「2月11日 仁丹の日」
■はじめに
筆者はつい最近まで、ホールケーキの上にまぶしてある銀の粒はてっきり仁丹かと思っていましたが、これは「アラザン」という別物なんだそうです。
もちろん仁丹とは原材料が違い、アラザンは砂糖やコーンスターチ、ゼラチン、銀箔の着色料などで作られており、フランス語の「銀」が由来です。
近頃のアラザンは金、緑、赤、ピンクなど色彩も多様ですね。
目 次
仁丹の日とは
どこのなんだかは知らなくても、「仁丹」という言葉はだれもが知っています。
まるで月光仮面のような仁丹ですが、「仁丹の日」という記念日もあるんです。
これは仁丹を製造販売する森下仁丹(株)が2008年に制定した記念日で、1893(明治26)年の創業日、1905(明治38)年の仁丹発売日がともに2月11日だったことから、この日が記念日に選ばれました。
■仁丹の日の意味と由来
子どものころはよく仁丹を見かけたものですが、今でも仁丹の愛用者っているんでしょうか。
筆者は仁丹と聞くと、昭和のころをついつい思い出しますが、7~8粒を飲み込むものだとばかり思っていたので、どんな味だったのかは当時から知りませんでした。
仁丹は桂皮や薄荷脳、生姜など16種の生薬を配合した医薬部外品の口中清涼剤ですね。
気分不快や口臭、二日酔い、めまい、乗り物酔いに効能があると説明されていますが、子どものころの筆者の周りには、そんな明確な目的で仁丹を愛用していた大人はいなかったように思います。
みなさん、話の途中でひょいと口に放り込んでいたようで、ちょっとした習慣にも見えました。
現在は多くの口中リフレッシュ商品があって、購入層が70歳代以上と言われる仁丹をコンビニで見かけることもなく、1980年代に30億円を売り上げていた仁丹も今ではその10分の1以下に落ち込んでしまったそうです。
しかし現在の森下仁丹はサプリメントや食品、医薬品、化粧品などのヘルスケア製品でも名を馳せています。
■仁丹の日のイベント
森下仁丹は2021年2月に創業128年を記念し、通販での愛用者を対象に「仁丹の日感謝祭」を企画、抽選で仁丹のトレードマーク「大礼服」がプリントされた風呂敷に包んだ京都の老舗のお米セット、診察券ケースなどを211人にプレゼントしたそうです。
128年って中途半端ですから、毎年の企画なんでしょうか。
仁丹の日の雑学
▽仁丹マークは外交官がモデル
仁丹のトレードマークの「大礼服」は軍人ではなく、外交官をイメージした図柄で、創業者が仁丹の効能を国内のみならず、世界中の健康に役立てたいとの思いから、仁丹が「保険の外交官」として広く世界に愛されるよう考案されたものだそうです。
時代によってこのマークは少しずつ変更され、髭が小さくなったり、勲章の数が減ったりで、現在は7代目の大礼服ですね。
ちなみに、かつては南米やインド、ジャワなど外国向けの大礼服デザインもあったそうです。
▽銀の抗菌作用
仁丹やアラザンに銀箔が使われると聞くと、「水銀」のイメージに引きずられて、ちょっと心配になる人もいるかもしれません。
銀と水銀はまったく別物なので、こういう命名は困りものですが、水銀の毒性が証明されたのは後のことですね。
話を銀に戻すと、銀の抗菌作用は昔から知られていて、銀の壺は水の腐敗を防ぐために使われ、将軍の毒見役は銀の箸を使っていました。
現代では入れ歯や浄水器に使用されていて、食品添加物にも認可されていますね。
銀の抗菌、殺菌作用は細菌が単細胞だからで、銀イオンの侵入に単細胞は抵抗できず死滅するしかありません。
一方、何億という複合細胞で構成されるヒトは、少しの細胞の損傷くらいはなんでもありません。
万一、銀イオンを過剰に摂取したとしても、免疫や新陳代謝の機能で体外へ排出されてしまいます。
仁丹が銀コーティングされているのは、生薬の長期保存のためなんですね。
■最後に
ドラマ「逃げ恥」の中で、平匡さんの父親が両家顔合わせの場面で、緊張のあまり仁丹を口に放り込むシーンがありました。
やはり、昭和年代の男性には仁丹がよく似合うようです。
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