花色が豊富で、1つの茎にたくさんの花をつけるタチアオイ。
花の咲く時期が由来の言い伝えがありました。
目 次
タチアオイとは
タチアオイは中国原産と提唱されていましたが、現在は地中海沿岸やアジアが原産とされている花です。
草丈は60㎝程度のものから、大きいものでは2mにまで成長するものまであります。
基本的には二年草や多年草として扱われますが、寿命はそれほど長くありません。
数年に1度は、種を植えなおすことや株わけの必要があります。
園芸種によっては1年で枯れてしまう一年草の花もあります。
花がみられる時期は6月から8月の夏場です。
一重咲きの花はアサガオのように丸い花をつけます。
園芸種によっては八重咲きの品種もあり、花びらがレースのようできれいです。
花色は白、赤、ピンク、オレンジなどの暖色や、黒、紫などの寒色もあります。
暑さ、寒さに強いため、比較的育てやすい花とされています。
タチアオイの名前の由来
「立葵（タチアオイ）」は、日本で古くから呼ばれている名前です。
茎を真っすぐ上へと伸ばし、葉っぱが太陽の方に向いてつくことに由来します。
現在はビードロアオイ属に分類される花です。
以前はタチアオイの名前がそのまま属名でした。
西洋名は「Holly hock（ホリホック）」です。
ホリホックという名前がつけられた由来には諸説あります。
聖なるという意味の「holy(ホーリー)」という言葉からつけられたそうです。
この理由は、十字軍が戦地からタチアオイの花を持ち帰ってきたからといわれています。
また、一説には茎が馬の脚のように細長く、葉っぱがヒイラギに似ていることが提唱されています。
ヒイラギが「Holly（ホリー）」、馬の足が「hock(ホック)」と言われるため、「Holly hock（ホリホック）」となったそうです。
タチアオイが誕生花となる日にち
6月15日、6月18日、6月23日
タチアオイの花言葉
「豊かな実り」「野望」「大望」「気高く威厳に満ちた美」などが、タチアオイの花言葉です。
西洋の花言葉は「fruitfulness（豊かな実り）」「ambition(野心、大望)」です。
タチアオイにつけられたどの花言葉も、花の姿からつけらています。
長い茎の下から、次々と花を咲かせるタチアオイ。
見ごろをむかえることには、下から上までたくさんの花がつきます。
この様子から、「豊かな実り」「fruitfulness」という花言葉がついたようです。
2m程度まで茎を伸ばすタチアオイは、真っすぐと上へ育ちます。
上へ突き進んでいく姿から、「野心」「大望」「ambition」 とつけられました。
「気高く威厳に満ちた美」という花言葉も、また花姿が由来です。
真っすぐと伸びた茎に、きれいな花をつけることから、芯のある美しい女性のように見え、つけられました。
タチアオイの色別の花言葉
タチアオイは暖色、寒色ふくめ、たくさんの花色があります。
しかし、花色別の花言葉はないようです。
タチアオイの怖い花言葉
タチアオイが含まれるアオイ科の花には、怖い花言葉がつけられている物もあります。
例えばオクラの花言葉は、「恋によって身が細る」です。
オクラの実が細長いことからつけられています。
ゴジアオイの花言葉は、「私は明日死ぬだろう」と不安いっぱいな様子です。
このようにアオイ科の花には、怖い花言葉があります。
タチアオイは同じアオイ科の花ですが、怖い花言葉はありません。
タチアオイの言い伝え
タチアオイは、6月から8月に花が見ごろをむかえます。
最初は茎の下から花をつけ、段々と上の方の花が開くのが特徴です。
このことから、「てっぺんまで咲ききると、梅雨が明ける」という言い伝えがあります。
花が上まで咲くと梅雨が明けることから、「梅雨葵（ツユアオイ）」と呼ばれることもあったそうです。
また、アオイと言われて思い浮かべるのが、徳川家の家紋「三つ葉葵」です。
実はアオイという名前がつきますが、全く別の花をさします。
「三つ葉葵」のモデルとなったのは、ウマノスズクサ科の「フタバアオイ」という花です。
アオイを家紋にあしらった物はほかにもあり、その中には「立ち葵」という家紋もあります。
しかし、こちらの「立ち葵」も、フタバアオイがモデルとなっています。
フタバアオイの花の姿は、タチアオイと全くちがいます。
フタバアオイは地上をはうように茎がのび、丸くキノコのかさのような花が特徴です。
そんなフタバアオイの花言葉は「細やかな愛情」です。
長く真っすぐ伸びた茎に、たくさんのきれいな花が咲くタチアオイ。
梅雨時期のどんよりした気分も、タチアオイの花で明るくなりそうですね。