ユニークな名前のホタルブクロ(蛍袋)は釣り鐘のような形をしています。
その幻想的で可愛らしい花姿は名前の通り、見る人の心に灯りを灯してくれそうです。
目 次
ホタルブクロとは
ホタルブクロ(蛍袋)はキキョウ科ホタルブクロ属の多年草です。
乾いた山地や草原、平地にも自生し、5~7月頃に薄ピンク、白、紫色などの釣り鐘型の花を下向きに咲かせます。
花の内側や萼、茎、葉は毛で覆われています。
草丈は10~80㎝と差があり、葉は縁がギザギザとしており、こぼれ種や地下茎で繁殖していきます。
別名では「釣鐘草」「提灯花」とも呼ばれています。
よく似た花で同じキキョウ科のホタルブクロ属のカンパニュラという花がありますが、カンパニュラはヨーロッパ原産で、花の咲き方も少し違います。
ホタルブクロが完全に下を向いて咲くのに対し、カンパニュラは横向きや上向きに咲きます。
ホタルブクロの名前の由来
ホタルブクロの名前の由来は子供が蛍を捕まえて、この花の中に入れて遊んだことからついたという説があります。
花の中で蛍がシャンデリアのように光っていたのを想像すると幻想的で素敵ですね。
また、もう一つ別の説では昔、提灯のことを「火垂る(ほたる)」と呼ぶことがあったそうで、形がその提灯に似ていることからついたという説もあります。
そして、このことから「提灯花」と呼ばれることもあります。
この他には鐘の形をしていることから「釣鐘草」と呼ばれたり、英語名では「Spotted(斑点のある)Bellflower」と呼ばれています。
ホタルブクロが誕生花となる日にち
6月5日、6月27日、7月10日、11月26日
ホタルブクロの花言葉
ホタルブクロの花言葉は「正義」「忠実」「節制」「誠実」「感謝の気持ち」です。
「正義」「忠実」「節制」「誠実」という花言葉はホタルブクロの花の形が教会の鐘を連想させることからついたようです。
いずれも誓いを守るという意思が感じられる花言葉ですね。
「感謝の気持ち」の花言葉は下向きに咲く花姿がお辞儀をしているように見えることからついたのではないでしょうか。
日頃お世話になっている方へのプレゼントにぴったりの花言葉ですね。
ホタルブクロの色別の花言葉
ホタルブクロの色別の花言葉は特に無いようです。
ホタルブクロの怖い花言葉
ホタルブクロの怖い花言葉は特に無いようですが、「悲しい時の君が好き」という
少し寂し気な印象の花言葉があります。
これは下向きに咲く花姿がうつむいて悲しそうに見えるからでしょうか。
ホタルブクロは「葬式花」「死人花」と呼ばれることもあるそうです。
これは花姿が葬式に使われる提灯に似ていることからついたようです。
このことから、もしかしたら葬儀に参列している人の悲しみを表している花言葉なのかもしれません。
ホタルブクロの言い伝え
日本では昔からホタルブクロを摘み取ると雨が降るという言い伝えがあります。
他にはヒルガオやシロツメクサも同じように言われ、これらは「雨降り花」と呼ばれています。
これらの花はちょうど花期が梅雨の時期にも当たるため、雨が降ってしまうから摘むなと言われていたそうです。
しかし、梅雨の代表花である紫陽花(アジサイ)は雨降り花とは言われていません。
ちょうど蛍が舞うのもこの頃で、ホタルブクロの花期が終わる頃、梅雨が明け、夏が訪れます。
そして、俳人の小林一茶が旅の途中、長野の正見寺で雨の中に咲くホタルブクロの花を見て詠んだ句があります。
「旅人に 雨降り花の 咲きにけり」
シトシトと降る雨の中でしっとりと咲くホタルブクロの情景が目に浮かびますね。
また、昔の子供たちはホタルブクロの花を手のひらで叩いて音を出して遊んでいたそうです。
この時にトッカンという音が出ることから「トッカンバナ」と呼ばれていました。
誰が一番高い音を出せるか競って遊んでいたということです。
今にも子供たちの楽しそうな声が聞こえてきそうですね。