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すしの日とはいつ?意味や由来、イベントに「東京すしの日まつり」

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▪はじめに

すしは、日本を代表する和食の1つです。

国内外を問わず人気の高いすしに関する記念日は、実りの秋である11月の初めにありますが、この日に制定されたのはとある物語に由来しています。

そこで今回は、すしに関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。

 

すしの日とは

すしの日は、毎年11月1日にあります。

すしの日は、全国すし商環境衛生同業組合連合会(全すし連)によって、1961年(昭和36年)11月に制定された記念日です。

 

▪意味

すしの日には、「実りの秋・収穫の秋・米への感謝をする日」という意味があります。

 

▪由来

すしの日が11月1日にあるのは、11月が新米の収獲時期であり、また魚の脂も乗って、一年で一番美味しいすしの材料が揃う季節であることに由来しています。

また、歌舞伎の「義経千本桜」という演目の中の「鮓屋(すしや)の段」という作品の中で、源平合戦で源氏に破れた平家の総大将・平維盛が討伐から逃れて大和の国(現在の奈良県吉野市下市村)で鮎を使った鮓職人・弥左衛門の弟子となり「弥助」と改名した日が11月1日であったことも由来の1つとなっています。

 

▪イベント

東京都鮨商生活衛生同業組合では、毎年すしの日に合わせて10月30日~11月1日の期間に「東京すしの日まつり」を開催しています。

 

「東京すしの日まつり」は、「すしの日」の認知拡大や常連のお客様への感謝、職人が仕込みをした本格的なすしの美味しさや板前とのコミュニケーションを取ることの楽しさなどを新規のお客様に伝えていくという目的のため、30年以上前から行われているイベントです。

 

イベントの内容は、期間中にイベント参加店で食事をして応募すると、温泉旅館の宿泊券やマグロ1.5㎏、牡蠣20個、すし券5000円分などの商品が抽選で当たるというものです。

 

寿司が好きな方や、回らないお寿司屋さんの敷居が高いと感じている方などはこのイベントを機にイベント参加店に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

すしの雑学

<「寿司」と「鮨」の違いとは?>

すしを漢字で書く場合、「寿司」または「鮨」という文字が使われます。

なぜ、この2つの漢字が使われるようになったのでしょうか。

 

もともと「すし」という言葉の漢字は「鮓」という文字が使われていました。

この漢字は古代中国で使われていたもので、塩やぬか、発酵させた米などに魚を漬け込んだ「なれずし」のような保存食を表す言葉でした。

「なれずし」のような保存食が誕生したのは、古代の東南アジアの山間部であったといわれています。

この保存食が中国に伝わり、中国で「鮓」と呼ばれるようになったのです。

その後、中国で魚の塩辛を表す「鮨」という文字が誕生しますが、いつごろからか「鮓」と同じ意味で使われる言葉となっていきました。

この「鮓」「鮨」という言葉が魚の保存食の名前として日本に伝わったのは、弥生時代だといわれています。

稲作と伝来とともに中国から伝わった魚の保存食は、日本で「なれずし」と呼ばれるようになり、これが寿司の始まりだといわれています。

奈良時代ごろ「なれずし」はアユやフナなどの川魚と塩と発酵させたご飯で作られていましたが、鎌倉時代になると残り物の魚でも作られるようになりました。

しかし奈良時代から鎌倉時代ごろまで「なれずし」は、税として納められていたため庶民の口には入らない高級品でした。

室町時代に入ると発酵が浅いうちに食べる「なまなれ」と呼ばれるなれずしが誕生します。

それまでの「なれずし」は魚だけを食べて米は食べませんでしたが、「なまなれ」はご飯も一緒に食べる料理で、現在の押し寿司や箱寿司の原型ともいわれています。

 

江戸時代に入ると米酢の生産が盛んになり、米を発行させない「早鮨」が誕生し、庶民も寿司が食べられるようになり、江戸時代後期には現在のような握りずしが誕生しました。

そしてこの握りずしに「寿司」という漢字が使われるようになったのです。

当時はまだ、すし(なれずし)は朝廷への献上品でした。

そこで「すし」は朝廷に献上するという縁起の良い食べ物であるという意味を強調するために、「寿を司る」という意味にもなる「寿司」という漢字が当てられたといわれています。

その後「寿司」という漢字は日本全国に広まり、一般的に使われるようになっていきました。

現在も「すし」は「寿司」や「鮨」という漢字で表されますが、「鮨」は魚を使ったすしや発酵させたすしに使われることが多く、「寿司」は種類を問わず全てのすしに使われているようです。

 

<すしの数え方を「貫」というのはなぜ?>

日本では物によって特有の単位で数えることがあります。

すしもその1つで握りずしを「貫」という単位で数えますが、なぜ「個」ではなく「貫」と数えるのでしょうか?

この理由は諸説あります。

 

穴あき銭一貫分の大きさとほぼ同じだったから

握りずしが誕生したばかりの頃の握りずしは、おにぎりくらいの大きさのシャリに漬けマグロやこはだなどを乗せた屋台メシでした。

この大きな寿司が、紐を通した穴あき銭一貫分の大きさと同じくらいであったため、「貫」と呼ばれるようになったといわれています。

 

「貫」という重さの単位から

江戸時代に使われていた重さの単位に「貫」というものがあり、現在使われている単位で表すと一貫は3.75㎏なります。

江戸時代の大きな寿司は、1個の重さが約40gで9種類のネタが入ったセットを一人前として販売していました。

ですから、この頃のすしは一人前約360gとなるのですが、江戸っ子は景気よくすし一人前を「一貫分の握りずし」と呼んでいたようです。(現在のおつり10円を「おつり10万円ね!」っていうのと同じノリでしょうか)

一人前一貫が後に、握りずし1個を一貫と数えるようになりこれが定着したという説があります。

 

氷一貫分の力で握ったから

江戸時代の握りずしは現在でいうファストフードで、片手でも食べられるようなものでした。

そうなると、形が崩れないようにしっかりと握る必要があったわけですが、このしっかりと握る力が「一貫分の氷を重石にしたくらいの力」といわれていたことが元となってすし一個を「一貫」と呼ぶようになったといわれています。

 

握る手つきが忍者の印を結ぶ形に似ていたから

握りずしを握る手つきは、独特の形をしていますよね。

あの手つきは江戸時代からあったとされ、その形が忍者の印を結ぶ形に似ているといわれていました。

そして、忍者といえば巻物、巻物を数える単位は「一巻、二巻」ですよね。

当時も巻きずしはあったので、巻きずしを「一巻、二巻」と数える様になり、これが転じて握りずしを一個「一貫」と数える様になったという説があります。

 

因みに、握りずしは「二個一貫」と数えるか「一個一貫」と数えるかどちらが正しいのかよく分かりませんよね。

元々は、大きな握りずしを食べやすくするため一個を二つに分けて二個セットで販売するようになったので、「二個一貫」というのが正しかったようです。

しかし、戦後に入るとそれでは数えにくいとされ、大手寿司チェーン店などで「一個一貫」として販売されるようになりました。

これが徐々に広まっていき、現在では「一個一貫」が定着しつつあるようです。

 

 

▪まとめ

すしの日は、実りの秋に感謝するとともに歌舞伎の中の物語が由来となって制定された記念日でもあります。

その歴史の始まりは日本ではなく東南アジアだったことにも驚きましたが、稲作とともに日本に伝わり、日本独自の進化をしていき和食の代名詞となった歴史の深い料理でもあります。

すしの日には、すしの歴史を感じながら美味しいお寿司を食べるのもいいですね。

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