「1月26日 コラーゲンの日」
■はじめに
筆者が年寄りであるという個人情報が漏洩しているせいか、やたらに健康食品やサプリメントのダイレクトメールが届き、PCのポップアップ広告もその手の製品ばかりが並びます。
目 次
コラーゲンの日とは
1960(昭和35)年1月26日、日本皮革株式会社(現株式会社ニッピ)の西原富雄博士が、それまで水に溶けないとされていたコラーゲンの可溶化に成功しました。
その成功を端緒として、今日では医薬品をはじめ食品、化粧品などに広くコラーゲンが使われるようになり、その功績を記念してニッピの子会社である(株)ニッピコラーゲン化粧品が1月26日を「コラーゲンの日」に制定しました。
■コラーゲンの日の意味と由来
そもそも、コラーゲンとは何物でしょうか。
関節の痛みを和らげ、美肌に効果があると宣伝され始めたのはそう昔のことではない気がします。
まず雲をつかむような話から始まりますが、地球上に霊長類が登場したのは約1億年から7000万年前と言われ、そこからさらに遡る6~8億年前は地球全体が凍っていて単細胞生物しか存在していませんでした。
やがて、地球の凍結が緩和されて気温が上がるにつれ酸素が生まれたことで、単細胞生物の一部がコラーゲンを作り出すようになりました。
コラーゲンが持つ接着能力によって、単細胞同士がつながり多細胞生物が誕生、その後、途方もない年月を経て60兆個もの細胞で作られた「人間」が地球上を闊歩することになります。
コラーゲンがあったればこそ、今日の私たちがあるんですね。
しかし、人間の体からは20歳ころをピークにしてコラーゲンが減少し、40歳で半分に、60歳では3分に1になると言われています。
その結果、新陳代謝が悪化、酸素や栄養も細胞に届かなくなってしまい、これが老化の原因だそうです。
なるほど、これがコラーゲンはアンチエイジングに効果があるという謳い文句の由来だったんですねえ。
■コラーゲンの日のイベント
資生堂が東京・渋谷のカフェで「コラーゲン入りスーパーフルーツソースが楽しめるリコッタチーズパンケーキ」という長い名前のスペシャルメニューの提供や、コラーゲンドリンクをプレゼントするイベントを実施しますが、これは資生堂が制定した4月15日の「良いコラーゲンの日」に照準を合わせた開催でした。
競合他社が制定した記念日に資生堂が相乗りするはずもありませんね。
制定本家のほうはと言うと、イベントの気配は皆無です。
コラーゲンの日の雑学
▽コラーゲンは「キズの治りが早い」?
ゼラチンの原料としても知られるコラーゲンは、ヒトの皮膚や血管、靭帯、腱、軟骨などを構成する繊維状のたんぱく質です。
なにせ60兆個の細胞をそれぞれつないでいるので、当然コラーゲンも60兆個存在し、体重の6~7%、1gあたり10億個の計算になりますね。
コラーゲンは手羽先や牛すじ、アジの開きなどの食事によって体内で作り出すことが可能です。
食事から摂取したコラーゲンはいったん胃や腸で分解されますが、分解しきれなかったペプチドというカケラが体内に吸収されることによって増殖した繊維芽細胞が、再びコラーゲンを復活させます。
医療の現場では、コラーゲン入りの食品を摂った患者は「キズの治りが早い」といった声も聞かれると言います。
しかし、コラーゲンの摂取は1日に5~10g必要で、とても食事だけでは賄えないため、サプリメントの利用が有効になります。
なるほど、これがコラーゲンはサプリメントでという謳い文句の由来だったんですねえ。
▽「有効性は証明されていない」?
ちやほやされがちなコラーゲンですが、厚生労働省は「有効性については十分証明されているとは言えません」としています。
また、効能を信じて摂取する場合でもいくつかの注意が必要になります。
まず過剰摂取ですが、コラーゲンを含む食べ物は高脂質なのでニキビや体重増につながったり、腎臓が弱い人には排尿難やむくみのリスクがあります。
適量を守ることはもちろんですが、他に大切なことはビタミンCを一緒に摂ることです。
紫外線でダメージを受けた皮膚のためには、緑茶やチーズ、鶏肉、卵、昆布、トマトなどと一緒に摂取することを心がけましょう。
■最後に
筆者は「関節の痛みを和らげる」というサプリメントをお試し価格で購入したことがあります。
しかし、生来の根気のなさに加え、解熱剤のようにすぐ効果が現れるわけでもないため、半分飲み残したままになっています。
サプリメントは信じることが大切ですね。
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