▪はじめに
みなさんはヨットで数々の冒険を成功させた堀江謙一という人をご存知でしょうか?
かつて何度かテレビで取り上げられたことがあるので、聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。
今回は、その堀江謙一氏に関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
太平洋横断記念日とは
太平洋横断記念日は、毎年8月12日にあります。
太平洋横断記念日とは、1962年(昭和37年)8月12日に、海洋冒険家堀江謙一が日本人で初めて小型ヨット「マーメイド号」での太平洋単独横断を成功させたことに因んで制定された記念日です。
▪意味
太平洋横断記念日には、海洋冒険家の堀江謙一が1962年(昭和37年)の8月12日に小型ヨットで日本人初の無寄港太平洋単独横断を成功させた偉業を讃えるという意味があります。
▪由来
太平洋横断記念日は、堀江謙一氏が1962年(昭和37年)の5月12日に兵庫県西宮市を出発し、94日間の航海の末、8月12日にサンフランシスコに到着したことに由来して制定されました。
▪イベント
太平洋横断記念日に関するイベントは、残念ながら見つけることができませんでした。
堀江謙一氏に関する雑学
<堀江謙一の太平洋横断とは?>
日本人で初めて小型ヨットで太平洋横断を成功させた海洋冒険家の堀江謙一氏は、1938年(昭和13年)に大阪で誕生しました。
高校生のときにヨット部に入部したことをきっかけに、ヨットの魅力に取りつかれてしまった堀江氏は、23歳のときに小型ヨットでの単独航海に出発します。
しかし、当時はヨットでの出入国が認められていなかったため、家族と友人以外には知らせずこっそりと始めた航海だったので、友人が新聞社の知り合いにうっかり言ってしまっても信じて貰えず、両親が捜索願を出したら記事にしてやると言われたのだとか。
堀江氏は両親に「120日間は大丈夫だから」と言って出かけたそうですが、当時はヨットに無線機も設置しておらず安否すら分からない状態だったので、8月10日に両親が捜索願を出したのだそうです。
航海の最中、何度も嵐に見舞われたり全く風が吹かず進むことができなかったりしましたが、94日目の8月12日ついにアメリカ・サンフランシスコに到着します。
堀江氏は、密出国でパスポートも持たなかったので陸に着いたら逮捕されてもかまわないという覚悟でいましたが、意外とみんな親切にしてくれたのだそうです。
当時は外国の港に入港する場合は黄色い旗を揚げることが国際法で定められたルールで、それは検疫を受けたいというサインでもありました。
海外から来たと分かる黄色い旗を掲げた堀江氏のヨットを1台のヨットが沿岸警備隊の船まで先導してくれて、その後検疫を受け無事に入国出来たのだそうです。
日本の若者が小さなヨットでやってきたことはニュースとなり、当時のサンフランシスコ市長ジョージ・クリストファー氏が「コロンブスもパスポートは省略した」と堀江氏を名誉市民としてパスポート無しで受け入れ、その後1ヵ月間の滞在許可も降りています。
滞在期間中は日本領事館で世話になり、新聞で堀江氏は「NOパスポート、NOイングリッシュ、NOマネー」だったと報じたことで、JALがよかったらと日本行きの飛行機に乗せてくれたのだとか。(実際は少しのお金は持っていて足りない分は両親に送ってもらうつもりだったそうですが)
アメリカでは冒険家として親切にして貰った堀江氏でしたが、日本では偉業を褒め称える声ばかりではなく、無謀なことをした密出国者として非難されることもありました。
しかし、サンフランシスコ市長の対応が日本で報じられたことで非難の声は小さくなり、偉業を成した冒険家として受け入れられたのです。
堀江氏はその後も日本初小型ヨット単独無寄港世界一周、縦回り世界一周、世界初ソーラーボート単独太平洋横断、世界初足漕ぎ(人力)ボート単独太平洋横断、ビール樽とペットボトルのリサイクル素材でできたヨットでの単独太平洋横断などの航海を次々と成功させ、菊池寛賞、植村直己冒険賞特別賞、内閣総理大臣賞などを受賞しています。
<ふね遺産に認定された「マーメイド号」>
堀江氏と一緒に太平洋横断の航海をしたのは、小型ヨット「マーメイド号」でした。
マーメイド号は、ヨット設計士・横山晃氏が設計した全長5.83m、水線長5.03m、幅2.00mのスループ艇で、マストが1本のポピュラーなタイプのヨットです。
堀江氏と横山氏は太平洋横断前から面識があり、航海前に堀江氏が「(この艇で)太平洋横断は可能か」という質問をし、横山氏は可能であると答えさらにマストを10%短くするようにアドバイスをし、堀江氏は横山氏の答えのとおり、マーメイド号での太平洋横断を成功させました。
この航海の後、マーメイド号はサンフランシスコ海事博物館に展示され、歴史的事実や社会的意義を伝え続けています。
そして太平洋横断を成功させた歴史的偉業を讃え、2020年(令和2年)に「ふね遺産」に認定されました。
▪まとめ
堀江氏がヨットでの太平洋横断を成功させて以降、多くの日本人がヨットでの冒険を成功させています。
一番新しい成功者はキャスターの辛坊治郎氏で、2021年(令和3年)6月16日に70日間の航海を経てアメリカ・サンディエゴに無事到着しました。
これは、堀江氏らがヨットでの太平洋横断は不可能ではないことを証明し、サンフランシスコ市長が堀江氏を冒険家として認めてくれたという歴史があったからだといえます。
もちろん、ヨットの性能が年々良くなっていることも重要です。
堀江氏は100歳まで冒険家としてチャレンジしたいと言っているので、今後活躍に期待したいと思います。
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