カラフルで可愛らしいポピーがゆらゆらと揺れながら咲く光景はとてもほのぼのとした気持ちにさせてくれます。
日本でよく見られるポピーはアイスランドポピーが主流になっています。
目 次
アイスランドポピーとは
アイスランドポピーはケシ科ケシ属です。
耐寒性の植物ではあるが高温多湿に弱い多年草です。
1759年に北極探検グループの一員だった植物学者がシベリアで発見したため、別名シベリアヒナゲシとも呼ばれます。
草丈は30㎝ほどで茎は毛がないですが葉は毛深いです。
花は薄くて大きい4枚の花びらから成り立ち、カップのような形をしています。
花の大きさは5~15㎝と品種によって差がありますが、比較的野生種の方が小さめです。
花の色は野生種は白色と黄色で、園芸品種はオレンジ、サーモンピンク、クリーム色などがあります。
また、アルカロイドの毒を持っています。
アイスランドポピーの名前の由来
アイスランドポピーはシベリアで発見されましたが、そのシベリアとアイスランドの気候が似ていることからつけられました。
アイスランドポピーが誕生花となる日にち
1月23日、2月20日、2月24日、3月2日、3月4日
アイスランドポピーの花言葉
アイスランドポピーの花言葉は「慰め」「感謝」「思いやり」「眠り」「富・成功」です。
「慰め」の花言葉はギリシャ神話から来ています。
豊穣の女神デメテルは母でもあり、家族を支えてきたのですが、ある日娘がさらわれてしまったのです。
傷つき落ち込んでいた時に眠りの神ヒュプノスがこのポピーを送り、デメテルは慰められたという神話が由来となっています。
そして「感謝」「思いやり」という花言葉もヒュプノスの心遣いや思いやりへの感謝の気持ちからついたようです。
現代でもフラワーセラピーという花の力で心を癒す心理療法があります。
花が人々に素晴らしい影響を与えてくれるものということがよくわかる花言葉ですね。
「眠り」の花言葉は先程のデメテルと眠りの神ヒュプノスとの神話が由来とされる説がありますが、ポピーはケシ科なので乳汁に鎮静作用があるとされ、これを粥に混ぜたものを赤ちゃんに飲ませると眠りについてくれるという言い伝えからついたことの方が有力な説のようです。
また、ラテン語でお粥のことを「PaPa」というのですが、これがポピーの語源と言われています。
「富・成功」は黄色の大きな花びらがお金や財産を意味することからついたようです。
アイスランドポピーの色別の花言葉
アイスランドポピーの花言葉は色別にあるのでまとめてみました。
赤色は「慰め」「感謝」
白色は「眠り」
黄色は「富・成功」
オレンジ色やピンクは全体の花言葉と同じ「思いやり」
となります。
カラフルなアイランドポピーだからこそ、ここまで多くの色別の花言葉がついているのでしょうね。
アイスランドポピーの怖い花言葉
アイスランドポピーの怖い花言葉はあまり知られていませんが、一部では「不吉」という花言葉もあるようです。
これはケシの植物が麻薬として恐れられていた面があり、日本では栽培禁止の植物になっています。
アイスランドポピー自体はこれとは別に分類されていて、日本で栽培しても大丈夫なのですが、同じケシ科ということからこのような花言葉がついたようです。
アイスランドポピーに関連する悲しい伝説
アイスランドポピーは別名シベリアヒナゲシともよばれていますが、このヒナゲシは更に「虞美人草(ぐびじんそう)」という俗名もあります。
この虞美人草には悲しい伝説があったのです。
「虞美人」とは中国の秦代末期の楚王、項羽の愛姫で中国では歴史に名を残す美女と言われています。
項羽は秦代末期時代に秦を滅ぼして楚の王となりましたが、その後、漢の国の劉邦と天下争い(楚漢戦争)が起きました。
最初は項羽の方が優勢でしたが、次第に劉邦の方が勢力をあげてきて、項羽の身の危険を感じた虞美人は項羽の足手まといにならないよう自害したのです。
そして、亡くなった虞美人の傍らにはヒナゲシの花が咲いていたことから「虞美人草」という別名がついたという伝説があります。
ほのぼのとした明るいイメージの花ですが、裏では壮絶な時代を生き抜いた一人の女性の悲しい物語があったのですね。