季節の変わり目として、春分・夏至・秋分・冬至は日の長さを気にする私たちには注目の節目です。
二十四節気の一つとしての「春分」や、国民の祝日である「春分の日」について詳しく説明していきます。
目 次
春分の日2023年はいつ?
春分の日2023年は3月21日(火)です。
春分は啓蟄から数えて15日目頃となり、春分とその前後3日を「春の彼岸」といいます。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉もある通り、この頃には寒さがゆるみ過ごしやすくなっていきます。
また、春分から一番近い戌の日を社日といいます。
この日に土地の神様にお参りをして、五穀豊穣を祈る行事があります。
この時期は実際に種まきの時期にあたり、農業においても重要な時期となっております。
また、日本独自の文化ですが、この時期には墓参りをすることが多いです。
春分の日の決め方
国立天文台の毎年2月の第一平日に発行する官報によって、翌年の春分の日が定められます。
春分の日は、他の国民の祝日とは違って、あらかじめ月日が定められていません。
「国民の祝日に関する法律」でも、春分の日は「春分日」と記載されただけで月日は伏せられています。
太陽と地球の関係では、天の赤道(地球の赤道を天に延長したもの)と黄道(太陽の通り道)が交わったところが春分点と秋分点になり、昼と夜の長さがほぼ同じなるとされています。
そのため、毎年同じ日が春分の日となるわけではないのです。
以下、将来の春分日を計算で予想したものです。
2024年3月20日(水)
2025年3月20日(木)
2026年3月20日(金)
2027年3月21日(日)
2028年3月20日(月)
2029年3月20日(火)
2030年3月20日(水)
春分の日とは?意味や由来は
春分の日というのは、春彼岸の中日にあたり国民の祝日に定められています。
春分の日は、明治11年の太政官布告23号で定められた「春季皇霊祭(しゅんきこうりょうさい)」という祭日が始まりになります。
春季皇霊祭というのは、毎年春分日に行われる歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式のことをいいます。
宮内庁が公開している皇室の「主要祭儀一覧」に、「春分の日に皇霊殿で行われるご先祖まつり」というのが記載されています。
昭和23年7月20日に「国民の祝日に関する法律」が制定され、旧制の祭日であった春季皇霊祭は廃止となりました。
そして「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として春分の日という祝日になったのです。
そもそも春分とは?
春分というのは、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
厳密には大気による光の屈折等さまざまな理由から、春分の日はわずかに昼の方が長いらしいです。
太陽の通り道「黄道」と、地球の赤道を延長した「天の赤道」とが交差するのが黄経0˚です。
春分は太陽がこの黄経0˚に到達した瞬間のことです。
この日から夏至にかけて、だんだんと昼が夜よりも長くなって行くので、何か明るい気分になります。
ヨーロッパなどでは春分を春の始まりとしています。
春分は二十四節気の4番目になり、さらに細かく分けた七十二項は以下のようになります。
初候:雀始巣(すずめはじめてすくう) 七十二項の一つ
次候:桜始開(さくらはじめてひらく) 七十二項の一つ
末候:雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 七十二項の一つ
春分の日は何をする日
今では春分の日といえばお墓参りですが、それだけではありません。
仏教が浸透する以前は農村部で、春分の頃に豊作を祈願し、秋分の頃には豊作を祝う自然信仰がありました。
春分の日は種まきが始まり、秋分の日は収穫をする頃なので、お彼岸は五穀豊穣を祈願する日でもあったのです。
春分の日は豊作となることを祈り、ぼたもちなどのお供えをしたのです。
春分の日の旬の食べ物
春のお彼岸のお供えといえば「ぼたもち」
春分の日にお供えするぼた餅ですが、秋にはおはぎと呼びます。
おはぎとぼた餅は同じものですが、昔は秋に収穫したての小豆(あずき)を粒あんにしたのが「おはぎ」、冬を越して固く乾燥した小豆をこしあんにしたのが「ぼた餅」という違いがあるのです。
そして春の牡丹に見立てたのがぼた餅、秋の萩に見立てたのがおはぎと呼んだのです。
ホタテ貝
旬は産卵を控える冬から春にかけてで、特に三月ころが美味です。
帆立貝の名前の由来は、殻が開いたときの様子が帆を立てた船に似ているからです。
帆立貝を火にかけ、焼けてきたらバターを入れて醤油を垂らすのがおいしい食べ方です。
蕗(ふき)
蕗の旬は4月から6月頃です。
日本原産の野菜で、各地の野山に自生しており、葉ではなく茎の部分を食用にします。
葉は緑が濃くて黒ずみのないものを、茎は適度な太さで赤みがかったものを選ぶのがこつです。
サクラエビ
その名前の通り、旬は桜の咲く春です。
海鮮丼やかき揚げなどにしていただくと大変おいしいです。
アスパラガス
春から初夏にかけてが旬です。
ヨーロッパでは紀元前から栽培されており、日本では明治のころから食卓に並ぶようになりました。
マグネシウムやカリウムの吸収を良くしたり、疲労回復を助けるアスパラギン酸を多く含んだりします。
桜餅
あんの入ったお餅を、桜の葉の塩漬けしたもので包みます。
関東風の桜餅は、小麦粉などの皮であんを巻いたものです。
関西風の桜餅は、餅米を使った道明寺粉の皮の中にあんを詰めます。
桜の香りを楽しみながら春の香りを食べましょう。
この頃には「さくら味」の食べ物が出回りますが、ほとんどがこの桜餅の味と似ています。
うど
自生の山うどは3月から4月ごろが旬で、やわらかい葉先を天ぷらにすると大変おいしいです。
うぶ毛がびっしりついていて、根元から葉先まで太くてみずみずしいものを選ぶとよいでしょう。
真鯛
お祝い事と言えば鯛と言われるぐらいの縁起物です。
古くは縄文時代から食べられており、平安時代には内陸の朝廷へ貢ぎ物として重宝されました。
旬は春ですが、秋にもおいしい魚で、縁起物なので1年中欠かせない存在になっています。
旬の動植物
関東タンポポ
3月から5月頃に花を咲かせ、綿毛を吹いて飛ばしたことが子どもの頃にあるのではないでしょうか。
花の形が鼓(つづみ)のように見えることから、タン・ポン・ポンと鳴る音に見たててタンポポの名前になったといわれています。
こぶし
白い花を梢に咲かせるこぶしの開花の時期は、早春の3月中旬から4月中旬ころです。
こぶしの花が咲いたら田打ちを始めて稲の種まきをするなど、農作業の目安となることから、別名「田打ち桜」とも言われています。
木蓮(もくれん)
3月下旬から4月にかけて咲くのが木蓮です。
白い花を咲かせる白木蓮(はくもくれん)や、紫の花を咲かせる紫木蓮(しもくれん)などがあり、空に向けて手のひらを広げるように咲きます。
雲雀(ひばり)
鳴き声にも種類があり、上空で羽ばたきながら舞うときに鳴く「舞鳴き」、舞い上がるときに鳴く「上り鳴き」、空から降りてくるときに鳴く「下り鳴き」など、それぞれで鳴き声が違います。
以上春分の日についてでした。
ここから日も高くなり、気候も暖かくなっていきますので、新たな気持ちになれますね。
旬の食べ物を食べながら、新たな年度を心機一転がんまりましょう!
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