糸のような葉が白や青の花を包んでいるように見えるニゲラ、その幻想的な姿はまるでベールをまとった花嫁のようです。
目 次
ニゲラとは
キンポウゲ科クロタネソウ属で南ヨーロッパ、中東、南西アジアなどに自生しています。
草丈は40~90㎝ほどになり、耐寒性があります。
秋に種をまくと翌年の4月~6月頃に花が咲く一年草で、花は白、青、ピンク、紫などの色があります。
花びらに見える部分は実際は「がく片」という葉が変化したものであり、本当の花びらにあたる部分は退化して雄しべの周りに目立たないようについています。
たくさんの細い葉が花を包んでいるように見えるのが特徴です。
花期が終わると風船のような実をつけ、割れると中から黒い種が出てきます。
この種はこぼれ種でも発芽しやすく、繁殖力があります。
芳香性もあり、甘いバニラのような香りがします。
ニゲラの名前の由来
ニゲラは花期の後に黒い種子をつけます。
このことからラテン語では「Niger(黒い)」という意味があり、それが「Nigella(ニゲラ)」となりました。
同じような由来で和名ではクロタネソウ(黒種草)といいます。
ニゲラが誕生花となる日にち
3月8日、3月31日、4月18日、4月21日、5月29日、8月22日
ニゲラの花言葉
ニゲラの花言葉は「当惑」「困惑」「ひそかな喜び」「夢の中で逢う」「夢の中の恋」「深い愛」です。
「当惑」「困惑」は英語の名前「Love in a mist(霧の中の恋)」から来ています。
ニゲラは細かい葉がベールのように花を覆っているように見える姿が霧がかかっているようにも見えることからこの英名がつきました。
霧で姿がよく見えないことから惑わされるということを意味しています。
「ひそかな喜び」もそのような中でひっそりと咲く姿がイメージされることからついたのではないでしょうか。
とても幻想的な情景が浮かぶ花言葉ですね。
そして、この夢かまぼろしかわからない幻想的なイメージから「夢の中で逢う」「夢の中の恋」という花言葉もついたのではないでしょうか。
また、フランスでは「ビーナスの髪」と呼ばれており、「深い愛」という花言葉と人々に慈愛を与える女神が関係しているのかもしれません。
ニゲラの色別の花言葉
ニゲラの色別の花言葉は特に無いようです。
ニゲラの怖い花言葉
ニゲラの怖い花言葉自体は特にないようですが、英名で「藪の中の悪魔」とも呼ばれています。
これは花が終わった後になる実の形が角が生えている悪魔のように見えて、中から真っ黒な種が出てくることが由来のようです。
一方では「霧の中の恋」のような美しい呼び方があるのに対して、正反対の花言葉ですね。
ニゲラの言い伝え
ニゲラは「夢」に関連する花言葉がいくつかありますが、ヨーロッパでの言い伝えで「ドライフラワーにしたニゲラを枕の中に入れると好きな人が夢に現れる」「ニゲラを枕元に置いて寝ると夢の中で好きな人と会える」という言い伝えがあります。
西洋では昔から眠る前の儀式やジンクスが色々あり、この言い伝えも古くから信じられてきたようです。
また、イスラムではニゲラの種子が「死以外の病をすべて治す」という言い伝えがあります。
そんな素晴らしい言い伝えがある位ですから、実際にも食されていたようです。
一部のニゲラの中で「ブラッククミン」と呼ぶ品種があり、これはハーブやスパイスとしても利用されてきました。
エジプトのツタンカーメンの埋葬品としてもこのブラッククミンのオイルが添えられていたそうです。
一般的なクミンとはまた違うものになり、鎮痛、抗炎症作用を目的として使われ、気管支にも良いと言われ、風邪の時にも用いられてきました。
しかし、ニゲラは食用として利用できるものと出来ないものがあり、日本で流通している種は園芸用のものが一般的ですので、間違えて誤食しないように注意が必要です。