お茶をたしなむ人は、ムクゲの花を良く知っているでしょう。
ムクゲは夏の茶花として欠かせない花です。
開花期には、毎日新しい花を咲かせ、見る人を魅了します。
ムクゲの花には、 エルサレム奪還を目指した十字軍の想いが、花言葉としてつけられていました。
目 次
ムクゲとは
ムクゲは韓国で、国を象徴する国花とされています。
国章にもムクゲの花が描かれているほどで、大切に扱われている花です。
日本でも、市の花や市の木に制定しているところがあります。
ムクゲの原産国は、中国です。
園芸品種が多く、鑑賞用の木として公園、家庭の庭、街路樹などに植えられます。
一重咲きのムクゲが一般的ですが、品種改良などで華やかな八重咲きのムクゲもあります。
樹高は1から2mの低木ですが、まれに4m程度に成長する場合があります。
花の形は、同じ科であるアオイ科フヨウ属のハイビスカスに酷似しています。
花色は白、ピンク、赤、紫などさまざまで、7から9月が開花期です。
開花期は2ヶ月程度ありますが、花は早朝に開花して夜にはしぼんでしまいます。
ムクゲの花は夏に開花するため、夏の茶花として、茶室に欠かせない花です。
他にも、抗菌作用などがあるため、薬用植物として利用されます。
ムクゲの名前の由来
ムクゲは漢字で「木槿」や「槿」と書かれます。
「木槿」は中国語で、中国では「モクキン」や「ムーチン」と呼ばれます。
韓国では「無窮花(ムグンファ)」、西洋では「rose of Sharon(ローズオブシャロン)」といわれています。
ムクゲという和名は、漢字表記は中国語から、読み方は韓国語に由来しているのでしょう。
西洋名が「rose of Sharon」とされたのは、旧約聖書に記載されている「シャロンのバラ」がムクゲの花だったことに由来するそうです。
ムクゲが誕生花となる日にち
2月22日、2月25日、3月22日、5月21日、8月26日、9月11日
ムクゲの花言葉
「新しい美」「信念」「尊敬」「説得」などがムクゲの花言葉です。
西洋の花言葉は「consumed by love(恋のとりこ)」、「persuasion(信仰、信念)」です。
「新しい美」という花言葉は、ムクゲの花が朝開花し、夜にはしぼむことにちなんでいます。
1つの花が開きしぼんでも、また次の日には新しい花が咲き、つぎつぎと美しい花が咲き続けることからつけられたそうです。
「consumed by love」もつぎつぎ花が開き、見る人をとりこにしてしまう様子から、つけられたのかもしれませんね。
ムクゲの色別の花言葉
ムクゲの花色は、白やピンク、赤、紫など、さまざま色があり、鮮やかです。
複数の花色がありますが、色別の花言葉はつけられていないようです。
ムクゲの怖い花言葉
ムクゲには「新しい美」「信念」といった、ポジティブな印象の花言葉がたくさんあります。
怖い印象の花言葉はつけられていないようです。
ムクゲの言い伝え
ムクゲの「信念」、「persuasion(信仰、信念)」といった花言葉は、タチアオイという花にちなむそうです。
現在のムクゲの学名は「Hibiscus syriacus(ハイビスカス シリアカス)」です。
この学名になる前は、「Althaea frutex(アルシェ―ア フルテックス)」とされていました。
「Althaea frutex」は低木のタチアオイという意味があります。
タチアオイという東ヨーロッパ原産とされる花に、ムクゲの花が似ていたことでつけられた学名です。
カトリックの聖地であるエルサレムを、イスラム教徒から奪還することを目的に結成された十字軍が、タチアオイの花を、ヨーロッパ諸国に伝えられたとされています。
十字軍がエルサレムの奪還を信念を持って遂行していたそうです。
ムクゲの花が十字軍が伝えたタチアオイの花に似ているため、この花言葉がついたとされています。
ちなみにタチアオイの花は「大望」や「野心」など、十字軍が奪還を目的としていたことが由来しているような花言葉がついています。
夏の茶花として、茶室を華やかに彩るムクゲ。
大きく華やかでさまざまな花色が、部屋の雰囲気を明るくします。
ハイビスカスのように見ている人を、明るく元気にしてくれるような花のため、プレゼントや贈り物として使いたいですね。