■はじめに
まだ冬の余韻が抜けきれない1月から、2月に入るといよいよ暦の上では春を意識するシーズンになります。
お住まいの地域によっては、魚釣り等のお出掛けイベントを企画し始めるところも多いのではないでしょうか。
そんな2月の始まりは、私達日本人にとってとても身近な魚であるフナの日です。
目 次
■フナの日とは
フナの日は毎年2月7日にあります。
フナの日が制定されたのは、2001年(平成13年)のこと。
制定したのは茨城県古河市の古河鮒甘露煮組合で、加盟する4店の鮒甘露煮は「古河ブランド」として市から認証されています。
■意味
前述しました古河市認証の「古河ブランド」は市の産品の中でも特に優れたものを、全国にPRし販売促進や地域経済を発展させることを目的としています。
認証されている鮒甘露煮は、良質な国内産の鮒で手間隙かけて作られた栄養豊富で伝統のある郷土料理です。
■由来
フナの日は分かりやすく「ふ(2)な(7)」の語呂合せから2月7日に制定されました。
もともとは2000年(平成12年)に「いい鮒の日」として11月27日に制定した記念日でしたが、古河鮒甘露煮組合によって翌年にこの日へ変更されました。
■イベント
毎年、古河鮒甘露煮組合ではフナの日に市内の学校給食や老人ホームに鮒の甘露煮を贈呈する等の企画を行っています。
その他にも地元のお祭りや道の駅での販売、ふるさと納税の返礼品にもなっています。
鮒は寒い時期に脂がたっぷり乗ることから、旬を迎えます。
お正月料理として製造販売のピークを迎える年末から2月にかけてテレビや新聞でも毎年取り上げられ、2018年2月にもテレビで老舗から中継が行われました。
この時期にお越しの際は、ぜひチェックしてみてくださいね。
■フナの雑学
フナの日にちなんだ雑学をご紹介します。
□古河鮒甘露煮の歴史
鮒甘露煮の産地である古河は、古くは縄文時代から歴史があると言われていて室町時代からは関東の中心地として政治、文化等が栄えていました。
また、関東平野の中心に位置し西に渡良瀬川、上流に思川、下流では大利根川と合流している土地柄から、周辺には沼が散在していて良質な鮒の名産地となりました。
江戸時代になると日光街道の宿場や船着場として整備され、旅人等へのおもてなしとして鮒の煮付けが提供されるようになります。
こうして全国的にも有名になった鮒の甘露煮は、「茨城の小京都」と呼ばれる古河市の名産品として120年以上経った今でも親しまれ続けています。
□フナと金魚の関係
フナは淡水魚の一種であり、どちらかと言えば食用というより釣り魚のイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
淡水魚として私たちの身近な魚に金魚がいますが、フナともよく似ていますよね。
実はフナの突然変異を人為的に改良し、観賞用として生まれたのが金魚なんです。
そして金魚の先祖となったのが、1700年程前に中国南部で発見された「ヒブナ(緋鮒)」という赤いフナです。
ヒブナは中国の「チイ」というフナの一種の突然変異であることが分かっていて、最近のDNA分析ではギブリオブナが直接の先祖にあたることも判明されています。
ちなみにコイ(鯉)もよく似ていますが、口元にヒゲがあること、目や頭が体に対して小さいこと、川底の餌を食べるために口が下を向いていること等の特徴から、フナと見分けることが出来ます。
筆者も子どもの頃に金魚すくいで買った金魚を何匹か育てていましたが、数年でフナのように大きくなり、前を通る度にコイのように餌の催促が激しかったのを覚えています(笑)
■まとめ
フナの日についてご紹介させて頂きました。
フナを始めとする淡水魚は独特の泥臭さが敬遠されたり、環境悪化の影響から数が減少し食べる機会は減ってしまいましたが、以前は全国でも身近で重要な蛋白源として重宝されていました。
そして甘露煮だけでなく鮒寿司、鮒飯、鮒味噌、昆布巻き等の名産品が今でも伝えられ食されています。
毎年2月7日フナの日には旬を迎えていますので、ぜひフナ料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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