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月遅れ盆送り火とはいつ?意味や由来、イベント、お盆の歴史やお盆飾りの意味は

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▪はじめに

月遅れ盆送り火とは、お盆に帰ってきていた先祖の霊を送り火を焚いて送り出すという行事のことです。

盆送り火は各家庭で行われますが、京都五山送り火や奈良大文字送り火など有名な大きな送り火もあります。

そこで今回は、月遅れ盆送り火について紹介していきましょう。

 

月遅れ盆送り火とは

月遅れ盆送り火は、毎年8月16日にあります。

盆送り火は、もともと旧暦の7月16日に行われていた行事ですが、明治時代に現代の暦に改暦されたことに伴い、一ヶ月後の8月16日に盆送り火が行われるようになったことから「月遅れ盆送り火」と呼ばれるようになりました。

送り火は、地域によってやり方に違いはありますが、8月16日の夕方に、玄関先や庭でおがら(皮を剥いた麻の茎)を焙烙(ほうろく:素焼きの小皿)に乗せて火を焚きます。

近年ではマンションに住む人が増えたりして火を焚くことが難しくなったので、電気灯を使った盆提灯を灯すことで送り火とする家庭が増えています。

 

▪意味

月遅れ盆送り火は、お盆で家に帰ってきていた先祖の霊が無事にあの世に帰れるように送り火を焚いてお見送りをするという意味があります。

 

▪由来

月遅れ盆送り火が8月16日にあるのは、仏教行事の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が旧暦の7月13日から7月16日に行われており、これが日本に伝わりの先祖の霊を迎える風習と合わさって日本のお盆となったことが由来となっています。

 

▪イベント

毎年月遅れ盆送り火には、日本各地で送り火が行われています。

特に有名なのは、「京都五山送り火」で、毎年8月16日の20時から行われています。

京都五山送り火では、まず20時に東山に「大」の字火が焚かれ、20時5分に松ヶ崎に「妙」と「法」の字、20時10分に西加茂に「船の形」、20時15分に大北山に「左大文字」、最後は20時20分に嵯峨に「鳥居の形」と、5分ごとに点火されていきます。

 

送り火で炊かれる火は、一般市民から護摩木を集めて送り火の点火材料としています。

護摩木の受付は次の場所で行われています。

昔から、護摩木に自分の名前と病名を書いて送り火で焚いて貰うと病気が治ると言われており、毎年多くの人が護摩木を納めています。

地元の人だけではなく観光客でも書いて大丈夫なので、京都五山送り火を見に行ったときには護摩木を納めてみてはいかがでしょうか。

 

大文字の護摩木の受付

場所:銀閣寺山門の前

時間:8月15日の12:00~19:00ごろ 8月16日の6:00~14:00ごろ

舟形の護摩木の受付

場所:西方寺

時間:8月5日~8月15日の8:00~16:00ごろ 8月16日の7:00~10:00ごろ

左大文字の護摩木の受付

場所:金閣寺門前

時間:8月15日の9:00~15:00ごろ 8月16日の7:00~14:00ごろ

鳥居形の護摩木の受付

場所:化野念仏寺の駐車場

時間:8月13日~8月15日の10:00~16:00ごろ 8月16日の9:00~15:00ごろ

 

また、関連行事として嵐山の渡月橋と広沢池で19時から灯篭流しも行われています。

京都ガイドHP  https://kyototravel.info/

 

お盆に関する雑学

<お盆の歴史とは>

お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、「盂蘭盆教」という親孝行を説いたお経が由来となっています。

これは、お釈迦さまの弟子が神通力で亡くなった母親が地獄で逆さ吊りの刑を受けていることを知り、母を救えないかお釈迦さまに相談すると、お釈迦さまが「夏の修行が終わった(旧暦の)7月15日(現在の8月中旬)に多くの高僧を招き、心から供養すれば、母を苦しみから救えるでしょう」と伝え、弟子がこれを実践したら母親が無事に極楽往生できたという内容のお経です。

 

このお経が日本に伝わり、日本の祖霊信仰と融合してお盆の風習となったといわれています。

 

日本で初めてのお盆の行事は、推古天皇の14年(606年)に行われた推古天皇十四年七月十五日斎会だとされています。

その後も斉明天皇三年(657年)七月十五日に飛鳥寺で盂蘭盆会が行われたという記録が残っており、天武天皇時代(733年)以降は恒例行事として毎年行われるようになりました。

その後、貴族、武士、僧侶などの上流階級層にも盂蘭盆会は広まっていきますが、民衆の間では行われていませんでした。

お盆の行事が民衆に広まったのは江戸時代からです。

これは、江戸時代初期に寺請制度(どの家も仏教のいずれかの宗派に所属し檀家とする制度)が始まったことで菩提寺の僧侶に先祖供養のためのお経をあげて貰えるようになったからだとされています。

また、迎え火や送り火、提灯などに使われるロウソクが大量生産されるようになり、一般家庭にも普及したことが大きな理由だといわれています。

 

こうして江戸時代に定着したお盆の行事が、現在も受け継がれているのです。

 

<お盆飾りの意味とは>

お盆には、ご先祖様の霊をお迎えするためにお盆飾りを準備するという風習があります。

地域や宗派によって違いはありますが、「盆棚」と呼ばれる祭壇に真菰(まこも)という植物で作ったゴザを敷いて、その上に「そうめん」「水の子」「鬼灯(ほおずき)」「盆花」「精霊馬」「お供え物」などを飾り「盆提灯」を置くのが基本的なお盆飾りです。

 

これらの飾りにはそれぞれ意味があります。

 

盆棚(精霊棚)

盆棚は精霊棚とも呼ばれるもので、お盆飾りを乗せて仏壇の前に設置する祭壇です。

この盆棚に真菰(まこも)を敷いて、その上に位牌や花、個人の好物などのお供え物を置きます。

真菰(まこも)とは、盆棚に敷く真菰というイネ科の植物で作られたゴザで、かつて、お釈迦様が病人を真菰の上に寝かせて癒したため、真菰は神聖な植物だとされていることから盆棚に敷かれるようになりました。

本来は二段や三段になっていますが、最近では小さな机に白布や真菰を敷いたものを盆棚にする家庭も増えています。

 

そうめん

先祖の霊があの世に帰る際に、お土産を背負うために使う紐として飾られます。

また、「細く長く喜びが続くように」という願いが込められているともいわれています。

地域によってはうどんが飾られる所もあります。

 

水の子

水の子とは、餓鬼道に落ちた無縁仏のためのお供え物です。

または、ご先祖様の喉を常に潤すための供え物といわれている地域もあります。

賽の目に刻んだキュウリとナスを水に浸し、少量の米をかけたものを蓮の葉(地域によっては里芋の葉)の上に置いてお供えします。

 

精霊馬(しょうりょううま)

精霊馬とは、先祖の霊があの世から帰ってくるときの乗り物としてキュウリの馬とナスの牛が飾られます。

キュウリの馬は、先祖の霊があの世から戻ってくるときの乗り物で、「足の速い馬に乗って一刻も早く家に戻ってきて欲しい」という願いが込められています。

ナスの牛は先祖の霊があの世に帰るときの乗り物で、「牛は歩みが遅いことから、ゆっくり景色を楽しみながら帰って欲しい」という願いが込められています。

また、地域によっては、馬と牛が逆の意味がある所や、キュウリの馬に先祖の霊が乗り、ナスの牛に荷物を乗せて行き来するとされている所などがあります。

 

鬼灯(ほおずき)

先祖の霊があの世から戻ってくる際に、足元を照らす提灯や目印になることから飾られます。

また、盆提灯に似ていることから飾られるともいわれています。

 

盆花

昔から、ミソハギや桔梗、女郎花、山百合、なでしこなどの花が飾られてきました。

ミソハギの花には悪霊を追い払うという意味がありますが、その他の花は季節の花を飾っていたようなので、近年は故人が好きだった花や花屋さんで盆花として販売されているものを飾るのが一般的となっています。

 

盆提灯

先祖の霊が迷わないようにするための目印として飾られます。

軒下に吊るしたり盆棚の横に置いたりして飾ります。

 

お供え物

夏の野菜や果物、個人の好物などをお供えします。

 

宗派や地域によっては、盆棚の四方に葉の付いた笹を立てて、結界のように縄を張る場合もあります。

 

盆棚は、8月12日の夕方か13日の朝に作り、8月13日から16日までのお盆の期間に飾り、8月17日に片づけます。

ただし、新盆の場合は、8月の初めに盆棚を飾り始めましょう。

 

▪まとめ

送り火は、地域によって様々な形があります。

私が子供の頃は、庭で送り火を焚いたり初盆のときには檀家さんが集まって盆飾りを焚いて貰ったりしていました。

みなさんも、各家庭で送り火を行い、ご先祖様にまた来年会いましょうと手を合わせてください。

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