「3月20日 動物愛護デー」
■はじめに
幼い子どもがペットとともに成長するのは、命の大切さを知るうえで有益だと言われます。
では、飼い主はすべてのペットにとって有益な存在と言えるでしょうか。
目 次
動物愛護デーとは
3月20日は一応「動物愛護デー」とされてはいますが、同じ日の「上野動物園開園記念日」の陰に隠れてしまっています。
1949(昭和24)年に、春分の日を「動物愛護デー」とするようGHQから指示され、翌々年からは春分の日を挟んだ1週間が「動物愛護週間」とされました。
ところが、1954年に動物愛護週間は秋分の日を挟んだ1週間に変更され、1973(昭和48)年成立の「動物愛護管理法」によって、毎年9月20日から26日に固定されて今日に至っています。
というような次第なので、3月20日の「動物愛護デー」はすでにお役御免の形になっていますね。
■動物愛護デーの意味と由来
動物愛護法で謳う「愛護」とは、動物に対する虐待の防止、習性に配慮しながら愛情をもって取り扱うこと、人へ危害や迷惑を及ぼさないよう管理することで、生命を大切にするという理念をも意味しています。
また、「動物の愛護」はイギリスの家畜福祉協議会が提唱した「動物の5つの自由」を基本とする「動物の福祉」と同意義であるとされており、国際的な考え方として認知されています。
この「5つの自由」とは、
▽飢えと渇き
▽肉体的苦痛と不快感
▽傷害や疾病
▽おそれと不安
▽基本的習性を妨げる
といったことからの自由を謳っています。
■動物愛護デーのイベント
動物愛護に関するイベントは各自治体や団体が、様々に工夫を凝らせて毎年実施していますが、すべて秋の愛護週間に実施されています。
動物愛護デーの雑学
▽「食と命の尊さ」…動物愛護と食用飼育
動物愛護と聞けば犬や猫などのペットを思い浮かべますが、日々の食材になる牛や豚も立派な動物です。
私たちの気持ちは動物愛護と食用飼育の折り合いをどうつけているのでしょう。
そうした「食と命の尊さ」を教えようと、秋田県内の小学5年のクラスで鶏を飼育し、食肉として処理したうえで、生徒自らがカレーを作って食べるという試みを始めましたが、保護者の猛反対と教育委員会の中止要請で、この計画はあえなく頓挫するという騒ぎがありました。
戦前の昔ならともかく、今の小学5年生に鶏を絞め殺させる過程もあるわけなので、親が猛反対するのは当然に思えます。
一方で、鶏が料理されて自分の食卓に並ぶ過程を、その年齢なら理解しているはずで、単なる動物虐待と食べるために殺すことの違いを明確に教育できるという賛成意見も少なからずありました。
ペットをかわいがるのも動物愛護ですが、人間は他の生命を奪うことで生きていることを子どもに教えることも大切です。
その方法はなかなか難しいようですが…。
▽地域ネコ論争
のらネコを最近は地域ネコと呼ぶそうですが、その地域ネコへのエサやりをめぐって、各地でトラブルが頻発しています。
エサを与える人はもちろんネコ好きなので、ネコは好きでノラ生活をしているわけではなく、かわいそうでエサくらいあげるのは人として当然と、動物愛護精神を持ち出し、餓死するのを見て見ぬふりは言語道断と息巻く人までいるようです。
これに対し反対派は実被害を訴える論調で、エサやりはかえってのらネコが増え、糞や尿の始末をしないのは無責任だと訴えます。
そもそも、のらネコが増える原因は、ネコを捨てる人がいて、そののらネコが子どもを生むためです。
動物愛護法ではネコに限らず、ペットの終生飼育が努力義務とされ、捨てた場合は100万円以下の罰則ともされていますが、これもザル法にしか見えませんね。
■最後に
日本動物愛護協会がペットを飼うために必要な10の条件を提示しています。
(1)住宅(2)家族全員の合意(3)動物アレルギーがない(4)寿命まで飼育する覚悟(5)世話をする体力(6)高齢になったペットの介護(7)経済的負担(8)しつけと周囲への配慮(9)引っ越しでも継続飼育(10)万一飼えなくなった場合の受け皿
ペットを飼うには相当の覚悟が必要です。
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