エンレイソウは日本全土の山地に自生していることが多いので、目にする機会もあるかもしれません。
葉や萼がそれぞれ3つずつなので見分けがつきやすい植物のようです。
目 次
エンレイソウとは
エンレイソウ(延齢草)はシュロソウ科(以前はユリ科)エンレイソウ属の多年草で、日本全土、東アジア、サハリンなどに分布しています。
草丈は15~30㎝ほどになります。
4~6月頃に3枚の葉の中央から小さな花が咲き、3枚の花びらに見える部分は実際は花びらではなく、萼の部分になります。
しかし、他の品種の多くは3枚の花びらがついています。
色は茶褐色、品種によっては白色、紫色などがあります。
品種は多くあり、以下のようなものがあります。
【シロバナエンレイソウ(白花延齢草)】
名前の通り、白い花を咲かせ、別名「ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)」とも呼ばれています。
エンレイソウは花びらがありませんが、シロバナエンレイソウの白い部分は花びらです。
そして、その下の薄緑色の部分が萼になります。
【オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)】
シロバナエンレイソウよりも大きめの白い花を咲かせます。
日本では主に北海道に分布し、北海道大学の校章のデザインにもなっています。
【ムラサキエンレイソウ(紫延齢草)】
紫色の花を咲かせ、萼の部分は薄緑色をしています。
萼や花びらなど形がシロバナエンレイソウに似ているため、実はシロバナエンレイソウであり、花期が終わる頃に色が変わっただけのものではないかという説があります。
この他にも多くの白い花びらをつける【八重エンレイソウ】などもあります。
エンレイソウの名前の由来
エンレイソウ(延齢草)は古くから胃腸薬として利用されてきました。
根の部分が「延齢草根」という薬草として、悪い物を吐き出させる効能があると言われ人々を救ってきたことからこの名前がつきました。
しかし、有毒成分であるサポニンが含まれていますので注意が必要です。
また、学名の「Trillium(トリリウム)」は「3つ」「ユリ」という意味があります。
エンレイソウの多くの品種が花びら、萼、葉が3つから成り立っている旧ユリ科の植物であることからつきました。
エンレイソウが誕生花となる日にち
7月24日
エンレイソウの花言葉
エンレイソウの花言葉は「奥ゆかしい美しさ」「叡智(えいち)」「熱心」です。
「奥ゆかしい美しさ」の花言葉はエンレイソウは森などの山地に自生していることが多く、大自然の中でひっそりと美しく咲くことからついたようです。
その気品ある花姿から「森の貴婦人」と言われています。
「叡智」の花言葉は「叡智(えいち)」とは優れた知恵という意味があります。
薬草として人々を助けてきたことや凛とした花姿から来ているのでしょうか。
「熱心」の花言葉の由来ははっきりしたことはわかっていません。
しかし、「叡智」やこの「熱心」という花言葉がついているエンレイソウが大学の校章のデザインに選ばれたのも納得できますね。
エンレイソウの色別の花言葉
エンレイソウの色別の花言葉は特に無いようです。
エンレイソウの怖い花言葉
エンレイソウの怖い花言葉は特に無いようです。
エンレイソウの言い伝え
前述のエンレイソウの品種のところで、オオバナエンレイソウを紹介しましたが、このオオバナエンレイソウは別名「雨降り牡丹(アメフリボタン)」と呼ばれています。
花を摘むと雨が降ると言われている雨降り花のうちの一つだからです。
直前に雨が降っては困る行事を控えている時は雨降り花は摘んではいけないとよく言われていたそうです。
また、夏の終わりごろには蕎麦に似た実をつけることから「ヤマソバ」とも言われています。
エンレイソウは発芽から花が咲くまで10年位かかりますが、一度咲くと毎年花を咲かせてくれて、20年以上の寿命があると言われています。
とても長生きする植物なので、もしかすると、このことも名前の由来と関係しているのかもしれませんね。