育てやすく、色も鮮やかで美しいことから、古く人々に親しまれてきた「アネモネ」。
アネモネの花言葉が、悲しいイメージのものが多いことを知っている方もいらっしゃると思います。
なぜ悲しい花言葉が多いのか、実は神話に関係があります。
目 次
アネモネの花言葉
アネモネ全般の花言葉は「儚い恋」「恋の苦しみ」「可能性」「清純無垢」です。
たしかに、成就するような幸せな恋ではなく、叶わない恋に苦しむような言葉が多いのがわかります。
しかし、「清純無垢」という純粋でまっすぐな気持ちや、「可能性」という恋愛成就を示唆するような意味もあります。
どんなに苦しい恋でも、結ばれる可能性はある、という希望に満ちた花ととらえることもできますね!
アネモネが誕生花となる日にち
1月22日、3月12日、3月13日、4月2日、4月6日
色で変わる花言葉
赤
「君を愛す」
赤いアネモネはオレンジがかったような色合いで、一見すると毒々しいような印象を受けます。
花言葉は「君を愛す」ということで、非常に情熱的な愛を伝えたいときに向いています。
他の色では片思いの相手に対して「信じて待つ」というような意味合いが多い中で、赤色のアネモネだけは積極的な花言葉を与えられているのが特徴です。
白
「真実」「期待」「希望」
多くの白い花がそうであるように、白いアネモネもポジティブで希望にあふれる花言葉を持っています。
白いアネモネはその見た目の華やかさ、美しさから結婚式のブーケや花冠などにも多く用いられます。
結婚式のように幸せな場に相応しい素敵な花言葉です!
紫
「あなたを信じて待つ」
紫のアネモネは、淡い色合いのものが多く、咲き姿も気品があります。
相手を追いかけるのではなく、信じ続けるという強い信頼を表す花言葉が与えられているので、遠距離恋愛になってしまう時などに贈るのはいかがでしょうか?
ピンク
「待望」「待ち望む」
ピンクのアネモネは紫に近いような濃いものから、白がかった淡い色のものまでありますが、どれもパッと目を引くような可愛らしさがあり、コサージュなどの装飾品としての人気も高いです。
長く耐えた片思いが成就した時の喜びや嬉しさが伝わるような花言葉です。
青
「堅い誓い」
青いアネモネは決して派手ではありませんが、存在感を放つ花です。
「堅い誓い」という花言葉は、他の色と比べて恋愛だけではなく、家族や友達など、どんな場面にも使えます。
もちろん、「この人をずっと守りたい」というような誓いとして恋人に贈るのもいいと思います。
国別の花言葉
イギリス
「病気」「消えた希望」
日本のものよりも怖い雰囲気の花言葉です。
西洋では、アネモネという花はあまり幸せや恋愛とは結びつかないようです。
しかし、あくまでイギリスでの花言葉ですので、日本でプレゼントなどにする場合にはあまり気にする必要はないと思います。
フランス
「無邪気」「辛抱」
明るいアネモネのイメージ通りの「無邪気」と、正反対な「辛抱」という二つの花言葉が与えられています。
まったく異なる花言葉ではありますが、色や種類が豊富なアネモネらしいともいえますね。
怖い意味の花言葉
アネモネには「見捨てられた」「見放された」という花言葉があります。
この花言葉から、アネモネの花言葉は悲しい意味というイメージを持っている人がいるのではないでしょうか。
なぜこのような言葉が与えられたかというと、ギリシャ神話が関係してます。
愛の女神アフロディーテが、息子であるキューピットと遊んでいる時に、誤って息子の矢を胸に受けてしまいます。
キューピットの矢が刺さってから傷が治るまでの間に異性を見ると恋に落ちてしまうというものですが、アフロディーテは傷が完治する前に「アドニス」という美少年を見て恋に落ちます。
しかし、アドニスは狩りの途中にイノシシに殺されてしまいます。
その悲しみでアフロディーテが流した涙、あるいは矢が刺さった時の血がアネモネの花に姿を変えた、といわれています。
このような伝説から、失恋や、一方だけが待ち続ける様な辛い恋を表すような花言葉が多いのだと思います。
アネモネとはどんな花
アネモネとは、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草です。
日本では牡丹一華や紅花翁草などと呼ばれます。
原産地はヨーロッパ南部~地中海東部沿岸地域で、春ごろに咲きます。
暑さには弱いですが寒さに強く、開花期が長いことから初心者にも育てやすい花と言われています。
色の種類が多く、色が混ざった種類のものもあるのが特徴です。
名前の由来
ギリシア語で「風」と意味するanemosが語源です。
その由来については諸説あり、春風が吹く頃に咲く花だから、という説、ギリシャ神話で風の神ゼフュロスと恋に落ちた妖精の名前がアネモネだったから、という説などがあります。
アネモネの品種
「モナリザ」アネモネの中でも有名な、高さ60cmになることもある高性の品種です。
高さがあるので育てる時には支柱を添えます。
モナリザは切り花などに使われることが多いです。
「ブランダ」10~15cmほどの小さめの品種です。
豪華さはないですが、素朴で趣のある見た目で、鉢植えなどで育てられます。
菊に似た花びらで、色は可愛らしいピンクや白、淡い青色です。
「モナーク」八重咲きという、花びらの細かい品種です。
花自体は小ぶりですが、花びら同士が重なり合っているので豪華で派手な印象を与えます。
アネモネは悲しい花言葉を持つ花として有名ですが、そのもととなった神話を見ると、決して相手にフラれて失恋したわけではないですし、「アネモネ」という名前の由来もロマンチックで可愛らしいものです。
「耐え忍ぶ恋」というと辛いですが、「ただ一人だけを信じて待つ恋」と言い換えると一途で素敵にも思えます。
ただ苦しいだけではなく、その先にある希望を表す「アネモネ」、色も種類も豊富ですので、ぜひ育ててみてください!