「7月1日 銀行の日」
■はじめに
「ニッキン」という毎週金曜に発行されている金融総合紙があるそうですが、筆者はおカネとか金融とは無縁なので知りませんでした。
キオスクやコンビニに並ぶような新聞ではないので、一般にはなじみのない存在ですが、金融業界の人にとっては、流通業界における「日経MJ」のような存在なんでしょうか。
目 次
銀行の日とは
1983(明治26)年7月1日、銀行の定義、設立認可、営業の監督など普通銀行にかかわる法規の基礎となる全11条の「銀行条例」が施行されました。
これを記念し、金融総合紙「ニッキン」の発行元である日本金融通信社(通称ニッキン)が1991(平成3)年に7月1日を「銀行の日」に制定しました。
■銀行の日の意味と由来
毎年の「銀行の日」には、全国銀行協会や地方銀行協会などの会長がメッセージをニッキンに寄せているということは、銀行は「銀行の日」制定とは関係がないようです。
「銀行の日」は金融機関が国民とともに発展するために、より有意義な情報を広く提供することをニッキン自身にあらためて誓う日のようです。
■銀行の日のイベント
ニッキンは「銀行の日」当日にイベントを開催していませんが、金融界への顕著な貢献に対する「ニッキン賞」、金融ITフェア、卓越した金融機関経営者を顕彰する「ベストバンカー賞」など、通年で金融界内でのイベントを開催しています。
銀行の日の雑学
▽「頭取」「通帳」「bank」「銀行」「銀座」の語源
最近は銀行のトップを「社長」「CEO」などと呼ぶ傾向にありますが、「頭取」という銀行独自の呼称にはより重みを感じますね。
この「頭取」の語源は、雅楽の首席奏者を指す「音頭取り」だそうで、どうして雅楽が金融と結びついたのかは不明です。
また「通帳」ですが、昔は年に2回まとめて支払う掛け売りだったため、ツケを書き留めておく帳面を「かよいちょう」(通い帳)と呼んでいたことから、銀行も「通帳」という言葉を採用しました。
銀行は英語で「bank」ですが、これは中世イタリアの両替商や為替商人(bancus)がお金を数える際に使用していた机(banco)が語源と言われています。
さて、日本語の「銀行」ですが、これはもともと中国で使われていた言葉というのが通説で、なぜ「金行」ではないのかと言うと、当時は金貨より銀貨が多く流通していたからだそうです。
日本が「銀行」と呼ぶようになったのは単に「金行」より語呂がいいというだけの理由と伝わっていますね。
「銀座」の由来は銀貨の鋳造所を「銀座」と呼んでいたからですが、江戸時代に「銀座」があった跡地が今、東京・銀座と呼ばれています。
東京・銀座通りが華やかになるにつれて、この「銀座」の呼称は全国に広がって行きました。
ちなみに日本銀行本店は、金を鋳造する「金座」の跡地に建っています。
▽銀行強盗は激減したが…
警察庁によればバブル崩壊の不況で、2001(平成13)年には銀行・郵便局強盗が237件発生し、これは銀行窓口が閉まっている土日を除けば、毎日1件ずつ発生したことになります。
しかし、この年をピークに年々減少し、2017年には26件に激減しています。
この要因は防犯カメラや通報装置など、金融機関側の防犯対策の整備や、90数%と言われる高い検挙率によるものと分析されています。
銀行・郵便局強盗は、直接窓口の係員と相対することでリスクも大きく、営利誘拐と同様に割に合わない犯罪であることが広く認知されたからだとも言われます。
洋画で描かれるような派手な銀行強盗は、国内では過去のものになってしまいました。
と言って、犯罪志向層が減るはずもなく、より「安全」なオレオレ詐欺やアポ電強盗に方向転換したようで、次々に新たな手法が編み出され、警察当局とはイタチごっこの様相を呈していますね。
■最後に
政権のひと言で、諸外国に比べて高額な日本の携帯電話料金が見直され、各社の値下げ新プランが出そろって、利用者も比較検討に忙しい2021年の春です。
これに次いで、40年以上も放置されていた銀行間の送金手数料の見直しも行われ、2021年秋には預金者が他行に現金を振り込む際の手数料と合わせて、5割程度の引き下げになる模様です。
これで一層キャッシュレス化が進むと思われますね。
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