「マユハケオモト(眉刷毛万年青)」は冬生育型です。
マユハケオモトは比較的寒さに強い品種ですが、ハエマンサス自体は日の当たる場所を好み、雨に弱いため、鉢植えが適しています。
ハエマンサスの育て方は以下のようになります。
【用土と肥料】
土は草花用培養土と軽石を2割程度加えたもの、もしくは赤玉土小粒、腐葉土、軽石を5:3:2の割合で混ぜたものがよいでしょう。
肥料は最初に緩効性化成肥料を施し、葉が育つと液体肥料を与えましょう。
【水やり】
葉の生育中に土が乾いたら水を与えます。
休眠中に水を与えすぎると根腐れしやすくなるので注意しましょう。
【病気と害虫】
湿気に弱いため、梅雨になると葉枯病になることがあります。
雨期は鉢植えの場合は葉が濡れない風通しのよい場所に置きましょう。
害虫は梅雨が明けた後の蒸し暑くなる頃に、アカダニやナメクジが発生しやすくなるので、薬剤を用いて駆除しましょう。
ハエマンサスの名前の由来
「ハエマンサス(Haemanthus)」の名前はギリシャ語で「血(haima)」と「花(anthos)」という意味があります。
これはハエマンサスの赤い花が血を連想させることからきています。
同じ仲間の「マユハケオモト(眉刷毛万年青)」は「眉刷毛(マユハケ)」のような花姿と葉が「万年青(オモト)」という植物に似ていることからつきました。
「万年青(オモト)」はキジカクシ科オモト属で冬になると赤い実をつけます。
ハエマンサスが誕生花となる日にち
11月23日
ハエマンサスの花言葉
ハエマンサスの花言葉は「裕福」「純粋」「清純な心」です。
「裕福」の花言葉は小花がたくさん集まって咲く花姿が由来となっています。
代表的な品種のマユハケオモトの名前の由来である「万年青(オモト)」も縁起の良い植物と言われており、風水に用いられたり、引っ越しのお祝いに鉢植えがプレゼントされることもあるようです。
ハエマンサスも鉢植えで飾っておくと金運が上がりそうな花言葉ですね。
「純粋」「清純な心」の花言葉はフワフワと風に揺れる花姿とマユハケオモトのように白い花を咲かせることから、このような花言葉がついたのではないでしょうか。
ハエマンサスの色別の花言葉
ハエマンサスは赤や白の他にピンクや黄色の花を咲かせるものもあるようですが、色別の花言葉は特に無いようです。
ハエマンサスの怖い花言葉
ハエマンサスの怖い花言葉は特に無いようです。
マユハケオモトと万年青(オモト)
ハエマンサスの仲間であるマユハケオモトの葉に似ている万年青(オモト)は観賞の際に葉の形や班の入り方によって様々な呼び方があります。
例えば葉の縦方向に対して横切るように班が入っているものを「虎斑(とらふ)」と呼びます。
そして、葉の形が細長く、先の尖ったものは「剣葉(けんば)」といい、葉の面に細長い隆起が出ているものを「竜葉(りゅうば)」といいます。
また、万年青(オモト)は江戸時代に徳川家康が江戸城に入る際、家臣が献上したと言われています。
ハエマンサス(マユハケオモト)はそれよりも遅く、明治時代に日本に渡ってきました。
品種によって夏生育型と冬生育型があるので、両方のタイプを育ててみるのも1年に二度楽しみがあって良いですね。
オモト(万年青)の花言葉。引っ越しや風水にもばっちりの縁起草