「9月24日 清掃の日」
■はじめに
掃除も清掃も同じようなものだと思っていましたが、日本清掃収納協会によれば、「掃除」とはゴミやよごれのあるところだけをきれいにすることで、「清掃」とは掃除に加えて、薬剤などを使用して部屋全体をきれいにすることだそうです。
目 次
清掃の日とは
1971(昭和46)年9月24日、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法、廃掃法)が施行されたことから、この日を「清掃の日」としています。
当初は厚生省(現厚生労働省)所管としていましたが、2001年に環境省に移管されています。
また、1987(昭和62)年に「浄化槽の日」を10月1日に制定したことに合わせ、毎年9月24日から10月1日の8日間を「環境衛生週間」として、廃棄物の減量、リサイクル、散乱防止など、ゴミ問題を中心とした環境衛生の啓発活動を実施しています。
■清掃の日の意味と由来
時代の変遷によって、ゴミの質も大きく変わり、量も格段に増えています。
それに伴ってゴミに関する法律も新たに導入されたり、改正されると同時に、国民に環境衛生の啓蒙も続けられてきました。
最初の法律は1900(明治33)年に制定された「汚物掃除法」で、ゴミ収集を市町村の義務として定めました。
この汚物とはゴミはもちろんですが、糞尿や犬、猫、ネズミの死体とされており、また公安管轄の法律で罰則規定もあるなど、当時の世相がうかがえます。
その後の1954(昭和29)年、増え続けるゴミに対応し「清掃法」として出直しますが、産業廃棄物はまだ「特殊な汚物」「多量の汚物」とした表記にとどまり、特に対策の規定は見られません。
高度経済成長の1960年代に入ると、ゴミの大量廃棄が顕在化し、焼却場が公害の発生源になるなど、深刻な社会問題になりました。
1970(昭和45)年、ようやく清掃法を全面的に改めた「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が成立、6年後の改正で措置命令規定創設、再委託の禁止、処理記録の保存、敷地内埋立禁止などが加わり、公害への対処が前進します。
しかし、産業廃棄物は低いモラルや確信犯の違法業者も多く、イタチごっこは続き、1991(平成3)年には不法投棄の罰則強化、マニフェスト制導入、施設設置が届出制から許可制になり、1997年の改正には廃棄物再生利用制度、生活環境影響調査の実施、不法投棄原状回復基金制度などの創設が盛り込まれました。
残念ながら、これで万事めでたしとなるほど違法業者はヤワではなく、最終処分場跡地の扱いや石綿含有廃棄物の処理などの問題が浮上するなど、2000年代に入っても次から次へと改正が迫られています。
■清掃の日のイベント
「ごみ減量 みんなで進める リサイクル」
これは環境衛生週間の統一標語で、面白味がない代わりに、なかなか手堅くできていますね。
プレバトの夏井先生の講評を聞いてみたいものです。
環境衛生週間の仕切り役は環境省ですが、例によって「主唱」という号令をかけるだけの立場なので、イベントの実働部隊は各自治体になっています。
こういう官製イベントは自治体の得意とするところで、毎年、律義に実施計画書を提出していますね。
テーマも決まっていて啓蒙が目的なので、どこの自治体の企画にもタバコ、空き缶、ポイ捨て、不法投棄などがキーワードになっており、標語やポスターのコンクールも定番です。
……と、つい皮肉な目で眺めてしまいますが、こうした地道な努力の継続が必要なんですね。
筆者、深く反省しました。
清掃の日の雑学
▽中国の廃プラ輸入禁止で、世界中に波紋
中国は長らく海外からペットボトルなどの廃プラスチックのゴミを輸入し、リサイクルすることで資源不足を補って経済成長を続けてきましたが、そのために環境汚染が進み、リサイクル能力も限界であることから、海外の資源ゴミの全面輸入禁止に踏み切りました。
日本はじめ北米、欧州、韓国も大量に中国へ資源ゴミを輸出しており、特に日本は年間100万トンを中国へ輸出していることから、今回の決定でまた新たな廃プラ問題が発生しそうです。
代替輸出国としてタイやベトナムの東南アジア諸国を考えているそうですが、これでは問題先送りでしかなく、いずれ同じことが繰り返されてしまいます。
根本的な解決策が喫緊の課題であるという認識を持たねばなりません。
▽どうして生徒が学校を掃除せねばならないのか!
教育の一環として、生徒に学校の掃除をさせることの是非がひところ盛んに論議されました。
子どものころは掃除する理由も考えずにイヤイヤやっていましたが、今ごろになって掃除を「させる」側の論拠に思い至りました。
小~高校の掃除を業者に頼む費用が膨大なものになることが最大の理由に思えますが、義務を遂行する学習や、自分が利用した施設は自分できれいにする道徳論なども掲げられています。
しかし、いずれも明文化された規定ではないそうで、社会全体の暗黙の了解なんですね。
このあたりが海外から不気味な日本人と見られている一因かもしれません。
■まとめ
「清掃」の意味するところは、教室から廃プラ、環境汚染まで、実に広範囲に及んでいます。
おおげさに言えば、人類がいかに快適に生存できるかは、清掃にかかっていると言えるのではないでしょうか(ホント、おおげさですが…)。
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