「6月1日 衣替えの日」
■はじめに
去年は秋らしい秋の記憶がなく、夏からあっという間に寒い季節になった気がします。
昔は春夏秋冬の移り変わりがハッキリしていたように思いますね。
季節の変化にメリハリがつかないと衣替えのタイミングに戸惑うばかりです。
目 次
衣替えの日とは
6月1日は衣服を夏に向かって入れ替える「衣替えの日」です。
当然、冬支度の衣替えもあるわけで、こちらのほうは10月1日ですね。
もちろん地域や日によっても寒暖の差があり、一律にこの日にというわけではありません。
■衣替えの日の意味と由来
日本に衣替えの習慣が定着したのは平安時代で、これは中国の宮廷行事を取り入れたものです。
当初は年2回でしたが、江戸時代に入ると何かとしきたりにこだわる江戸幕府は、四季に応じた衣服の着用を制度化します。
やがて1873(明治6)年、暦が太陽暦に変わるのを機に、明治政府は警官や軍人の制服を6月1日と10月1日に衣替えすることにし、これが今日でも「衣替えの日」と呼ばれる所以です。
家庭の衣替えは天気と気分次第ですが、会社や学校では「衣替えの日」に合わせて夏服と冬服を替えています。
しかし、ある程度、日に幅を持たせているのは当然ですね。
■衣替えの日のイベント
衣替え自体がイベントのようなものですから、この日に何かイベントが開催されたとは聞いたことがありません。
衣替えが近い時期に、防虫剤や収納家具のセールスキャンペーンくらいでしょうか。
衣替えの日の雑学
▽「四月一日 わたぬきと読む 衣替え」(詠み人筆者)
「ひとつぬひで 後に負ぬ 衣がへ」
(ひとつ脱いで 後ろへ負いぬ 衣替え)
これは松尾芭蕉の句で、
「旅の途中では衣替えの日になっても着替える夏服がない。仕方がないので着ている服を1枚脱いで背中に背負い、これで衣替えをしたことにしよう」という気持ちを詠んだ一句で、「衣替え」は夏の季語になっています。
現在、6月1日はカレンダー上では夏の最初の日ですが、暑くなる前の準備なので春にこそふさわしいと思えます。
それに芭蕉の時代は旧暦なので、衣替えは4月1日でした。
それでも当時から夏の季語だったのは、暑くなりつつある初夏の日差しを連想させる言葉だったからと言われています。
ちなみに、江戸時代の4月1日の衣替えは、綿を入れていた服から綿を抜く作業で、これが「四月一日」を「わたぬき」と読ませる難読苗字の由来になっていますね。
▽衣替えで穢れや厄を取り除く
平安時代の衣替えは単に夏と冬の装束を替えるだけではなく、それまで溜まってしまった「穢れ」(けがれ)や「厄」を装束の交換によって取り除く意味もあったそうです。
暑さや大雨、湿気など今ほど衛生状態がよくなかった当時の梅雨時は健康を害する人も多く、それが「穢れ」や「厄」に結びついたのでしょう。
となれば衣替えは神事に近いものであったとも言えますね。
▽天気図にも衣替えがある
新聞に掲載の天気図にも冬用と夏用があって、毎年5月1日と11月1日に切り替わるので、いわば「天気図の衣替え」です。
日本列島の位置が北に寄って南が広いレイアウトは夏用で、台風の情報に備えています。
冬用は大陸から張り出すシベリア高気圧による冬型気圧配置に備えるためで、記号の凡例も雷マークが消えて、雪マークの紹介が登場します。
夏用、冬用を並べると間違い探しのようですが、並んで掲載されることはないので、この違いに気がつく人はあまりいませんね。
■最後に
今年の春は寒暖がめまぐるしい季節だったので、夏物への衣替えをいつまでも決めかねていました。
先日、どうにか念のために手元に置いてあった冬物を整理しましたが、ついでにもう着ることのないシャツやセーターを思い切って捨てることにしました。
なんだか「衣替え」というより「断捨離」の気分でした。
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