▪はじめに
パラスポーツとは、障害者が行うスポーツのことで、元々はパラリンピック競技を指す言葉です。
2021年(令和3年)に東京でパラリンピックが開催されたりパラスポーツの選手が世界で活躍したりしていることにより、日本でのパラスポーツに対する認識度が高まっています。
今回は、そんなパラスポーツに関する記念日や歴史などについて紹介していきましょう。
目 次
パラスポーツの日とは
パラスポーツの日は、毎年8月25日にあります。
この記念日は、大阪府大阪市にある障害者スポーツを支援するNPO団体アダプテッドスポーツ・サポートセンター(ASSC)により2015年に制定されたものです。
▪意味
パラスポーツの日は、障害者スポーツの振興と、障害者への理解を深める機会とすることを目的として制定された記念日です。
▪由来
パラスポーツの日が8月25日なのは、当初2020年(令和2年)に開催される予定だった東京パラリンピックの開会式が行われる日が8月25日だったことに由来しています。
▪イベント
千葉県千葉市では、パラスポーツが体験できる「パラスポーツフェスタちば」を毎年9月の初めごろに開催しています。
「パラスポーツフェスタちば」は、パラスポーツやゆるパラスポーツの体験やチームを組んで対抗戦を行う事で、パラスポーツの楽しさを知ってもらうことを目的としたイベントで、年齢や障害の有無に関係なく誰でも参加できます。
体験できるパラスポーツは、競技用車いすを使った陸上競技・ボッチャ・ゴールボール・パラバドミントン・パラバレーボール(座位)・テコンドー・車いすバスケットボール・車いすフェンシング・車いすラグビーの9競技で、ゆるパラスポーツはシーソー玉入れなどの3競技で、誰でも参加する事ができます。
また、ボッチャ・パラバレーボール(座位)・ゆるパラスポーツは対抗戦もあります。
体験会では、スタンプラリーも行われ、スタンプを集めた人は素敵な景品が当たる抽選会に参加できます。
パラスポーツの雑学
<パラスポーツは治療の一環から誕生した>
パラスポーツは、現在色々な障害を持った人たちが行える競技スポーツですが、元々は生涯を持った人のリハビリテーションとして行われる治療のためのスポーツでした。
治療としての身体運動の歴史はとても古く、紀元前から行われていたという記録が残っています。
その後も世界各地で治療としての運動が行われてきました。
イギリスでは、第二次世界大戦で負傷した兵士たちを治療する病院が次々に開設されました。
その中の1つに、脊髄損傷をした兵士を受け入れる専門病院のストークス・マンデビル病院があります。
この病院の院長であったルードヴィヒ・グッドマン博士は、「障害者にとってスポーツは、最も自然な治療訓練であり、また在来の療法を補足して、より以上の効果をあげ得るものである」とし、治療とリハビリテーションに色々なスポーツを取り入れました。
スポーツによる治療は目覚ましい成果を挙げ、スポーツ療法の分野を確立しました。
グッドマン博士は、治療の一環として病院内で競技会を開きます。
1948年(昭和23年)7月28日に開催されたロンドンオリンピックに合わせて開かれこの競技会は、16人の車いす選手が行うアーチェリーの大会でした。
これがパラリンピックの原点であるといわれています。
この病院内の協議会はその後も毎年開催され、競技の種類や参加人数がどんどん増えていきました。
その後パラスポーツは、治療のために行われるだけでなく、障害者の人たちが楽しむためのスポーツとしても発展していきました。
競技も増えていき、現在ではアーチェリー・陸上・水泳・フェンシング・フライングディスク・ボウリング・卓球・テニス・サッカー・バレーボール・バスケットボール・ソフトボール・ボッチャなどが障害者用のルールのもとで行われており、競技者も身体障害・視覚障害・知的障害・精神障害などそれぞれの部門に分かれて行われています。
<パラリンピックの歴史>
ストークス・マンデビル病院で始まった障害者のスポーツ競技会は、1952年に国際大会が行われました。
オランダの選手も参加したこの大会は、第1回国際ストークス・マンデビル大会となり、その後ヨーロッパ各国が参加する大きな競技会へと発展していきます。
1960年(昭和35年)に、国際ストークス・マンデビル大会委員会が設立され、その初代会長にはグッドマン博士が就任しました。
国際ストークス・マンデビル大会委員会は、オリンピックが開催される年の大会はオリンピック開催国でオリンピックが終わった後に行うことを表明し、1960年(昭和35年)のローマオリンピックが開催された後に、ローマで国際ストークス・マンデビル大会を開催しました。
この年の大会がパラリンピックの始まりとされ、後に第1回パラリンピックとして位置づけられています。
第2回パラリンピックは1964年(昭和39年)の東京大会で、この年は国際ストークス・マンデビル大会だけでなく、日本人だけの大会も行われました。
その後もオリンピックの年には開催国で大会が開かれ、1988年(昭和63年)のソウル大会から現在のようにオリンピック終了直後に行われるようになり、正式に「パラリンピック」という名称となりました。
因みに「パラリンピック」という名前は1964年(昭和39年)の東京大会のときに名付けられた愛称で、「Paraplegia:パラプレジア(下半身まひ者)」と「Olympic:オリンピック」を合わせてできた造語で、「障害者のオリンピック」という意味を持っていました。
しかし麻痺を持った障害者だけの大会ではないので「パラリンピック」という言葉は、ギリシャ語の「Para(パラ):沿う・平行」と「Olympic(オリンピック)」を合わせたもので、「もう1つのオリンピック」と解釈されています。
1989年(昭和64年)にはパラリンピックを主催する団体である国際パラリンピック委員会が設立され、パラリンピックの継続的な運営が行われるようになりました。
冬季の国際身体障害者の競技会は1976年から行われていましたが、冬季パラリンピックという名称で冬季オリンピックと同じ開催国で行われるようになったのは、1992年(平成4年)のアルベールビル大会からです。
▪まとめ
パラリンピックが開催されて以降、日本でも徐々にパラスポーツが広まってきており、障害がある人もない人もパラスポーツを体験できるイベントが日本各地で行われています。
パラスポーツを見て楽しんだり選手たちを応援したりするだけでなく、競技に参加して一緒に楽しんだり障害や競技について学んだりしてみてはいかがでしょうか。
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