「月餅」の読み方は「げっぺい」と読みます。
平らで丸い形をしている、中国の伝統的な焼き菓子のことです。
言葉だけだとピンと来ない方でも、実際にお菓子をみたら、「あ、これね!」とすぐに分かると思います。
近所のスーパーにも売っていたので、誰もが一度は目にして、食べたことがあるお菓子と言えるのではないでしょうか。
そんな月餅ですが、中国では昔から親しまれていて、長い歴史があるようです。
今回は、意外と奥が深い「月餅」について調べてみました。
目 次
月餅とは?
小麦粉やラード、砂糖、卵などで作った皮に、小豆餡や松の実などの木の実、ナッツ、クルミなどを細かく刻んで密で固めたものを中に入れ、平べったい円盤状にして焼いたお菓子が、「月餅」です。
中国では、小麦粉の生地に、アヒルの卵の黄身の塩漬けと餡を入れたのも有名のようです。
カニみその味がするそうですが、ちょっと想像できないですね。
丸い形は、月に見立てていると言われています。
表面に「月餅」という文字や模様が刻印され、様々な種類と味があります。
中国の伝統行事には、十五夜である「中秋の名月」の時に、お月見をしながら宴会やお祝いをしてお祭りをする習慣があります。
その時に、家族団欒(だんらん)で月餅を食べながら、お月見を楽しんでいるのです。
日本でいう、おまんじゅうと同じ感覚ですね。
ちなみに、国慶節とは、1949年に毛沢東主席が中華人民共和国の成立宣言を行ったことから、建国記念日とされ国祭日になっています。
中秋節は、春節(旧正月)に次いで、二番目に伝統的な祝日になるそうですよ。
月餅の意味や由来は?
月餅の丸い形は、団らんを意味しています。
中秋節の時期には、家を離れて遠くにいる家族も生家に戻って来て、久々に家族全員で食事を楽しむ習慣があるのです。
そのため、「団らん節」とも呼ばれているようです。
中秋にお月見をしながら月餅を食べることは、「一家団らんの象徴」と考えられていて、親戚や友人などに贈答品として送られています。
お互いに送り合って、それぞれの幸福を祈る習慣であり、お中元のような感覚だと思います。
驚いたことに、会社側が従業員への福利厚生として、月餅の詰め合わせを送ったり、「月餅の引き換え券」を配布したりするのが、当たり前になっているそうです。
日本ではちょっと想像できない習慣ですよね。
月餅の由来は、諸説あります。
中国には昔から、月をあがめる信仰があり、最初は月の神を祭るお供え物だったようです。
唐の時代の軍隊が起源とされ、唐の皇帝の勝利を祝う食べ物だったと言われています。
また、元を倒した明の皇帝が、月餅の中に攻撃方法などの密書を隠して伝え、中秋節に決起し、勝利を得たそうです。
その勝利を記念して、明の皇帝が、中秋節には月餅を食べるよう奨励したと伝えられています。
明の時代は14世紀半ばにあたり、日本は室町時代になります。
かなり昔からあったのですね。
その時代のお菓子は特に貴重だったと思うので、さぞかし喜んだことでしょう。
月餅のカロリーや賞味期限は?
日本で販売されている一般的な月餅のカロリーは、一個約357kcalで、小さいもので約221kcalになるそうです。
材料や大きさなどでカロリーは変わるので、あくまでも目安になりますが・・・・。
中国では、月餅の大きさは10cmくらいが一般的ですが、中には50cmの大きいものもあります。
昔は皆で分け合って食べていたそうなので、とにかく大きいのでしょうね。
一般的な大きさで、一個約421kcal、大きいものだと一個643Kcalにもなるとのこと。
調べると、640kcalは、コロッケ弁当のカロリー量でした。
体重80kgの人が、1時間登山をした場合の消費カロリー分にもなるので、大変高カロリーなお菓子だというのが分かります。
炭水化物や脂質が多いので、腹もちはすごく良いです。
ナッツ類に、食物繊維やミネラルが豊富に含まれていて、月餅には三大栄養素が十分含まれています。
朝食や昼食に置き換えて食べた方が良いでしょうね。
しかし、中国では「中秋太り」という言葉もあり、最近では、低カロリーの月餅も販売されているそうです。
お年寄りの方や、ダイエットなどの健康志向の方にはありがたい傾向です。
賞味期限は、その商品によって違いますが、常温で一ヶ月くらい日持ちするのもあります。
日本に流通したのは、1927年にお菓子メーカーの中村屋が販売し始めたとされていますが、そこの「新宿中村屋」では、常温で30日~45日間になります。
しかし、筆者の近所のスーパーでは1週間くらいだったので、特に、お土産用として買う場合は必ずチェックしましょう。
月餅のおすすめの店は?
今は、ネットでも月餅を通販できるようになり、便利な世の中になりました。
<新宿中村屋>
北海道から大阪府まで店舗があり、月餅が販売されています。
店舗が近くにない場合でも、ネット通販で購入できます。
クルミ入りのしっとりした小豆餡に、多彩なフルーツの砂糖漬けとナッツが入った木の実餡で、とても美味しそうです。
※店舗によってはお取り扱いがない場合があるそうなので、お店に行く前に確認しましょう。
<横浜の中華街>
「華正樓(かせいろう)」
老舗の高級料理店として有名で、中国古来の製法で丁寧に作られています。
内閣総理大臣賞受賞もしているお店で、種類が豊富です。
チョコ餡といった変わったものもあり、気になります。
地元の人気も高いとのことなので、一度は食べてみたいですね。
こちらも、高島屋のオンラインショップのネット通販にて購入できます。
他にも、横浜の中華街では、10軒以上のお店に月餅が販売されているようです。
中秋の時期の2週間限定ですが、アヒルの卵の黄身の塩漬けと餡を入れた月餅が販売されています。
日本では、なかなか出回らないので、チャレンジしてみる絶好のチャンスですね。
まとめ
いかがでしたか。
月餅がこんなに歴史があって、奥が深いお菓子だとは知りませんでした。
中秋の名月を見ながら、家族だんらんで、月餅を食べる習慣はとても良いと思います。
本場の味を食べてみたくなりました。
中国の国内では、スターバックス、ミスタードーナツ、ゴディバ、ハーゲンダッツなどの有名店舗が、それぞれ特色ある月餅を販売するそうです。
中秋節の時期に、中国など中華系が多い国に旅行した際は、是非チェックしてみたいですね。