「11月24日 オペラ記念日」
■はじめに
オペラは歌舞伎と同様、実際に劇場にまで足を運ぶには敷居も料金も高く、筆者にとっては縁遠い存在です。
目 次
オペラの日とは
1894(明治27)年11月24日、日清戦争の傷病兵のための慈善興業として、日本では明治以降初めてのオペラが東京音楽堂(現東京芸術大学)の奏楽堂で上演され、これを記念して11月24日を「オペラ記念日」としています。
■オペラの日の意味と由来
その日の演目は、フランスのシャルル・グノー作曲の「ファウスト」第1幕で、出演はオーストリア大使館職員、指揮は「君が代」の編曲で知られるドイツ海軍軍楽隊長フランツ・エッケルト、合唱は音楽学校生徒という陣容でした。
では、なぜ「明治以降」とのお断りがついているのでしょう。
実は、江戸時代の1820(文政3)年の長崎・出島で、「二人の猟師とミルク売り娘」というオペラ・コミックがオランダ人によって上演されたとの記録が残されています。
また、1875(明治8)年にも東京、横浜で外国人によるオペラ歌唱コンサートが上演されています。
明治27年の東京音楽堂のファウストが明治以降初として記念日の由来となったのは、これが舞台演出を伴う初めての本格的オペラで、日本オペラの原点とされているからです。
■オペラの日のイベント
2018年の「オペラ記念日」当日、東京・丸の内で「今日はオペラの日」と題した無料イベントが開催され、トークショーに続いて、日本を代表するオペラ歌手たちがミニコンサートで歌声を披露しました。
オペラの日の雑学
▽オペラ「ファウスト」第1幕
全5幕で構成されるオペラ「ファウスト」は、ドイツの文豪ゲーテの詩劇「ファウスト」を題材にしていますが、フランス語で上演されることから「フォースト」とも呼ばれ、1859年3月19日にパリで初上演されました。
第1幕の概要です。
16世紀のドイツ、人生をかけた学問がムダであったと嘆く老学者ファウストの書斎から始まり、管弦楽の前奏でファウストの苦悩と博学を表現します。
ファウストは虚しさのあまり服毒自殺をしようとしますが、外から少女たちの楽しそうな合唱が聞こえ、自殺を思いとどまります。
そこへ悪魔メフィストフェレスが現れて、ファウストに望みはカネか名誉かと尋ね、ファウストは青春と答えます。
その代償としてメフィストフェレスは、ファウストに死後の魂を差し出すよう条件を出し、ためらうファウストに美しい女性マルグリートの幻影を見せ、それに魅せられたファウストは契約書にサインしてしまいます。
若返りの薬を飲んだファウストは一瞬で若者になります。
(第1幕はここまで。約30分)
▽オペラとミュージカルはどう違う?
一見、似ているように見えるオペラとミュージカルは、どこがどう違うのでしょうか。
オペラはセリフがほとんどなく、全て歌で表現されマイクも使わないので、歌手にはたいへんな声量が必要ですが、ダンスはダンサーに任せています。
一方のミュージカルは、歌以外にも演技やセリフもあり、おまけに歌いながら踊るシーンも多く、体力温存のためマイクを使わないと隅々にまで歌声が届きませんね。
また、オペラは「椿姫」「蝶々夫人」に代表されるように、ほとんどが悲劇ですが、ミュージカルは明るく楽しいストーリーで、「ライオンキング」「マンマ・ミーア」「美女と野獣」などが思い浮かびますね。
オペラの料金が高いのは、マイクを使わないことで歌手の体力消耗が激しく、公演回数も制限されるので、公的な補助金によってオペラ文化が支えられています。
その点、ミュージカルは1日に複数回の公演もあり、ロングランになると数か月も続きます。
■最後に
最近、日本でのオペラ公演には舞台端に電光板を設置、セリフを文字で教えてくれるそうですが、それでも有名作品でなければストーリーの把握は難しいようで、事前の学習が必要と言う人も多くいますね。
ミュージカル映画のDVDをリビングで鑑賞するのが一番お手軽なようです。
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