春に淡い青や白、ピンクの花を咲かせるワスレナグサ。
日本では歌のタイトルや歌詞にも多く使われ親しまれていますが、どこか悲しい印象です。
そんなワスレナグサですが、以外にも愛や友情にまつわる花言葉を持っています。
目 次
ワスレナグサとは
ワスレナグサは温帯の地域原産ですが、暑さに弱い花です。
寒冷地でも咲き、寒い地域では多年草、暑い地域では1年で枯れてしまうため一年草とされています。
ワスレナグサは開花期が長く、3月下旬から6月上旬まで楽しめる花です。
ワスレナグサには広義と狭義の意味が存在します。
広義は、ムラサキ科ワスレナグサ属を意味します。
狭義は、ワスレナグサ属の1つである、シンワスレナグサの和名です。
しかし、ワスレナグサと呼ばれる花はシンワスレナグサだけではありません。
園芸用に流通しているワスレナグサは、ノハラワスレナグサとエゾムラサキ、さらにはそれらを交配した種類の花をさします。
ワスレナグサの名前の由来
ワスレナグサの名前は、ドイツの悲しい恋の話が由来となっています。
騎士のルドルフは、恋人ベルタのために、ドナウ川の岸に咲く花を摘もうと思い、川岸に近づきました。
しかし、岸に降りたとき、誤ってドナウ川に落ちてしまい、川に流されてしまいます。
騎士ルドルフは恋人のために摘んだ花を、最後の力をふり絞り、岸に投げました。
その時に「Vergiss mein nicht!」(僕を忘れないで)と、叫んだとされています。
恋人ベルタは、ルドルフのお墓に、岸に投げられた花をお供えし、ルドルフの叫びを花の名前としました。
ルドルフとベルタの話から、ドイツではワスレナグサを「Vergissmeinnicht」と呼んでいます。
また、英名は、「Vergissmeinnicht」をそのまま訳した、「forget me not」と呼ばれます。
日本では、1905年に、「ワスレナグサ」と訳されました。
ワスレナグサは漢字で「勿忘草」や「忘れな草」と表記されます。
また、ワスレナグサの学名は、「Myosotis」です。
ギリシャ語を由来とし、「mys」がハツカネズミ、「ous」が耳を意味します。
ワスレナグサの葉の形は、ハツカネズミの耳に似ているため、この学名がつけられたとされています。
ワスレナグサが誕生花となる日にち
2月5日、2月7日、2月29日、3月15日、4月5日、5月14日
ワスレナグサの花言葉
「真実の友情」「誠の愛」「私を忘れないで」これらがワスレナグサの花言葉です。
「誠の愛」「私を忘れないで」は、名前の由来でもある、ルドルフとベルタのお話が由来になっていると言われています。
また西洋では「真実の愛」「思い出」といった花言葉がつけられています。
ワスレナグサは、古くから、愛情や友情、誠実さなどの象徴とされていました。
特に欧米諸国では、広く親しまれ、アメリカ合衆国のアラスカ州では、州花として扱われています。
日本では、どこか悲しいイメージを持つワスレナグサです。
ワスレナグサを歌のタイトルや歌詞など使ったものが多く、曲調や歌詞が少し悲しい印象があります。
しかし、フランスでは、ワスレナグサが友情を表現する花とされています。
ワスレナグサの色別の花言葉
ワスレナグサの花色は、青色、白色、ピンク色などです。
それぞれの花の色に合わせて、花言葉がつけられています。
多くの青色の花は、愛にまつわる花言葉がつけられている場合が多いです。
青色のワスレナグサの花言葉も愛にまつわります。
「誠の愛」「真実の愛」です。
この花言葉は、ドイツの悲しい愛の話が由来となっています。
白色のワスレナグサは「私をわすれないで」です。
この花言葉は、世界で共通です。
ドイツでは、白いワスレナグサに、「花が何を話すか聞いて」「汝、私について考えよ」という花言葉もあります。
ピンクのワスレナグサは「真実の友情」。
他の色のワスレナグサは、愛を表す花言葉ですが、ピンクは友情です。
ワスレナグサには他にも黄色や紫色の花がありますが、色別の花言葉はつけられていないようです。
ワスレナグサの怖い花言葉
名前の由来や花言葉は、ドイツの悲しい恋の話と深く関係していますが、ワスレナグサには、怖い花言葉はありません。
淡い色で、小さくかわいらしい花が春を色どり、多くの国でなじみ深いワスレナグサ。
その名前や花言葉の由来は、悲しい恋の話ですが、愛情や友情を象徴する、すてきな花です。
日本では悲しいイメージですが、由来や花言葉を知ると、見た目も相まってポジティブな印象に変わりますね。