小正月とは
「小正月」の別名として、「女正月」「花正月」「小年」「二番正月」「若年」などとも呼ばれています。
歳神様や先祖の霊を迎える行事の大正月に対して、小正月には豊作祈願などの農業に関する行事や家庭的なものが中心となっています。
「女正月」と呼ばれる理由は、歳末から正月と忙しく働いた主婦や女性をねぎらう意味もあり、この日は女達だけの正月としている地方もあるようです。
昔は「元服の義」を小正月に行ったことから、1月15日は「成人の日」として国民の祝日になっていきました。
成人の日と小正月との関連が分かりづらくなり、「成人の日」は1月の第2日曜日に変更されたという経緯があったようです。
目 次
2023年の小正月はいつあるの
元日から七日までを「大正月」と呼ぶのに対して、
1月15日の行事を「小正月」と呼びます。
時期としては、14日から16日までの3日間ともされていますが「小正月」をもって正月の行事は終わるとされています。
沖縄などの旧暦で行う場合、
旧暦1月15日は2023年2月5日になります。
関西では現在、松の内を1月15日としているので、この小正月で正月が終わるのと関連があります。
似たような行事で「鏡開き」もありますね。
小正月に食べるもの
小正月には「小豆粥(あずきがゆ)」を食べる習慣があり、小豆を食べる風習は、家族がまめで1年を健康に過ごせるように祈願したもののようです。
似たような風習として1月7日の人日の節句に、春の七草を食べる「七草粥」といものがありますね。
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小正月に行われる行事
粥占い
豊作祈願小正月には、お粥を用いてその年の農作物の豊凶や天候、世相を占う「粥占い」が行われます。
神社で行われる行事の1つで「粥占(かゆうら)神事」「筒粥(つつがゆ)神事」などと呼ばれ、今でも各地の神社で受け継がれています。
豊作祈願
農業などの関係で、農具のミニチュアを作成して豊作を祈願する習慣がありました。
また小正月には「餅花(もちばな)」と呼ばれる小さな餅や団子など木の枝に刺して飾る風習があり、「花正月」と呼ばれる由縁です。
餅花の他にも以下のようなものがあります。
- 米の粉を繭の形にして刺した「繭玉(まゆだま)」
- 枝垂れ柳の枝を使い稲穂を表した「稲の花」
- カズの木(ヌルデ)を短く切り、皮をむいたものとそうでないものを割り竹に刺して束ねた「粟穂稗穂(あわぼひえぼ)」
- 花の形に作った小さな餅を枝に刺して飾る「花餅」
- ミズキ(団子木)の枝に、紅白の団子に加え、鯛・小判・打出の小槌などをかたどったふなせんべいをつける「だんご木」
これ等の飾りは、1月15日までには外されるようです。
他にも豊作祈願として、東北地方に広く伝わる行事の「庭田植え」や「皐月祝い」と呼ばれるものがあります。
雪原を田んぼに見立てて、稲わらや松葉などを植えることで秋の豊作を祈願するものです。
この行事を神事として行っている神社もあり、「御田祭り」や「田遊び」などと呼ばれます。
悪霊払いの「どんど焼き」
また、「どんど焼き」と呼ばれる行事もあり、地域によって「どんと祭」「道祖神祭り」「三九郎焼き」「とんど焼き」「どんどん焼き」「サイト焼き」などなど様々な呼び方をされていますが、同じ行事です。
神社や田んぼなどで、しめ飾り、書初め、門松や正月飾りなどを燃やします。
この火でお餅や団子を焼いて食べると、一年間健康で病気にかからないなど言い伝えが残っています。
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