春先に黄色の花を咲かせるレンギョウ。
その花言葉はポジティブなものが多く、希望に満ちた春と同じようです。
しかし、レンギョウには悲しい伝説があったのです。
目 次
レンギョウとは
レンギョウは中国を原産とするモクセイ科レンギョウ属の落葉低木です。
樹高が1.5~3m、開花時期が3月~4月で黄色の花が枝に密になって咲きます。
レンギョウの名前の由来
和名のレンギョウは漢名「連翹」の音読みしたもので、枝に花や実が並んで付くことから連なる「連」、キジが飛び立つ際に足をつま立てる様子に似ていることから「翹」という漢字が当てられています。
しかし、原産地の中国でレンギョウは「巴草(トモエソウ)」や「弟切草(オトギリソウ)」のことを指します。
中国でのレンギョウは「黄寿丹」のことで、日本に伝来する際に間違って「連翹(レンギョウ)」となったそうです。
学名は「Forsythia(フォースィスィア)」で、スコットランドの園芸家であるウィリアム・フォーサイスからつけられています。
英語名は「golden bell flower」で、金のベルのような花を咲かせることからこのように名付けられています。
レンギョウが誕生花となる日にち
1月10日、1月18日、2月12日、3月22日、12月4日
レンギョウの花言葉
レンギョウの花言葉は「期待」「希望」「豊かな希望」「情け深い」「集中力」「とまどい」です。
開花時期が3月~4月で春に咲く花のため、春の訪れを待っていたかのようなところから「期待」や「希望」といった花言葉がつけられたのでしょう。
レンギョウの色別の花言葉
レンギョウの花は黄色のものしかなく、特に色別の花言葉はないようです。
レンギョウの怖い花言葉
春に咲く花だけあって、花言葉もポジティブなものしかなく、特に怖い花言葉はないようです。
しかし、岡山県指定天然記念物である「井倉洞」にまつわる「阿里佐」の悲恋物語がこのレンギョウと関係がありました。
レンギョウの言い伝え
今から400年ほど昔の話です。
むかしむかし、ヤマトレンギョウが咲く土地に、阿里佐と茂作という若い二人が住んでいました。
二人の仲のことは村の人々にも祝福されるほどでした。
平穏な日々を過ごす二人ですが、ある日、備中高梁の松山城から城主三村家の長女である鶴姫がこの村を訪れました。
鶴姫は絶世の美女で、遠く中国までその噂が伝わるほどの美貌でした。
その美しい鶴姫の姿を見た茂作は見とれてしまい、ついに心まで奪われてしまいます。
鶴姫がこの村を去ると、茂作は阿里佐を捨てて鶴姫を追いかけてしまうのです。
鶴姫を追いかけて行ってしまった茂作に阿里佐は悲しんでしまいますが、それでも茂作の帰りを待ち続けました。
阿里佐の悲しみ、涙ぐむ姿に、村人たちも心を痛めます。
長い冬がいよいよ終わり、村に春が訪れ、ヤマトレンギョウが咲き乱れる季節となりましたが、それでも茂作は帰ってきません。
悲しみにくれた阿里佐は、ついに船隠しの淵へ身を投げてしまうのです。
阿里佐の身を投じた淵は「阿里佐淵」と呼ばれ、村人たちは祠を築きました。
以来、阿里佐は自分のような悲しむ人がいないように恋の神様として、「阿里佐の宮」に祀られているのです。
ギリシャ神話でも恋に因んだ様々な花の伝説がありますが、日本でも同様に伝説があるのですね。