青紫色の花と美しい蔓状の葉が一見ガーデニングに良さそうですが、実は植えてはいけない植物とも言われているツルニチニチソウ。
なぜそのように言われているのか、実際はどのような花なのか見ていきましょう。
目 次
ツルニチニチソウとは
ツルニチニチソウ(蔓日々草)はキョウチクトウ科の常緑蔓(つる)性植物です。
原産地はヨーロッパの地中海沿岸で、別名ツルギキョウ、ビンカとも呼ばれています。
多年草で茎が地面を這うようにしてどんどん成長していきます。
日本で出回っているものは斑入りのものが多く、こちらは花があまり咲かないようです。また斑入りでない緑のツヤツヤした葉の品種もあります。
繁殖力があり広がっていくのでラティスやフェンスに這わせたり、グランドカバーやハンギングから垂らしたりして鑑賞されています。
花は日々草に似ていて春から初夏にかけて咲きます。
日々草自体も暑さに強くどんどん花が咲きますが、ツルニチニチソウも生命力のある植物です。
イングリッシュガーデン、ブルーガーデンなどのガーデニングによく用いられています。
ツルニチニチソウの名前の由来
これは見た目からもおわかりのように日々草の花に似ていることからと茎がつる状に伸びていくことからつけられました。
日々草自体は毎日のように次から次へと花を咲かせるのでそのような名前がつきました。
ツルニチニチソウが誕生花となる日にち
2月24日、4月10日、11月16日
ツルニチニチソウの花言葉
ツルニチニチソウの花言葉は「楽しい思い出」「優しい追憶」「幼なじみ」です。
「楽しい思い出」の由来ですが、18世紀にフランスで活躍した哲学者ジャン=ジャック・ルソーが書いた「告白」という自叙伝から来ています。
この「告白」という本は第1部と第2部に分かれていて第1部は幸福な人生の前半が書かれていてそれとは反対に第2部は不幸な後半の人生が書かれています。
この本の中でルソーは若かりし頃大好きだったド・ワレン夫人が「ツルニチニチソウがまだ咲いているわ」と言ったことをのちの何十年か後にツルニチニチソウを再び目にした時、思い出します。
幸せだった当時を懐かしく回想したことからこの花言葉がつきました。
「優しい追憶」はツルニチニチソウは冬でも枯れない強い植物の上、きれいな花も咲かせるということから不死の象徴として、死者に捧げる花とされていました。
きっと後に残された人を慰めるように亡くなった人とのことを優しく思い出させてくれる花だったのでしょう。
「幼なじみ」はツルニチニチソウが人々の心の中にある昔の思い出のシーンを回想させるからなのか、ひとつの株から長いツル状に絡み合っていく様からきているのかなどはっきりしたことはわかっていません。
ツルニチニチソウの色別の花言葉
ツルニチニチソウは青紫色のものしか無いようで色別の花言葉もありません。
ツルニチニチソウの怖い花言葉
ツルニチニチソウは死者に捧げられた花ではありますが、怖い花言葉というのは特に無いようです。
ただ、後述しますが、ツルニチニチソウは庭には植えてはいけません。
これは毒を持つ植物だからです。
ツルニチニチソウの言い伝え
ツルニチニチソウは古くからヨーロッパでは身に着けていると災いを跳ね除け、幸福と繁栄をもたらす花と言われてきました。
これは強い生命力と冬に枯れない不死の象徴ともされているからではないでしょうか。このことから「魔女のすみれ」とも呼ばれています。
きっとお守り代わりに身に着けていた方も多いのでしょうね。
一方でツルニチニチソウは植えてはいけない植物としても言われています。
それはアルカロイドという毒を持っているからです。
アルカロイドは口にすると腹痛、吐き気、しびれなどの食中毒症状を引き起こしますので、ペットがいる家は注意した方が良いでしょう。
また、一度植えるとどんどん生育していくため、日頃からこまめに手入れしていないと後が大変になるので気を付けましょう。