▪はじめに
教育とは子供たちに色々なことを教え子供たちを育てることです。
しかし、現在の日本では教育を教師や親だけが行うものだと考えられています。
子供を教育するうえで、大人たちみんなの協力が必要であり、教育とは何かを自治体を通じて多くの人に知ってもらうために制定された記念日が「教育の日」です。
そこで今回は、教育の日と教育に関する雑学について紹介していきましょう。
目 次
教育の日とは
教育の日は、毎年11月1日にあります。
この記念日は都道府県や市町村ごとに制定されており、制定された年は自治体によって違っています。
教育の日が制定されるようになったきっかけは、全国連合退職校長会が1年に1日でもいいので、国民一人一人が個人もしくは仲間や地域の人々と今日の教育のあり方を考える機会となる日があればと考えて1996年(平成8年)から制定できるよう働きかけを行ったことにあります。
2021年(令和3年)の時点で教育の日を制定しているのは、38都道県、109市、1区、83町、21村となっています。
また、自治体によって11月1日~11月7日を「教育週間」11月を「教育月間」と制定していたり、11月の第1土曜日を教育の日としていたり、12月や2月、3月などに教育の日を制定したりしています。
▪意味
教育の日には、各自治体の人々の教育への関心と理解を高め、子供たちの健やかな成長を願うという意味があります。
これにより、教育の日には子供たちの教育に関する様々な取り組みが家庭、学校、地域社会の連携のもとに行われています。
▪由来
教育の日を11月1日に制定している自治体が多いのですが、これは昭和23年の11月1日に都道府県教育委員会が発足したことや、文部科学省が11月1日~11月7日を「教育・文化週間」と定めていることに由来しています。
▪イベント
教育の日には、各自治体で様々なイベントが行われています。
東京都では毎年11月の第一土曜日を「東京都教育の日」として、毎年違うテーマに沿って事業を行っています。
過去には、「オリンピック・パラリンピック教育の推進~スポーツを通じた健全な心身の育成・ボランティア参加の高まり~」をテーマとした記念式典が行われました。
この式典では、筑波大学教授の真田久氏による講演や東京都の小学校・中学校・高校・特別支援学校の代表校が自分たちの取り組みについて発表、学校活動支援団等に対する東京都教育委員会感謝状の贈呈式などが行われました。
また、自治体によっては教育の日にオープンスクールを行い、保護者が自由に授業を見学できる取り組みや、文化祭、スポーツイベント、企業による職場体験などが行われています。
教育の日に関するイベント情報は、各自治体のホームページでお知らせがあるので、そちらを確認してみてください。
教育の雑学
<「教育」の語源とは>
「教育」という言葉は、それぞれの漢字のまま「教え育てる」という意味があります。
この「教育」という言葉は古代中国から伝わった言葉で、今から2000年以上前に書かれた中国の古典「孟子」の中にも登場しています。
「教」という漢字の旧字「敎」という漢字は、校舎(屋根に交差した木がある建物の形)にいる子供たち(生徒たち)を先生が手に持った木の枝や鞭を打って励ましながら指導するという場面から出来ています。
かなり厳しい先生のようですが、昔の中国ではこれが普通だったのでしょうね。
また、「教」には親が子供に善悪を注意して教え、子供がそれを受け入れるという意味も含まれているとされています。
「教」という漢語は、日本に伝わり「教える」という漢字として使われるようになりました。
「おしえる」の語源は、「ヲシム(愛しむ)」「ヲサヘ(抑え)」「ヲシアヘ(食でもてなす・自分が持つものを十分に与える)」といわれており、「おしえる」という言葉には、愛情をもって悪いことを抑え、自分が持つもの生きるすべを与えるという意味があると考えられています。
「月(ニクヅキ)」には肉付きよく大きく成長するという意味があり、これら2つを合わせた「育」には、無事に生まれた赤ちゃんが肉付きよく立派に成長するという意味を込めて作られたとされています。
「育」も中国から日本に伝わった漢語で、日本では「育つ」という言葉として使われるようになりました。
「そだつ」の語源は、「スダツ(巣立つ)」「ソタツ(傍立つ)」「ソヒタツ(添立つ)」といわれており、独り立ちできるまで傍で支え、助け導くという意味があると考えらえています。
すなわち「教育」という言葉は、子供が立派に成長するよう傍で支えながら、愛情をもって善悪や自分の持っている知識や経験など生きていく上で大切なものをすべて与えて助け導くという意味があるというわけなのです。
<遠足はいつから行われるようになったの?>
遠足とは、先生が生徒を引率して学校外に社会見学や運動を目的に日帰りで出かける学校行事で、子供たちに人気が高いイベントの1つです。
そんな遠足は、いつ頃から学校行事として行われるようになったのでしょうか。
もともと「遠足」という言葉は江戸時代末期に歩いて遠くまで行くという意味として一般的に使われていました。
遠足が学校行事の1つとして取り入れられたのは明治時代中期ごろからです。
それまでも、いくつかの小学校が運動会を行うときに会場となる場所まで歩いて移動することを「遠足」と呼んでいたそうですが、この遠足には教育的な意味はありませんでした。
遠足が教育的な意味を持つものとして学校で行われるようになったのは、19世紀にドイツの哲学者・教育学者ヘルバルトが実験学校で実施したことが最初とされ、その後欧米の学校で広まっていったとされています。
ヘルバルトは、言葉や絵図による教育よりも実際のものを見て触れることが大切であるとし、「遠足」と「学び」を合わせた総合的学習として取り入れました。
このヘルバルトの教育理論が日本で紹介されたのは、明治時代に入り日本で学校教育が始まってしばらくたった明治20年代ごろでした。
そして、ヘルバルトの教育理論のもと総合的学習とした「遠足」が初めて学校行事として行われたのは、1896年(明治29年)11月に東京高等師範学校附属小学校(現在の筑波大付属小学校)の2年生が行った「飛鳥山遠足」だとされています。
総合的学習として行う遠足は、明治30年代以降の教育に大きな影響を与え、明治時代後期には日本独自の意味を持つ学校行事として定着していったといわれています。
▪まとめ
太古の昔、教育とは親が子供に言葉や獲物の取り方、物の作り方など生きるすべを教え伝えるものでした。
その考えは今も教育の根底にあり、教育に携わる人たちだけでなく、私たち大人全員が持っていなければならないものだと思いました。
みなさんも、教育の日には私たち大人が子供たちに伝えるべきことは何かを考えてみてはいかがでしょうか。
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