ナデシコと言われると、花びらの先が細かく毛のようになっている品種を思い浮かべる人が多いでしょう。
それはカワラナデシコという、日本が原産のナデシコです。
カワラナデシコは秋の七草の1つで、古くから人々を魅了している花でした。
目 次
カワラナデシコとは
日本の西の地域で多く分布しているカワラナデシコ。
草原や野原などで、見られることが多いです。
中国や台湾、朝鮮半島などにも分布しています。
日なたを好む傾向があり、開けた場所で自生することが多いです。
背丈は30~80㎝程度で、花は5枚の花びらで形成されます。
花びらの先は、細かく切り込みが入り毛のようです。
花の付け根が筒状になってつがっており、上向きに大きく花開きます。
花色はピンクや白色で、花が開く時期は7~10月頃です。
カワラナデシコの名前の由来
「河原撫子(カワラナデシコ)」は、河岸や川原に多く自生していることから、つけられてます。
また、「ナデシコ」の部分は、可愛らしく、愛おしい姿が、撫でたくなるほど可愛らし子どもに由来しつけられたそうです。
カワラナデシコの別名には、「大和撫子(ヤマトナデシコ)」という名前があります。
この名前は、中国が原産であるナデシコと区別するために、カワラナデシコに「ヤマト」とつけたそうです。
西洋名は「fringed pink(フリンジッド ピンク)」です。
花びらの先が、細い毛のようになっていることから由来しています。
イギリスでは、ナデシコ属のことを「pink(ピンク)」と呼ぶことから、「fringed pink」とつけられています。
カワラナデシコが誕生花となる日にち
7月14日
カワラナデシコの花言葉
花言葉は、「可憐」「純愛」「貞節」「大胆」などです。
西洋の花言葉には、「boldness(大胆)」とつけられています。
撫でたくなるほど愛おしい子供のようで、とても可愛らしい花姿です。
また可愛らしいだけでなく、純粋な印象を受けることから、「可憐」「純愛」などの花言葉になりました。
西洋の花言葉にもつけられている「大胆」は、草原や川原など開けた場所に、目立つ花色で咲くことが由来と言われます。
他にも、別名のヤマトナデシコから、見た目に美しい女性であるが、しっかりと芯のある人ということでつけられたという説です。
また、赤色のナデシコが情熱的に見えることから、西洋でつけられたと考えられています。
カワラナデシコの色別の花言葉
日本でよく目にするピンク色は「純粋な愛」、「pure love(純粋な愛)」です。
柔らかなピンク色が、純粋で可憐な女の子を思わせたのかもしれません。
「純粋で燃えるような愛」「pure and ardent love(純粋で燃えるような愛)」という花言葉がつけられているのが、赤色のカワラナデシコです。
大人の女性が情熱的な恋愛をしているように見えたのでしょう。
白色のカワラナデシコには、「器用」、「才能」、「ingeniousness(器用)」「talent(才能)」です。
カワラナデシコの怖い花言葉
花色が明るく、可愛らしい印象が強いカワラナデシコ。
花言葉に怖い印象のものは、つけられていないようです。
秋の七草のカワラナデシコ
カワラナデシコは、日本原産のナデシコで、古くから日本人に親しまれてきた花です。
江戸時代には、少し変わった様相の花がはやり、古典園芸植物の1つとされていました。
カワラナデシコは、秋の七草の1つです。
他に秋の七草は、「ススキ」「キキョウ」「クズ」などが含まれます。
秋の七草は、花の姿を、見て楽しむものですので、春の七草のように食べることはありません。
それぞれの草には薬草としての効能はあります。
カワラナデシコは、むくみの解消や高血圧に効果があるとされています。
ただし、妊婦は服用できないので注意が必要です。
しかし、近年は他の植物の繁殖により、分布地が減少傾向です。
特に、岩手県や埼玉県、鹿児島県、沖縄県では、絶滅危惧に指定されています。
江戸時代から、日本人を魅了してきたカワラナデシコ。
近年は減少傾向にあり、なかなか観察することができないかもしれません。
カワラナデシコを見つけたら、ゆっくり観賞したいですね。