「1月15日 ウィキペディアの日」
■はじめに
その昔は、筆者のデスクの上には国語辞典、漢和辞典に並んで「現代用語の基礎知識」が手の届くところに置かれていました。
今や、ネットで全てがわかる便利な時代になって、特にウィキペディアのおかげで、もう何年も「現代用語の基礎知識」を買い替えていませんね。
目 次
ウィキペディアの日とは
2001年1月15日、アメリカ人ジミー・ドナル・ウェールズ(1966~)によって、インターネット上の英語版百科事典サイト「ウィキペディア」が公開されました。
これを記念して、毎年のこの日は「ウィキペディアの日」と呼ばれています。
■ウィキペディアの日の意味と由来
ウィキペディアへ投稿するテキストは、全て自由な改変を認められているので、だれもが記事をチェックし、必要とあれば修正や加筆が可能です。
これによって、舌足らずな記事を質の高い記事に変えることが可能ですが、一方でだれでも編集できることは内容の信頼性に疑義も生じます。
今までに、各国の多くの調査機関や大学がウィキペディア記事の信頼性調査を実施していますが、見事にバラバラな結果が出ています。
膨大な数の記事のサンプル抽出の詳細は不明ですが、一部に「信用できない」との結果があることは、サンプルの中に相応の数の間違いを見つけたということになります。
また、著作権侵害の問題もあって、選ばれた管理者が各言語版の運営ルールに沿って、記事の修正や削除を行っています。
■ウィキペディアの日のイベント
ウィキメディア財団は2005年から毎夏に、世界各地の持ち回りで「ウィキメディア国際カンファレンス」(通称ウィキマニア)を開催、ウィキメディア・プロジェクトの利用者が講演や発表を行うとともに交流を図っています。
このウィキメディア・プロジェクトとは、ウィキメディアの他に財団が運営するウィクショナリー(辞書)、ウィキデータ(知識データベース)、ウィキクォート(引用句集)など全14のプロジェクトです。
毎年、日本人の参加者が数人にとどまることから、アジアでは台北、香港で開催されていますが、日本での開催は望み薄で、ここでも英語の壁が立ちはだかっているようです。
しかし、日本でも毎年、独自の「ウィキメディアタウン」というイベントが開催されて、ウィキペディアの編集者が資料を選択し、記事を完成させる過程を見ることができます。
この活動は、郷土の資料を調べ、地域の文化財や名所の情報をウィキペディアに記事として掲載し、地域の活性化につなげようというものです。
ウィキペディアの日の雑学
▽日本語版ウィキペディア
ウィキペディアの日本語版は4か月遅れの2001年5月に発足しましたが、漢字やひらがな、カタカナ表示に対応できずローマ字表記で、コンテンツもほんのわずかでした。
その後、2002年のシステム更新で日本語での表記が可能となり、マスコミの話題にもなったことで広く認知され始め、23項目でスタートしたコンテンツも、2003年には1万に達し、年間10万項目のペースで増え続けて、2018年には110万項目を超えています。
とは言え、やはりラテン文字を使用しないハンデは大きく、英語版の約5分の1程度の規模でしかなく、また他言語間のリンクが少ないのも特徴で、これは外国の執筆者が日本語の記事を読めないためで、ここにも言語のハンデが表れています。
▽ウィキペディアに求められるもの
何かわからない言葉や事柄があってネットで検索すると、ほとんどの場合、上位にウィキペディアの項目が表れます。
この場合の検索は、たいてい事柄の詳細までを求めているのではなくて、その概略さえわかれば事足りるはずで、その先は概略から得た知識でさらに焦点を絞った検索に進むはずです。
つまり、ウィキペディアに求められるのは、専門的、学術的な詳細情報ではなく、知識のない者でもわかりやすく、整理された基本的な記述なので、これは専門家でなくても可能です。
しかも、専門的な内容でなければ、誤った記述やイタズラに多くの人が気づき、即座に修正されることになります。
また、だれもが編集できることは、人口の増減や国家の独立、年表の追加など、年々の変化による加筆も可能で、常に最新の情報の提供につながっています。
ウィキペディアは多くの目と善意によって成り立つもので、百科事典として世に役立っていることは間違いありません。
■最後に
ウィキペディアへの執筆にはいくつかのルールがありますが、中でも「他の執筆者が検証できる記述のみを書く」という大前提があります。
独自の研究理論は検証不能なのでもちろんのこと、記事の情報源である出典、参考文献の明記も必須です。
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