「9月2日 牛乳の日」(那須塩原市牛乳の日)
■はじめに
その大昔、筆者が幼いころ、近くに知り合いの小さな牧場があり、毎朝5円と鍋を持って搾りたての牛乳を譲ってもらった懐かしい記憶があります。
目 次
牛乳の日とは
9月2日はいささか苦しい語呂合わせの「牛乳の日」です。
正式には「那須塩原市牛乳の日」と言って、那須塩原市が本州一の生乳生産額であることを全国に知ってもらい、同時に市の活性化を図る意図で、2017(平成29)年にこの「那須塩原市牛乳の日」を制定しました。
まだ歴史の浅い記念日で、社団法人日本乳業協会が2008(平成20)年に、6月1日を「牛乳の日」に制定しており、これは国連食糧農業機関(FAO)の「世界牛乳の日」とリンクしているため、どう見ても那須塩原牛乳の形勢不利は否めませんね。
しかし、那須塩原市の心意気や良し! 頑張ってくださいね。
■牛乳の日の意味と由来
生乳とは、牛から搾ったままで、殺菌や加工をしていない乳のことで、那須塩原市の農業の70%を畜産が占めており、生乳の産出額は1~3位の北海道に次ぐ全国第4位なので、本州で一番となります。
「牛乳の日」を市の看板とすべく、「那須塩原市牛乳等による地域活性化推進条例」まで制定、相当に力を入れています。
条例には、市や生産者、事業者の役割も謳われていますが、「牛乳等を食事に取り入れるよう協力」とか「行事の際には可能な範囲で牛乳等での乾杯」などと、市民の役割までが条文に入っています。
もちろん、個人の嗜好を尊重すべきとの項目があることは言うまでもありません。
行事の際には牛乳で乾杯を…としていることもあって、市は市内で開催されるイベントや会合での牛乳乾杯には、300人を限度に1人100mlの牛乳を無料提供することになっています。
しかし、いくらなんでも、牛乳乾杯だけということはないですよね。
その後には「ちゃんとした乾杯」もありますよね、余計な心配をしてしまいます。
■牛乳の日のイベント
2017年の9月2日には制定を記念して、那須塩原駅西口広場で先着200人の乾杯、この参加者には塩原大根をプレゼント。
2018年も同じ場所で、市長挨拶と牛乳乾杯の後、市と市内の高校が共同開発した無添加乳酸菌飲料の試飲で、地域おこしの実例を紹介しています。
全国にアピールするのであれば、駅前広場ではなくて、東京の真ん中で派手にやってもいいようにも思います。
牛乳の日の雑学
▽飲用乳の表示に関する公正競争規約
消費者保護の観点から、今や商品のほとんどに生産地や原材料の表示が義務付けられています。
特に食品については厳しい規制があるのは当然で、牛乳には「飲用乳の表示に関する公正競争規約」があります。
北海道牛乳、○○高原牛乳などと商品名に地名を謳う場合、表示地の生乳を100%使用しなくてはならず、ジャージー牛乳のように品種を商品名にしたものは、その品種の生乳が100%でなくてはなりません。
また、生乳100%でなければ「牛乳」の2文字は使えず、無脂乳固形分が8%以上、あるいは乳脂肪分4%以上の加工乳や乳飲料であれば「ミルク」「乳」を表示できます。
このため、店頭から「コーヒー牛乳」が消えてしまいました。
▽食品以外の牛乳加工品
牛乳から作られるものはチーズやバター、アイスクリームといった食品だけとは限りません。
牛乳のたんぱく質に含まれるカゼインに、アクリル繊維の原料を結合させたプロミックス繊維は、シルクの光沢があり、吸湿、速乾性に優れているので、タオルや下着に使われています。
また、カゼインから作られるプラスチックは、摩耗や薬品に強くツヤもあるため、印鑑やピアノの鍵盤、洋服のボタンなど、象牙の代用として用いられ、この他にも、接着剤、ペンキ、画材の糊や化粧品、石鹸、入浴剤など、思いがけないところでも活躍しています。
■おわりに
「コーヒー牛乳」は、商品名としては死語になってしまいましたが、先日、ミルクコーヒーフランスなる菓子パンに、「コーヒー牛乳味」というコピーが印刷されているのを見つけました。
飲料でなければコーヒー牛乳と謳ってもOKなんですね。
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