■はじめに
年度が切り替わる4月から、5月に入ると学校や研究機関などではテーマを決め、取り組み始める時期になります。
理系、文系問わず将来に向けて研究に勤しんでいる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな4月の下旬には、私達が生きていく上で大事なことを教えてくれる哲学の日があります。
目 次
哲学の日とは
哲学の日は毎年4月27日にあります。
紀元前399年のこの日に、古代ギリシアの哲学者・ソクラテスが毒杯をあおって亡くなったことから制定されました。
ちなみにこの日は、ソクラテスの妻が悪妻として有名であることから“悪妻の日”ともされています。
■意味
哲学の日は、哲学の祖ともいわれているソクラテスを偲ぶという意味合いがあります。
哲学にまつわる学部や社会人サークルなどでセミナーやワークショップが開催されています。
■由来
紀元前399年4月27日に、哲学者・ソクラテスが亡くなりました。
発端となったのは、ソクラテスの「無知の知」という思想です。
これは、アテネのアポロンの神託で「ソクラテス以上に賢い人はいない」と聞かされ、それを政治家や詩人などの賢人と対話をして確かめようとしたことに始まります。
その中で、相手の無知に対する無自覚な面と、無知を自覚している自分について認識し、神託の正しさを確信しその活動にのめり込んでいくことになります。
しかし、ソクラテスが賢者である評判が広まる一方で、無知を指摘された数多くの人々やその関係者からは憎まれ恨みを買ってしまいます。
更に、富裕市民の息子達の中でソクラテスの活動を模倣する者も現れ、その被害を受けた人たちの憎みも募らせることになりました。
そして「アテナイ(現在のアテネ)の国家とは異なる神々を信じ、若者を堕落させた」などの罪状で公開裁判にかけられ死刑判決を受けてしまいます。
当時は死刑でも脱獄できる状況であり、弟子達にも進められましたが「悪法もまた法なり」「単に生きるのではなく、善く生きる」といった言葉でソクラテスは拒否し、落ち着いた様子でゆったりと毒をあおり亡くなっていきました。
この出来事が由来となり、哲学の日は4月27日に制定されました。
■イベント
東京・茗荷谷の筑波大学東京キャンパス文京校舎では、筑波大学哲学カフェ【ソクラテス・サンバ・カフェ】が行われています。
これは筑波大学人文社会科学研究科哲学・思想専攻が主催する哲学カフェで、身近なテーマを当日の参加者で決め哲学者を交えて話し合うイベントです。
基本的には、筑波大学東京キャンパスもしくはBiViつくば筑波大学サテライトオフィスにて毎月第4日曜日14:00~開催される「街カフェ」と、筑波大学中央図書館エントランスにて毎月第4水曜日13:45~開催される「図書館カフェ」があります。
中学生以上であれば知識や資格問わずどなたでも参加可能で、赤ちゃんや小さな子ども連れで参加する方もいらっしゃるそうです。
また、高校などで行う「学校カフェ」や地方での「出前カフェ」も不定期で行われているとのこと。
カフェなので飲食も自由だそうで、お茶をしながら楽しむことができますよ。
他にも、全国でたくさんの哲学カフェが行われていますので、お近くの情報やテーマなどで探してみてくださいね。
哲学の雑学
哲学の日にちなんだ雑学をご紹介します。
□哲学とは!?
哲学は他の生理学や経済学のように、内容がはっきりした名前ではないですよね。
これは学問として哲学が一定ではないということを示しています。
もともとはギリシャ語の「philosophia」に由来し、「智(sophia)」を「愛する(philein)」という意味を持つのですが、日本では幕末から明治にかけての哲学者・西周(にしあまね)によって賢哲を愛し希求する意味から「希哲学」の造語に訳され、後に哲学に改められました。
ちなみに「哲」には、「あきらか、道理にあかるい」「さとい、かしこい」といった意味があります。
□ソクラテスの妻
ソクラテスの妻、クサンティッペは西洋では悪妻の代名詞として知られています。
ソクラテスは「ぜひ結婚しなさい。良い妻を持てば幸せになれる、悪い妻を持てば私のように哲学者になれる。」という言葉を残しています。
■まとめ
哲学の日についてご紹介させて頂きました。
哲学とは何かと聞かれても漠然としたイメージしかないという方がほとんどかと思いますが、人として何かを突き詰めたいと思ったときに哲学に繋がるのかもしれませんね。
毎年4月27日哲学の日には、哲学に関するイベントをチェックしてみたり、ご自身の世界観や人生観について少し見つめ直してみるのはいかがでしょうか。
4月27日は何の日?誕生日の有名人や星座、花言葉・運勢・性格は
他にもおもしろい記念日がたくさんあります!