▪はじめに
現在でも私たちの生活に欠かせないガスは、明治時代の幕開けと共に日本に入ってきた人類史上重要な発明品の1つです。
今回は、そんなガスの歴史や雑学などをガスに関する記念日とともにご紹介していきましょう!
目 次
ガス日とは
ガス記念日は、毎年10月31日にあります。
この記念日は、1872年(明治5年)の10月31日(旧暦9月29日)に日本で初めてガス灯が点灯され都市ガス事業のはじまりとなった日から数えて100周年を記念して、1972年(昭和47年)に日本ガス協会が制定した記念日です。
日本初のガス灯は当時の横浜の外国人居留地内(現在の神奈川県庁から馬車道付近)に十数基設置されたもので、高島屋嘉右衛門らのガス会社「日本ガス社中」が設置しました。
▪意味
ガス記念日には、ガスの安全な使い方などの都市ガス事業の役割をより多くの人に伝えるという目的があります。
▪由来
ガス記念日は、1872年(明治5年)の10月31日(旧暦9月29日)に横浜の外国人居留地内で日本初のガス灯が点灯されたことに由来して制定されたものです。
▪イベント
ガス記念日である10月31日には、毎年横浜市で「横浜ガスライトフェスティバル」が開催されています。
このイベントは、1872年(明治5年)の10月31日(旧暦9月29日)に現在の横浜市大江橋から馬車道・本町通りにかけて日本で初めてのガス灯が灯ったことを記念するもので、ガス灯の魅力PRイベント実行委員会が主催で行われているものです。
イベントは、ガス灯点灯式に始まり、ジャズライブやスタンプラリー・ナイトウォーク・かつて使用されていたガス灯やランプの展示・写真パネルの展示など子供から大人まで楽しめる内容になっています。
詳しい情報は横浜観光情報HP内のイベント情報に掲載されるので、興味のある方はチェックしてみてください!
ガスの雑学
<ガスによって大きく変わった日本の暮らし>
明治時代に日本にガスが入ってきてから、日本の暮らしは大きく変わっていきました。
ガスが導入された当初は灯りを灯すことを目的として利用されていました。
横浜で初めてガス灯が灯った2年後の1874年(明治7年)には東京の銀座通りに85基のガス灯が灯り、1889年(明治22年)には室内の灯りとしても使われるようになります。
その後、各地で次々にガス会社が作られ、1900年代には全国に約70社のガス会社が設立しました。
しかし、その後1880年代に入ると電気による灯りが広まっていきます。
ガス灯は煤が出たり、行政が勝手に家の前にガス灯を立てたのにガス代を請求していたことからガス代を払わない人が多くて赤字になったりと、ガス灯には問題点も多かったため、電気の導入と相まってガスの灯りとしての利用の需要は徐々に減っていったのです。
ところが、ガスには簡単に火が点くという利点があったため、今度は熱源として利用されるようになっていきました。
1902年(明治35年)にガスかまどが登場したことにはじまり、ガス七輪、ガスストーブ、ガスアイロン、ガス式のお風呂、パン焼き器などが次々に登場しました。
とくにガス七輪は従来の七輪のように煤が飛び散らず、マッチ1本で火が点けられるうえに火力の調節も簡単にできるため大人気となりました。
それまでは火を起こすことが重労働だったので、まさに家事の大革命だったといえますよね。
この便利さから、明治の偉人・大隈重信は当時まだ大隈邸のあった早稲田にガスが引かれてなかったにも関わらずガス器具を海外から取り寄せ、東京ガスにお願いして早稲田の自宅までガスを引いてもらったそうです。
その後もガス器具はどんどん進化していき、徐々に一般の家庭にも普及していきました。
<都市ガスとプロパンガスの違いとは?>
現在日本の家庭で主に利用されているガスには、都市ガスとプロパンガス(LPガス)の2種類がありますが、この2つの違いとはどのようなものなのでしょうか?
都市ガスとは、メタンが主成分の液体天然ガス(LNG:Liquefied natural gas)が使用されているもので、各地域のガス会社のガスタンクに貯蔵されているものをガス管を通して家庭に供給しているガスのことです。
天然ガスの大半はオーストラリア・カタール・マレーシアなどからの輸入でまかなわれています。
都市ガスに使用されている天然ガスの特徴は、-162℃まで冷やすと液体化して体積が1/600まで小さくなるという点と空気よりも軽いという点です。
一方プロパンガスとは、プロパン・ブタンが主成分の石油ガスを液体化したもの(正式名称:液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)が使用されているもので、通称LPガスとも呼ばれています。
プロパンガスの大半は、カタール・UAE・サウジアラビアなどの中東・アメリカなどからの輸入でまかなわれています。
また都市ガスとのもう1つの大きな違いは、プロパンガス会社の人がプロパンガスの入ったボンベを家庭に配達してくれるというシステムです。
プロパンガスの特徴は、-42℃まで冷やすと液体化して体積が1/250まで小さくなるという点と空気よりも重いという点です。
どちらのガスも本来は無色で匂いも無いのですが、ガス漏れしたときにすぐに分かるように匂いがつけてあります。
これはかつて、ガス漏れに気づかず死亡してしまう事故が起こったために改良された事故防止策なのです。
また、都市ガスは空気よりも軽いので都市ガスを使う家庭には天井など上の方にガス漏れ警報器が設置され、プロパンガスは空気より重いのでプロパンガスを使う家庭には足元の方にガス漏れ警報器が設置されます。
料金は、プロパンガスの方が都市ガスよりも1.8倍~2.0倍高いというデータがあります。
これは、プロパンガスの料金はガス会社が自由に設定できるためと、配達などの人件費がかかるためです。
しかし、プロパンガスは都市ガスよりも火力が2倍以上強いことや初期費用がかからないこと、災害時に復旧が早いことなどのメリットもあります。
家を新しく建てる時には、両方のメリットとデメリットを比較してみてくださいね。
▪まとめ
近年、電気コンロやエアコンなどガスを使わない生活が発展してきています。
しかし、ガス窯で炊いたご飯の方がおいしかったりガスの洗濯乾燥機の方がしわが少なくふっくら仕上がったりとガスの利点が見直されることも少なくありません。
ガス記念日には、ガスの良い所を改めて見直してみてはいかがでしょうか。
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