日本には四季折々に繊細で意味のある伝統行事がたくさんありますが、その行事の一つ一つが家庭で行われなくなってきているというデータがあります。
これはなんだか、とても寂しいことですね。
今回は大事にしたい日本の行事の一つとして、行事食の「七草がゆ」をご紹介したいと思います。
目 次
春の七草とは
セリ 「芹」
セリの若菜は香りが良く、お浸しなどの食用にします。
「七草」の時期以外でも鍋物などに使われます。
ナズナ 「薺」
ナズナの別名はペンペングサ、シャミセングサ、バチグサなどです。
かつては冬の貴重な野菜で、若苗を食用にします。
江戸時代の民間での七草粥の材料は、江戸ではナズナに小松菜を加え、関西ではナズナにカブを加えた二種ほどでした。
オギョウ(ゴギョウ)「御行・御形」
オギョウは、ハハコグサ(母子草)のことです。
オギョウは、ゴギョウともいい、ハハコグサは、ホウコグサともいいます。
ハコベラ 「繁縷」
ハコベのことで、古名でハクベラともいいます。
お浸しなどの食用にできるほか、小鳥に野菜代わりの餌として食べさせたりします。
ホトケノザ「仏の座」
現在の紫紅色の花を付けるホトケノザではなく、タビラコ(田平子)を指しており、食用にするのはコオニタビラコ(小鬼田平子)とされています。
ホトケノザはシソ科ですが、食には絶えられないようなものです。
スズナ 「菘菁・鈴菜」
カブ(蕪)のことで、アブラナ科です。
スズシロ 「蘿蔔」
ダイコン(大根)のことで、アブラナ科です。
春の七草と秋の七草は全く違います。
春の七草は七草粥として食べますが、秋の七草は愛でるものです。
「秋の七草とは」
https://netwadai.com/blog/post-1450/
春の七草の覚え方
短歌のように、リズムよく覚えるのが一番でしょう。
5・7・5・7・7のリズムに乗せてテンポ良く覚えましょう!
「せり/なずな・ごぎょう/はこべら・ほとけのざ・すずな/すずしろ・(これぞ)春の七草」っと
これを何度も口ずさむことで、頭の中にす~っと入ってきます。
七草がゆとは
七草がゆとは人日の節句(1月7日)の朝に食べられている日本の料理です。
餅や春の七草を具材とし、その一年の無病息災を願って食べられます。
お正月の祝膳や祝酒で弱った胃を休める為や、
緑が少ない冬の栄養源として食すとも言われています。
七草がゆの作り方
七草がゆには
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ
の「七草」が入っています。
それぞれに栄養があり、ビタミンも豊富です。
- セリ・・鉄分を多く含み、増血作用が期待できます。
- ナズナ・・熱を下げたり、尿の出を良くしたりなどの作用があります。
- ハコベラ・・タンパク質が多く含まれているほかミネラルやその他の栄養に富む。
- スズナ・スズシロ・・消化酵素の一つ「ジアスターゼ」が含まれており、消化を促進します。
これを前日の夜、しゃもじやお玉杓子、包丁の背などでたたいて細かくします。
その際に以下の歌をうたいます。
「七草なずな、唐土の鳥が日本の国に、渡らぬ先に、ストトントン~。」(七草ばやし)
明けて7日の朝に粥を炊き、叩いた七草を入れて七草がゆにし、朝食として頂きます。
以上が伝統的な七草がゆの作り方ですが、現代では少し無理がある部分もありますね。
現代の七草がゆの楽しみ方
現代では青葉・大根の葉・かぶの葉・春菊など、手に入れやすい「現代の七草」で作られるかたが多いようです。
また、シーズン時期には「ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」の七草がセットになって販売されてますので、宜しければ利用してみてください。
春の七草セット(楽天)
七草がゆのレシピ
- お米(130g)は水洗いして大きめの土鍋にいれ、水800mlを加え軽く混ぜたのち、お米を平らにして土鍋のふたをします。
- 土鍋のふたをしたまま強火にかけ、ふいてきたらとろ火にして5〜60分炊きます。
- その後火を止めて10分程お米を蒸らします。お米の粒をつぶさないよう、絶対に途中にまでないでくださいね。
- 七草セットをさっと水洗いして細かく刻み、土鍋の塩適量と共に加え、優しく一混ぜします。
七草の青臭さが心配な方は、七草を水洗いし、熱湯でさっとゆでて水にとり、あら熱が取れたら水気をしぼって細かく刻み、かゆに入れてください。
シンプルな味の七草がゆは、味付けの濃い正月料理に慣れてしまった味覚のリセットにもぴったりです。
もし七草が余ったら、ペペロンチーノの具材などにしてもよく合います。
いかがでしょうか?
日本の行事を体験すると、自然や毎日に感謝する心が生まれます。
大切なご家族と一緒に七草がゆを食べて、心身ともに健康になりましょう。
五節句については
節句にまつわる事項