ネモフィラに並んで、青い絨毯のようと称されるムスカリ。
春の訪れとともに花を咲かせるムスカリは、他の花との相性も良く、花壇や鉢植えを華やかに彩ります。
そんなムスカリは、約6万年前から生息していたようです。
目 次
ムスカリとは
ムスカリは春先の3月から5月に花を咲かせる多年草の花です。
1度植えると、毎年花を咲かせます。
チューリップと同じ秋植えの球根です。
ムスカリの花の形は、つぼを逆さに向けたようで、いくつも密集して咲きます。
花の1つ1つがブルーベリーの実のようにも見え、集合している様子もブドウのようと言われることもあります。
花の色はよく見かける青や紫を筆頭に、白、黄、ピンクなど花色が豊富です。
花の上の方と下の方で、花色がグラデーションのように変化している品種もあります。
ムスカリの種類は60種程度あるとされています。
植えたままで翌年も花を咲かせ、虫にも強いことから、初めて園芸にトライする人でも、簡単に育てられ、人気です。
ムスカリの名前の由来
ムスカリという名前は学名でもあり、花の香りに由来します。
ムスカリの匂いは、ムスクと呼ばれるジャコウジカの独特な甘い香りによく似ています。
ムスクは「moschos(ムスク)」というギリシャ語です。
このムスクという香りの名前が、花の名前の由来となったそうです。
西洋名は「grape hyacinth(グレープヒヤシンス)」です。
これは、花の見た目がブドウの実がなる形に似ていることから名づけられたとされています。
和名の「ブドウヒヤシンス」も同じ由来です。
日本では、よく見かける紫色のムスカリにちなんで、「瑠璃ムスカリ(ルリムスカリ)」という名前もつけられています。
ムスカリが誕生花となる日にち
1月30日、2月26、3月22日、月22日
ムスカリの花言葉
「通じ合う心」「寛大な愛」「明るい未来」「夢にかける思い」などがムスカリの花言葉です。
西洋の花言葉は「usefulness(有益・有用)」です。
「通じ合う心」や「寛大な愛」という花言葉は、ムスカリの花が春の花の脇役であることでつけられました。
チューリップやビオラなどの花といっしょに寄せ植えされることが多いムスカリは、春の花を引き立てます。
他の花がきれいに見える様にそっと咲く様子から、「通じ合う心」や「寛大な愛」と言った花言葉がつけられたそうです。
西洋の花言葉の「usefulness」は、1度植えると毎年花を咲かせ、初心者でも扱いやすいことに由来していると言われています。
ムスカリの色別の花言葉
ムスカリの花は紫や青をよく見ますが、黄、白、ピンクなどたくさんの花色があります。
しかし、たくさんの花色があるムスカリですが、花色別の花言葉はないようです。
ムスカリの怖い花言葉
ムスカリは脇役として他の花を華やかに見せるため、「寛大な愛」などといった花言葉がついています。
そんなムスカリには、全く正反対の「絶望」「失意」「失望」といった花言葉がついています。
青や紫は、悲しみや失意といった意味を表す色とされています。
目につく機会の多いムスカリの花色は青や紫なため、この花言葉がついたのでしょう。
ムスカリの起源
ムスカリの起源は、約6万年前にさかのぼるとされています。
イラク北部で発見された、ネアンデルタール人の遺跡にその理由が隠されています。
ネアンデルタール人が、亡くなった人を埋葬するときに、ムスカリの花を沿えて埋葬したことが伺える遺跡が発見されました。
埋葬する花は色々なものが古くから使われていますが、現在ムスカリの花は、埋葬花としてもっとも古い花であると考えられています。
日本にムスカリが伝わったのは、1980年代と言われています。
当初の品種はとても小さな花で、日本人からは興味をもたれませんでした。
近年、交配などが進み、花色が多いのはもちろん、花の大きさが大きく華やかになり、育てやすいことも理由に、人気の花となりました。
現在日本各地では、チューリップなどと一緒に植えられて、春の花畑を彩る花として、人々を楽しませています。
他の花を引き立てる役割として植えられることが多いムスカリ。
ムスカリの花だけでも、花の種類が豊富で、見る人を楽しませてくれます。
古くからある花ですが、日本に伝わったのは意外と最近であることにビックリです。
ムスカリを鑑賞して、春の訪れを感じたいですね。