▪はじめに
鮭は昔から日本の食卓によく上がってきた、老若男女問わず人気の高い魚です。
魚特有のクセが少なく鮭の特徴であるオレンジ色やピンク色の見た目で、魚が苦手なわが子でも喜んで食べてくれるのでとても重宝しています。
そんな鮭の記念日は、鮭が旬の11月にあるので雑学と併せて紹介していきましょう。
目 次
鮭の日とは
鮭の日は、毎年11月11日にあります。
この記念日は、京阪神地区の中央卸売市場内の水産業者5社を中心とした「鮭の日制定委員会」(後の「鮭の日委員会」)によって2003年(平成4年)に制定され、日本記念日委員会から正式に認定されたものです。
また、これより先の1987年(昭和62年)に平安時代から鮭を特産品としてきた「鮭のまち」新潟県村上市によっても制定されています。(こちらは日本記念日委員会から認定はされていません)
▪意味
鮭の日には、アミノ酸やコラーゲン、ビタミン類などを含む栄養満点でおいしい鮭を多くの人に食べて貰いたいという願いが込められており、毎年鮭全般に渡る宣伝やPR活動を行っています。
▪由来
鮭の日は、「鮭」という感じのつくりの部分をばらすと「十一十一(じゅういちじゅういち)」となることに由来して制定されました。
また、11月は秋鮭の旬の時期であることも由来の1つとなっています。
▪イベント
毎年11月には「鮭の日」に因んだイベントが日本各地で行われています。
鮭のふるさととして有名な北海道千歳市のある千歳水族館では、毎年11月に「鮭の日イベント」を開催しています。
過去のイベントでは、鮭に直接触れられる「サケタッチ」や鮭の皮を使って鮭の形をしたしおりを作る「サケ皮クラフト」、カラフルな人工イクラを作る「人工イクラ実験」、鮭の体から魚の形をした骨を探す「サケのサケ発掘体験」などが行われました。
また、水族館内の支笏湖水槽・大水槽・世界の淡水魚ゾーンでの餌やりの見学も行われました。
千歳水族館は日本最大級の淡水水槽を有する水族館で、千歳川の中を直接見ることができる「水中観察ゾーン」もあるので、鮭の日イベントと併せて楽しんでください。
鮭の雑学
<紅鮭と銀鮭と白鮭は違う種類の鮭?>
スーパーなどで売られている鮭の切り身には「紅鮭」や「銀鮭」、「秋鮭」などの名前が表示されています。
しかし、見ただけでは違いがよく分からないことがありませんか?
実はこれらの鮭はそれぞれ種類が違う鮭だったのです。
「紅鮭」は、北太平洋やオホーツク海などに生息していて日本近海では獲れない種類の鮭です。
外観は体の上半分が青みを帯びていて、産卵期になると赤く染まります。
紅鮭は生態上養殖に向いておらずほぼ100%天然ものなので、ほかの鮭よりも臭みが少なく、身が締まっていて赤みが強いのが特徴です。
日本で売られているのはカナダ産かロシア産の天然ものなので希少価値が高く、値段も高めになっています。
「銀鮭」は、北太平洋に生息していて日本の川には上がってこない種類の鮭です。
外観は全体的に銀色で、背中からしっぽにかけて黒い斑点があります。
日本では、コンビニやスーパーなどのお弁当やおにぎりなどに使われているのが銀鮭です。
銀鮭は養殖に向いていて、日本では主にチリ産のものを多く輸入しており、国内でも三陸沖などで養殖を行っています。
天然ものは日本では獲れず、主にアメリカやロシアから輸入しています。
身は脂が多く乗っていて身がふっくらとしているのが特徴です。
「白鮭」とは日本で最も馴染み深い種類の鮭で、秋に獲れる白鮭は「秋鮭」や「秋味」、春から夏に獲れる白鮭は「トキシラズ」と呼ばれています。
外観は銀色に青と紫のストライプ模様で、身がほかの鮭に比べて白っぽいことから「白鮭」と呼ばれるようになりました。
白鮭は、北太平洋や日本海、オホーツク海、ベーリング海などに生息し、秋になると北海道や東北などの川に帰ってきて産卵する鮭です。
日本では川帰ってきた鮭から卵を取り出し受精させて、稚魚になるまで育ててから放流するという増やし方を行い、食用の白鮭は海で取っています。
白鮭は縄文時代から食べられていたといわれており、塩漬けにして食べるのが一般的で、とくに秋鮭を塩漬けしたものを「新巻き鮭」と呼んで昔からお歳暮や正月の贈り物としても利用されてきました。
どの種類の鮭もそれぞれに違った風味があって美味しいので、ぜひ食べ比べてお好みの鮭を見つけてみてはいかがでしょうか?
<鮭が生まれた川に戻ってこれるのはどうして?>
鮭は川で生れて海に行き、成長するとまた生まれた川に戻ってきて卵を産みます。
これは広く知られている「母川回帰」という鮭の習性ですが、鮭はどうして迷うことなく生まれた川に戻ってこれるのでしょうか?
それは、鮭は生まれた川の匂いを覚えているからだといわれています。
川には数十種類のアミノ酸が組み合わさったそれぞれ違う匂いがあり、鮭はこの匂いを覚えているために母川回帰ができるとされています。
その証拠に、とある実験で鼻に詰め物をした鮭は生まれた川に戻れなかったという結果が出ているのです。
またそのほかにも、体内のある磁性体(磁気を発生させる器官)と地磁気から方向を知る磁気コンパス設や、太陽の位置や角度などと鮭自身の体内時計から自分の位置を知る太陽コンパス設などがありますが、はっきりとした母川回帰の仕組みは分かっていません。
しかし、98%もの鮭が生まれた川に戻ってきていることから、自分が生まれた川は産卵に適した場所だとインプットされているのかもしれませんね。
だからこそ、鮭がちゃんと戻って産卵ができるように川を守っていかなければならないのです。
▪まとめ
私たちに身近な魚である鮭にも、まだまだはっきり解明されていない部分があるのですね。
また、鮭の種類も私は深く考えたことがなかったのですが、それぞれ違った特徴があることが分かり、それぞれに合った食べ方をしてみたいと思いました。
みなさんも鮭の日には、ぜひ旬のおいしい鮭を味わってみてください!
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