京都を中心に、関西では古くから「十三詣り(十三参り)」というお祝い行事があります。
あまり聞きなれない行事なのですが、七五三より重要視している地域もあるそうです。
今では全国区で、この十三詣りの風習が広がりを見せています。
一体どんなお祝い行事なのかをまとめてみましたので、是非参考にして下さい。
目 次
十三詣りはいつ?
かつては、虚空蔵菩薩が13番目に誕生したことから(ちなみに一番目は釈迦如来)、旧暦3月3日=「新暦4月7日」にお参りをしていました。
今ではその前後の一か月間(3月13日~5月13日)がお参りする期間になります。
ただし、寺院によっては、期間が違ったり、4月13日のみだったり、予約制の所もあるので、事前に確認した方が良いと思います。
十三参りとは?
十三詣りとは、
数え年で13歳になった子どもが健やかに成長したことに感謝し、
親子で一緒にお寺や神社の「虚空蔵菩薩」にお参りし、
子どもの「知恵」「学徳」「福徳」「多福」を祈る行事です。
また数え年の13歳は男女ともに厄年とされているため、「厄除け」をするお祝い行事になります。
ちなみに、「福徳」とは、前世や現世での善い行いによって得る幸福と利益、功徳(=神仏の恵み、ご利益)という意味です。
十三詣りの意味や由来について
虚空蔵菩薩は、知恵と福徳を司る菩薩様とされることから、十三詣を「知恵詣り」「知恵もらい」とも言います。
広大な宇宙のような無限の知恵と慈悲を持った菩薩様で、その功徳は、知恵や暗記力だけでなく、あらゆる財産を得られる功徳、所願成就の功徳があるとされています。
詳しく調べてみると、弘法大使空海が19歳の時に「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう):虚空蔵菩薩の真言を100万回唱える修法のこと」を修する(=おさめる、修練するという意味)と、飛躍的に記憶力が増したという説があり、十三詣りで虚空蔵菩薩を参拝する理由は、この事にちなんでいるようです。
また、十三詣りで有名な、京都嵐山「法輪寺」によると、平安時代幼くして天皇の地位についた「清和天皇」が、空海が抜群の記憶力を身につけたと言うご利益にあやかりたいと、法輪寺において成人の証として「勅願法要」を催したとされています。
このとき、清和天皇は数え年で13歳であったことから、「13歳でお参りして、虚空蔵菩薩の知恵を授かる」という風習のきっかけになったとも言われています。
十三詣りは江戸時代(1608年~1868年)中期に始まったようです。
当時、男子で数え年の13歳は元服(大人の仲間入りをすること)の年齢であり、古来の日本において子どもが心身ともに大人へと変化する重要な節目の歳とされていました。
ちょうど干支が初めて一周する歳でもあります。
男子は「元服」でお祝いし、女子は、「本身祝い」で、初めて大人の寸法(本裁ち)の晴れ着を着てお祝いしたそうです。
参拝について
十三詣りは、虚空蔵菩薩を奉っている神社やお寺でお参りをします。
しかし、今では、日頃お世話になっているお寺や神社、氏神様(その地域を守っている神様)にお参りする人も増えました。
お参りのとき、半紙に子ども自身が授かりたいものを漢字一文字に書いて祈祷してもらいます。
「恵」「心」「美」「福」「知」など、漢字一文字なら何でもOKです。
祈祷料は、祈祷する期間(一週間、一カ月間、一年間)で、変わるようです。
祈祷が終わったら、ありがたくお守り、お供物を頂いて帰りますが、帰るときは絶対に後ろを振り返っては絶対にダメです。
それは、せっかく授かった福徳や知恵が消えてしまう言い伝えがあるからです。
特に子どもはダメと言われたら、やりたくなる気持ちが強くなるかも知れませんので、親はよく子どもに言い聞かせた方がいいでしょう。
どんな服装で行ったらいいの?
正式には、男子は「羽織袴」、女子は「振袖」とされています。
大人の寸法で着物を着るのですが、サイズが大きいため、肩上げした着物を着て、帰宅したらその肩上げした着物の糸を解くのが正式な儀礼となっています。
しかし、最近は、洋装での参拝が多くなっています。
普段の服装でも構わないのですが、あまりラフな格好は考えものです。
スーツやワンピース、学校の制服などでお参りする人が多いようですね。
あくまでも子どもが主役なので、親は子どもが振袖着ているなら、付け下げや小紋など振袖より格の低い着物で、洋装なら、親もスーツやワンピースで統一した方が良さそうです。
まとめ
満年齢で12歳は、ちょうど中学校の入学時期になります。
心身ともに成長していき、思春期に入って悩み事も増え、難しい年頃になっていきます。
しかし子どもの成長は何より嬉しいものです。
無事に成長したことに感謝し、お祝いをする良い機会になりますので、是非親子で参拝し、絆を確かめ合ってほしいと思います。