「菊」という名前がついていると日本の花のイメージがありますが、実はヤグルマギクはヨーロッパなど海外でも愛されてきた花なのです。
古代エジプトの王ツタンカーメンの墓に埋葬品として添えられたという話やマリー・アントワネットがヤグルマギクが描かれた食器を愛用していたことも有名なお話です。
目 次
ヤグルマギク(矢車菊)とは
耐寒性のあるキク科の一年草です。
原産国はヨーロッパ東南部で野生種は夏に咲くことがありますが、日本の暖かい地域では市販品の種を秋に蒔くと4月頃に花が咲きます。
花はいくつもの花びらが放射状についていて矢車のような形をしています。
色は青、紫、ピンク、白などがあります。
草丈は20~100㎝ほどで葉と茎は白い綿毛でおおわれています。
かつては「ヤグルマソウ」と呼ばれていたこともありますが、ユキノシタ科のヤグルマソウと区別するために「ヤグルマギク(矢車菊)」という正式な名称がつけられています。
ヤグルマギク(矢車菊)の名前の由来
ヤグルマギクの花の形が端午の節句に挙げる鯉のぼりの竿についている飾り「矢車」に似ていることからこの名前がつけられました。
また、ちょうどこの時期にヤグルマギクの花が咲くのでぴったりの名前ですね。
英名では「コーンフラワー(小麦の花)」と言いますが、ヨーロッパの麦畑の中に咲いていたことからつけられました。
また「ケンタウロス」という属名がついているのですが,これはギリシャ神話で半人半馬のケンタウロスが怪我をした際にヤグルマギクの汁を塗ると治ったことが由来とされています。
実際に消炎効果のある薬草として用いられてきました。
ヤグルマギクが誕生花となる日にち
3月1日、3月5日、3月22日、4月26日、5月11日
ヤグルマギク(矢車菊)の花言葉
ヤグルマギクの花言葉は「優雅」「優美」「繊細」「信頼」「教育」です。
「優雅」「優美」は見たままの花の形や色のイメージからそのような花言葉がついたようです。
乾燥させやすく、花も発色が良いのでポプリやドライフラワーなどの観賞用としても用いられています。
「繊細」は小さな花びらが放射状になって集まっている姿や絶妙な色加減からついたのではないでしょうか。
「教育」「信頼」は19世紀頃のドイツでナポレオンに攻められた際にルイーゼ王妃が子供たちを連れて麦畑に隠れました。
王妃はおびえる子供たちに勇気を与えるため、ヤグルマギクで花かんむりを作ってあげたそうです。
そのような中でたくましく育った子供たちはやがて立派な大人へと成長していきました。
子供たちの教育のそばにはいつもこの花があったことからこの花言葉がついたようです。
そしてこのヤグルマギクはのちにドイツの国花となっています。
ドイツにとってこの花は国の誇りを表した花なのですね。
ヤグルマギク(矢車菊)の色別の花言葉
ヤグルマギクの花言葉は特に無いようです。
ヤグルマギクの中で最も代表的な色は青色でとても神秘的な色をしており、これは青い花の中では一番完全な青と言われています。
ヤグルマギク(矢車菊)の怖い花言葉
ヤグルマギクの怖い花言葉は特に無いようです。
ヤグルマギク(矢車菊)の活用方法
【ドライフラワーとポプリ】
ヤグルマギクは乾燥した状態でも色持ちが良いため、ドライフラワーやポプリを作るのに最適です。
ドライフラワーは花が咲いてからなるべく早めに切り、葉は少しだけ残して余分な葉はある程度取り除きます。
ひもで縛り、風通しの良い日陰で逆さにつるして干しましょう。
枯れかけた花で作るのではなく、花が新鮮なうちに切ってドライフラワーにした方が鮮やかさが長持ちします。
ポプリはドライフラワーにした花の部分を取ってエッセンシャルオイルを数滴たらし、瓶などに入れて2~3週間置いてなじませます。
【ハーブティ】
ヤグルマギクはコーンフラワーティーとしても親しまれています。
青色の花の茶葉なので初めて見た方は少し驚くかもしれませんが、クセのないほのかな味と香りで紅茶とブレンドしたりして楽しみます。
熱湯を注ぐと次第にピンクに色が変わっていき、疲れた目や胃に優しいお茶です。