「1月14日 尖閣諸島開拓の日」
■はじめに
尖閣諸島は、沖縄本島の西約410kmに点在する5つの島と3つの岩礁の総称で、尖閣列島とも呼ばれます。
最も大きい魚釣島でも面積は3.81km2で、総面積は約5.53km2にすぎませんが、アホウドリが生息し、近海はカツオの好漁場になっています。
そのため、かつては羽毛の採取や鰹節の製造に従事する日本人が居住していましたが、現在は沖縄県石垣市に属する無人島です。
目 次
尖閣諸島開拓の日とは
尖閣諸島が無人島でどの国にも属さない「無主地」であると確認した明治政府が、1895(明治28)年1月14日、日本領編入を閣議決定しました。
やがて、国連によって近辺の海底に油田のある可能性が報告されたことで、中国と台湾が領有権を主張し始め、2008(平成20)年には中国公船が尖閣諸島周辺の領海に侵入する事案も発生しました。
このため、尖閣諸島が日本固有の領土であることを国際社会にアピールしようと、1月14日を「尖閣諸島開拓の日」と定める条例案を2010年に石垣市議会が可決しました。
■尖閣諸島開拓の日の意味と由来
筆者が日本人であることを差し引いても、中国や台湾が尖閣諸島の領有権を主張するには無理があります。
そもそも1951(昭和26)年のサンフランシスコ平和条約で尖閣諸島を含む今の沖縄県全域がアメリカの施政下に置かれた際、中国と台湾は一切の異議を唱えていません。
そして、石油埋蔵の可能性が言われ、沖縄が返還されるのを待ったように中国、台湾が領有権を主張し始めました。
現在の中国の教科書の地図は尖閣諸島を中国名「釣魚台列島」と表記していますが、1970年までは日本名「尖閣群島」とされており、1969年刊行の公式地図でも日本領としています。
同様に、1970年以前の台湾も、地図や公文書で日本の領土と認めており、現在は日台関係重視の観点から領有権の主張は控えているようです。
また、1920(大正9)年に遭難した中国漁民の救助に対する感謝状には、遭難場所が「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」と記されています。
しかしながら、最近の中国の海洋進出には警戒が必要で、「尖閣諸島開拓の日」はその防波堤として象徴的な存在になっています。
■尖閣諸島開拓の日のイベント
毎年のこの日、石垣市主催の「尖閣諸島開拓の日記念式典」が石垣市内で開催されています。
これは商品アピールの記念日ではないので、当然ながら、政府や官庁関係者の講演が中心で、パネル展示と合わせ、日本領有に関する取り組みを報告するイベントです。
とは言っても、中国がちょっかいを出して来なければ、そうそう目新しい報告も派手な活動もないはずですが、いつ風雲急を告げる状況になるか、油断できませんね。
尖閣諸島開拓の日の雑学
▽尖閣で日中がにらみ合い続く
中国と台湾がにわかに尖閣諸島の領有権を言い出したのは、海底資源にあることは衆目の一致するところですが、それでもしばらくは漁船にうろうろさせるだけで、大きなトラブルにはならずに済んでいました。
ところが、2002(平成14)年に日本政府が尖閣3島の民有地を借り上げ、2005年に魚釣島の灯台を国有財産にすると発表したことで、中国の態度が硬化し、以後、中国空海軍が尖閣周辺で示威行為を繰り返すようになりました。
こうした緊張が続く中の2010年、日本領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船に意図的に体当たりする事件が発生、船長を逮捕、拘留しましたが、中国政府の激しい抗議に、時の民主党政権は那覇検察に釈放を指示(したとしか考えられない)。
これに怒った当時の石原慎太郎東京都知事が、尖閣諸島を都の所有にすべく寄付を募り始めたことから、政府が国有化に踏み切りました。
当然、これに対し中国は猛反発、大規模な反日デモが起き、尖閣近辺の領海や接続水域に中国公船が頻繁に出入りする緊張が続いて、程度の差こそあれ、この状態で現在に至っています。
▽北方4島と竹島
尖閣諸島は日本の領土として、当然、日本の実効支配下にあり、日本政府は「尖閣の領土問題は存在しない」との立場ですが、択捉・国後・色丹・歯舞の北方4島、島根県沖の竹島は、ロシア、韓国に不法占拠され、こちらは相手国が「領土問題はない」と言っています。
北方4島は日ソ不可侵条約中にも関わらずソ連(現ロシア)に侵攻されたもので、度重なる返還交渉に対し、ソ連・ロシアとも経済支援の「食い逃げ」を繰り返すばかりです。
竹島は戦後、韓国の李承晩大統領が一方的に国際法を無視して韓国領としたもので、敗戦直後の日本はそれに対し無力で抗う術を持ちませんでした。
日韓関係は悪化の一途をたどるばかりで、そう遠くないうちに再び、竹島が日韓の新たな火種になることでしょう。
■最後に
アメリカも政権によって、多少発言のブレることもありますが「尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用範囲」としているので、これが中国に対する大きな抑止力になっているのは否定できない気がします。
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