▪はじめに
みなさんは新聞広告をじっくり見たことはありますか?
新聞広告は目を引くものが多く、私などはニュースよりも先に読んでしまうことがあるくらいです。
この新聞広告というものはいつから掲載されるようになったのでしょう?
そこで今回は、新聞広告の歴史や記念日などについて紹介していきます!
目 次
新聞広告の日とは
新聞広告の日は、毎年10月20日にあります。
この記念日は、1974年(昭和49年)に一般社団法人・日本新聞協会が制定しました。
日本新聞協会とは、全国新聞、通信、放送の倫理水準を向上し、共通の利益を擁護することを目的とし1946年(昭和21年)に創立された協会で、日本全国の新聞社や放送協会などにより成り立つ組織です。
▪意味
新聞広告の日には、新聞広告の生活情報源としての役割や意義についてPRするという目的があります。
▪由来
新聞広告の日は、新聞週間(10月15日~10月21日)の期間中で1番覚えやすい日であるとして10月20日に制定されました。
新聞週間とは、1930年代からアメリカで行われていた活動で、日本ではGHQの提唱により1947年(昭和22年)に愛媛新聞が実施したことをきっかけに全国規模に拡大したものです。
当初は10月1日~10月8日までの1週間行われていましたが、1968年(昭和48年)から10月15日~10月21日に変更しています。
▪イベント
新聞広告の日には、毎年日本新聞協会主催による記念式典が開催され、新聞広告賞や新聞広告クリエーティブコンテストの受賞者の表彰を行っています。
また、新聞広告の日が含まれている新聞週間の期間中に、東京・大阪・名古屋・福岡の4都市で「新聞週間記念の集い」というイベントが開かれ、講演会や映画観賞会などが行われています。
令和元年の大阪では、元オリンピック全日本女子バレーボール監督・柳本晶一氏と元アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)選手・巽樹里氏による対談や、映画「決算!忠臣蔵」の試写会などが行われました。
各都市のイベントは事前申し込みまたは、入場整理券が必要になるので、参加したい方は日本新聞協会HPで確認してください。
新聞広告の雑学
<新聞広告を広めたのは福沢諭吉だった?>
慶応義塾大学の創設者であり「学問ノススメ」の著者としても有名な福沢諭吉は、新聞広告の必要性を日本でいち早く唱えた人物でもありました。
福沢諭吉は1882年(明治15年)3月1日に「時事新報」という政治色の少ない新聞を独自に創刊します。
諭吉は新聞の内容を充実させることと同時に、新聞広告の方にも力を注いでいました。
当時は現在のようにテレビやラジオなどがない時代ですから、商品の宣伝をするには看板やチンドン屋など限られたものしか使えませんでした。
しかし、新聞に広告を載せることでより多くの人に宣伝することができ、経済効果も上がることを欧米の広告ビジネスから学んだ諭吉は、新聞広告の有効性を時事新報の社説に書くなどして繰り返し唱えていきました。
ときには新聞広告の価値を多くの商売人に広めるため、「日本一の時事新報に広告するものは、日本一の商売上手である」というビラを風船で飛ばしたりもしたのだとか。
その甲斐あって、時事新報への広告掲載の申し込みが殺到したのだそうです。
その後、新聞広告の需要は広がっていき、現在に至るまで宣伝の重要な媒体の1つとして続いているのです。
<昔の新聞の1面はニュースではなく広告のためのページだった?>
現代の新聞で1面に掲載されているのはその日のトップニュースで、広告は下の方に新発売の書籍のものが少し載っている程度ですよね。
でも、かつての新聞では1面は広告しか掲載されていなかったのです!
新聞広告に力を入れていた諭吉は、時事新報の一面全面を広告に使いました。
この一面は広告という作り方はほかの新聞社にも浸透していき、明治20年代には新聞の一面は広告であることが定着します。
この一面広告の形は、昭和初期まで続きますが、1937年(昭和12年)1月1日に読売新聞が一面にニュースを掲載したものを発刊したのです。
これは日本の新聞の歴史上1番の画期的な大改革といわれ、現在も続く新聞の形となりました。
現在では全面広告は真ん中くらいの面2ページほどが充てられており、一面につき1つの商品の紹介がほとんどで、インパクトが強ければ大きな宣伝効果が期待できる企業にとって重要な広告の1つとなっています。
そのほかの新聞広告は、一面やローカル記事が掲載されている面の下部3段に大きめのものが掲載されたり、その他の面の隙間に小さな広告が埋められたり、日曜版には求人広告が掲載されたりしています。
▪まとめ
インターネットの普及により以前に比べて新聞を読む人は減ってきていますが、それでもその広告の効果は大きく、内容によっては新聞広告がテレビで取り上げられることや社会現象になることもあります。
新聞広告の日には、過去に話題となった広告を調べてみるのも面白いかもしれませんね。
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