「7月23日 米騒動の日」
■はじめに
2017年産の魚沼産コシヒカリが、天候不順のため、日本穀物検定協会の「米の食味ランキング」で、28年間維持してきた「特A」評価から陥落しました。
このニュースであらためて米の銘柄の豊富さに驚いたことを覚えています。
目 次
■米騒動の日とは
こういうのを記念日と言うのかどうかわかりませんが、7月23日は「米騒動の日」とされています。
1918(大正7)年7月23日、富山県魚津町の主婦らが、米の県外搬出を止めて、地元住民に売るよう集団行動を起こし、これが全国に広まり、我も我もという米騒動となりました。
■米騒動の日の意味と由来
この騒動は起こるべくして起こった時代背景があります。
今では想像もできませんが、かつて魚津町と言えば、江戸時代から越中東部の政治・経済の要衝の地で、明治以降、北海道や樺太への米の積み出し港として、多くの米倉庫が林立していましたが、第1次大戦後の物価上昇、都市部の人口増による米不足、商人の買い占めや売り惜しみなどで、米価は半年ちょっとで3倍に急騰していました。
そんな庶民の不満が鬱積する中、7月23日の前夜、北海道に米を運ぶための船舶が魚津港に寄港しました。
翌23日、米の搬出をする十二銀行(現・北陸銀行)の倉庫前に、米価高騰に苦しむ魚津町の主婦らが集まり、「魚津に米がなくなって、余計に値段が上がる」と作業をやめるよう要求し、搬出は中止されました。
その後、この騒ぎを新聞報道で知った近隣の住民にも同様の運動が広がっていき、8月下旬には北九州や山口の炭鉱にも飛び火して暴動に発展、放火や打ち壊しにまで及び、軍隊が出動する事態にもなって、ダイナマイトが飛び交うなどで30人が死亡しました。
政府は米騒動が全国に波及するのを防ぐため、報道規制に乗り出しましたが、これがかえって政府自らのクビを絞める形になり、言論報道の自由を要求する運動の高まりにより、同年9月21日、時の寺内内閣は総辞職、原内閣が誕生しました。
一連の米騒動は9月12日に収束しており、米騒動は50日間続いたことになります。
■米騒動の日のイベント
当然ながら、この手の記念日に制定者はいませんが、米のありがたみをあらためて感じ、ほどほどの価格で買えることに感謝しようと、どこかのスーパーで「7.23米騒動記念大特売!〇〇産〇〇ヒカリ3割引き」とか「今日は5kg買えばもう5kgついてくる!」なんて記念セールでもやればいいのに。
しかし、こういう犠牲者まで出た出来事まで商売に利用するのかっ…てなことで石が飛んでくるのは間違いなし、今はネットであっという間に拡散、炎上する時代ですからね。
米騒動が起きた時代をあらためて喚起できるんだから意義もあると思いますがね。
このあたり、もっと鷹揚な社会になってほしいと思いますが、どうでしょうか。
■米騒動の日の雑学
▽平成の米騒動
暴動があったわけでもなくて、米騒動とはおおげさですが、1993(平成5)年には米不足が起こり、ちょっとした騒ぎがありました。
これは冷夏をはじめとする天候の不順で、品質が良くても冷害に弱いブランド米の品種が多かったことや減反政策が影響して、国内需要の20%が収穫不足となり、緊急輸入をしたものの、日本人の舌に合わないことや、農薬使用の不安からたいへん不評でした。
一転、翌年の豊作で騒ぎは1年だけでしたが、冷害対策の品種改良によって、現在は安定した米の供給が実現しています。
▽米の消費
農水省による米の消費に関する動向予測では、長期的な減少傾向に、今後さらに拍車がかかるとしています。
米の1人あたりの年間消費量は、1962(昭和37)年の118kgから、2005(平成17)年には半分近くの61kgにまで減少しています。
では、なぜ、日本人の主食である米の消費が落ち続けているのでしょうか。
農水省の他にも多くの民間機関が原因を分析していて、その共通項として挙げられるのは、
まず、人口の減少、少子・高齢化ですが、これは米が悪いわけではありませんね。
次に大きな原因とされるのが、現代は食生活が多様化して、食事の選択肢が増えたことによって、米の割合が低下したという分析です。
昭和の時代と比べると、外食産業の隆盛は目を見張るものがあり、そこへ女性の社会進出が進んで、米を炊き、おかずをそろえて、後片付けをするといった時間を持てませんから、ファミレスやコンビニで済ませることが増えるのも当然の成り行きで、1人暮らしであればなおさらです。
もうひとつ、若い世代は米のカロリーを気にする女性が多いことも挙げられています。
カロリーの比較は単純ではなくて、米だけ、食パンだけの食事をする人はいませんね。
パンにジャムやバターを塗って、ベーコンやポタージュスープでは高カロリーになってしまいますが、ご飯のおかずを焼き魚、煮物、みそ汁といった和風にすれば低カロリーで済みます。
また、パンは添加物が多く含まれるのに対し、ご飯は無添加で、噛む回数も多く満腹感も得られて、余計な間食をしないで済みます。
以上、お米の宣伝になってしまいました。
■まとめ
筆者の知人は、トシを取るにつれて、ご飯や魚、豆腐、漬物を食べることが多くなったと言います。
当人は健康志向などと言いますが、日本人のDNAが覚醒したのだと、筆者は見ています。
7月23日は何の日?誕生日の有名人や星座、花言葉・運勢・性格は
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