「6月1日 国際子供の日」
■はじめに
近ごろ、雄大に並んで空を泳ぐ鯉のぼりを見かける機会がなくなったように思います。
「鯉のように力強い大人になるんだよ」と、親が幼児に話しかける場面もなくなるんでしょうか。
目 次
国際子供の日とは
6月1日は1925(大正14)年にスイス・ジュネーブで開催された「子供の福祉世界会議」で決められた「国際子供の日」(International Children’s Day)になります。
しかし、どういうわけか国連は1954(昭和29)年に11月20日を「世界こどもの日」(Universal Children’s Day)に制定し、「国際子供の日」を検索しても、「Universal」のほうばかりが出てきてしまいます。
もっとも強制力のある話ではないため、すでに別の日を各国独自に決めてあったり、6月1日に設定済みの国がほとんどです。
「International」のほうは国連デーにされていなくて、6月1日は「国際親の日」になっていますね。
子どもがいっぺんに齢を取ったようです。
■国際子供の日の意味と由来
「Universal」にせよ「International」にせよ、この日が目指すものは子どもの「福祉」「権利」であって、そのために1959(昭和34)年に国連は「子どもの権利宣言」を採択し、1989(平成元)年には「子どもの権利条約」を採択しています。
これによって世界中で子どもの保護活動は進みましたが、今なお4人に1人の割合で過酷な環境下に暮らす子どもが残されたままになっています。
子どもに「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加できる権利」などがあるのは当たり前の話ですが、ことさら「子どもの権利条約」で謳わなければならないのが悲しい現実です。
■国際子供の日のイベント
「子供の日」は各国ばらばらなので、国連も世界中で一斉にお祝いするイベントは開催していません。
もちろん各国とも自国の「子供の日」には様々なイベントで子どもの成長を祝っていますが、その国の文化と伝統が色濃く反映された独特のイベントになっていますね。
国際子供の日の雑学
▽「子供」「子ども」「こども」どの表記が正しいのか?
結論が先になりますが、どの表記も法律で使用されており、間違いではないようです。
まず「子供」ですが、「供」という漢字は「主人に仕え、つき従う」という意味のほか、「供養」「供花」「お供え物」など神仏関係にも多く使われていることから印象が悪く、嫌われる傾向もあります。
ただし文部科学省は「供」には負のイメージはないという見解を公表、「子供」の使用を原則としており、同省関係の公用文は「子供」表記になっています。
しかし、これは文科省が言い張っているだけのようで、役所全体で徹底されているわけではなく、内閣府は「就学前の子ども…」「子ども虐待…」などと「子供」表記を無視しています。
次に、筆者が無意識に習慣として使う「子ども」は、人権上の配慮から「供」の漢字を避けるためで、ほとんどの法律は無難に「子ども」を使用しています。
「子ども・子育て支援法」をはじめ200近くの法律は「子ども」表記ですね。
新聞はひとつの名詞に漢字とひらがなを混在させることを嫌ってきたせいで、あまり「子ども」を使いたがりませんでしたが、最近はそうでもないようです。
やはり、人権に配慮する潮流を考慮したためでしょうか。
しかし、「漢字とひらがなの交ぜ書きは国語を破壊しかねない」という識者の声も根強いようです。
「こどもの日」「こども園」など、ひらがなで「こども」とすれば、それにふさわしく柔らかい印象になりますが、前後の単語によっては埋没して読みにくくなる場合もあります。
「こども」を使用する法律が増えつつあるような気がしています。
■最後に
筆者のアルバムには1枚だけ3、4歳ころの写真が残っています。
とうに色あせてセピア色になりましたが屈託のない笑顔で、かたわらに柏餅の葉があるので、たぶん「こどもの日」に写したんだろうと思います。
当時は簡単にカメラが入手できない時代、たった1枚の写真には「元気な大人になれ」という親の期待がにじみ出ているようで、そう思うとなんだか申し訳ない気がする今日です。
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