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劇画の日とはいつ?意味や由来、月刊劇画雑誌「ガロ」を創刊した日

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「7月24日  劇画の日」

■はじめに

筆者には昨今の劇画事情がさっぱりわかりませんが、カムイ外伝、ゴルゴ13、子連れ狼、巨人の星、あしたのジョーならよく知っています。

ドカベンの延長戦、あしたのジョーの最終ラウンド…いったいカタがつくのに何週間かかるんだ!って思ったものです。

すみません、話が古くて、ついて来られない人もいるかもしれませんね。

 

■劇画の日とは

1964(昭和39)年7月24日、東京・神田神保町の出版社「青林堂」(のちに東京・渋谷に移転)が月刊劇画雑誌「ガロ」を創刊したことから、この日を「劇画の日」としていますが、いつ、どういう経緯で劇画の日としたのかは定かではありません。

 

■劇画の日の意味と由来

「ガロ」創刊の5年前、漫画家の辰巳ヨシヒロが中心となって、さいとう・たかお、石川フミヤスらと劇画制作集団「劇画工房」が結成され、以後の劇画ブームによって、世間一般に「劇画」という名称が認知されることになります。

「劇画」の命名者は辰巳であり、工房は「劇画と漫画の相違は技法と読者層」として、従来の漫画とは異なる年齢層を対象にすると明言しています。

 

それまでの漫画は比較的シンプルな線で、人物(あるいは動物)をほぼ正面から描くことが多かったのに対し、劇画は映画のカメラワークのようなコマ割りで、強調された擬音、効果音を多用し、ストーリーも映画や小説のように複雑で凝った設定で、当時としては斬新なものでした。

 

しかし、劇画工房は意見の対立から1959年に解散、さいとう・たかおは「さいとう・プロダクション」を設立し、日本で初の制作過程の分業制を確立し、少年マガジン、ビッグコミックなどの大手誌に進出して、劇画ブームを巻き起こすことになります。

 

一方の辰巳は、ブームに乗って粗製乱造された劇画に幻滅し、社会の底辺や仏教に目を向け、2008年に刊行された半自伝漫画「劇画漂流」は内外で高く評価されて、海外でアニメ化され、それに伴い多くの作品が英語、フランス語、スペイン語などで出版されました。

さいとうは派手な作品を長期連載、辰巳は地味な短編が海外で評価されるなど、劇画工房解散後のふたりは対照的な道を歩んでいます。

 

現在、さいとうは長年のスタッフが亡くなり、自身も体力が衰えたことから、「ゴルゴ13」「鬼平犯科帳」の2本の連載に絞って活動していますが、辰巳は2015年に死去しました。

 

■劇画の日のイベント

劇画の日を、劇画誕生の記念の日とするなら、青林堂が旗振り役となって、それなりのイベントを開催してもよさそうなものですが、同社はガロの低迷後の経営譲渡や編集方針の変更、休刊、復刊、廃刊の経緯をたどっているためか、現在はガロに対して、そう思い入れがあるようには見えず、1993年の「ガロとマンガとマンガ文化」、その翌年の「ガロ創刊30周年記念パーティー」を最後に、イベントは開催されていません。

 

■劇画の日の雑学

▽「ガロ」

少年漫画雑誌と呼ばれたサンデーやマガジンに対し、ガロは青年向けとして登場し、どういうわけか全共闘世代の大学生に支持され、1970年代はガロの時代と言ってもいいくらいでした。

ガロの創刊は決して満を持してというものではなく、執筆者が7人以上でなければ雑誌と認められないために、白土三平や水木しげるが複数の名義を使うなどして、ようやく発刊にこぎつけるという状況でした。

 

ガロの目玉は、白土の「カムイ伝」と水木の「鬼太郎夜話」で、脇を滝田ゆう、つげ義春などが固め、新人発掘にも力を注いで、既成概念にとらわれない独創性を重視する懐の深い編集方針も、若者たちに支持された要因のひとつと言えます。

商業性を重視しないガロの下降線は、1971(昭和46)年に「カムイ伝」の連載終了とともに始まり、その後「面白主義」を標榜して劇画にこだわらない方針を打ち出したものの、原稿料の支払いにも窮する経営難に陥り、経営譲渡先の内紛やネット時代への乗り遅れ、刊行の試行錯誤の末、2002(平成14)年の通巻426号を最後に、事実上の廃刊となっています。

 

▽理論劇画、歴史劇画

時代劇、アクション、SF、スポーツなど、劇画にもいろんなジャンルがあって、みなさんを楽しませていますが、なんと教科書の代わりになりそうな劇画も登場しています。

本の名前と著者だけは有名な、あのカール・マルクスの「資本論」ですが、今どき、よほどキチンとした学生じゃなければ読んではいない(と思われる)難解な経済学の書籍です。

筆者は手に取って、表紙だけは見たことがあります。

今はわかりやすく解説した本も出ていますが、もとが超難解なので、やさしくと言われても信用できません。

 

そこで、もっと更にとってもラクに簡単に読めるよう、劇画版「資本論」が刊行されていますから、いつの日にか、教科書にも採用されることでしょう。

また、歴代総理大臣の闘争を描いた歴史劇画「大宰相」シリーズも出版され、自民党の派閥抗争を勉強するには、活字を追うより超ラクチンです。

 

■まとめ

入試の面接で、フランス文学が好きだと言う女子学生に、面接官が好きな作品を尋ねたところ、「ベルサイユのばら」という返事で、面接官一同、黙り込んでしまったという笑えない笑い話があります。

「ベルばら」が劇画かどうかはともかく、今や、劇画が知識の泉となっているのでしょうか。

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